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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先日は不動産権譲渡形態であるDeed(ディード)について概要をお伝えしました。
アメリカ不動産を購入した際に購入者である自分がDeed(ディード)を目にするのは取引がクロージングし、Deed(ディード)が正式に役所に登記された後です。
そこで私(佐藤)が現地との直接契約の仲介に入る際は、エスクロー会社より送られてきた登記済のDeed(ディード)を購入者である新しいオーナーに転送します。
この時、Deed(ディード)を受け取った方がその内容を確認する中で十中八九疑問に思うのが
「購入した物件の住所がDeed(ディード)上に記載されていない」
ということです。
例えば購入した物件の住所が
123 Abc street New York, New York 10001
である場合、この住所がDeed(ディード)上に記載されていることはありません。
なぜDeed(ディード)には住所が記載されていないのかといえば、
「郵便配達に使われる住所は、永久に変更されないとは限らない」
という前提があるからです。
特に住所の根幹をなす「ストーリー名」に関して、その通りの名称が変更される可能性は十分にあります。
そうするとDeed(ディード)上に住所が記載された状態では、仮に物件売買の際にストーリー名が変更されていると
「役所に登記されている情報とは一致しない」
ということでクロージングに進めるのに支障をきたす場合が考えられます。
その為、対象となる物件の所在地を表す情報はストリート名を含む郵便住所ではなく、全く違う表記である必要があります。
このDeed(ディード)で使われる土地の表記を
Land descriptions(ランド・ディスクリプションズ)
といい、およそアメリカで目にするDeed(ディード)の全てには物件所在地や土地の範囲を示す表記としてLand descriptions(ランド・ディスクリプションズ)が記載されていることになります。
そこでDeed(ディード)上に出てくるLand descriptions(ランド・ディスクリプションズ)には
Metes and Bound(メーツ・アンド・バウンド)
Lot and Block System(ロット・アンド・ブロック・システム)
Township and Section Method(タウンシップ・アンド・セクション・メソッド)
の三種類があります。
最初のMetes and Bound(メーツ・アンド・バウンド)から見ていきましょう。
Metes and Bound(メーツ・アンド・バウンド)
Metes and Bound(メーツ・アンド・バウンド)とはアメリカでは土地の境界を示すための伝統的な方法で、具体的な境界線や角度、距離を記述することで土地を定義しています。
アメリカ合衆国そのものは200年程前に建国された新しい国ですが、15世紀に大陸が発見されて以降、この土地に入植してきた人々が徐々に土地の所有権を主張し始める中で、このMetes and Bound(メーツ・アンド・バウンド)が使われたのが始まりです。
文字通り"Metes"は長さ(メートル)の測定を意味し、"Bounds"は境界の測定を意味しています。
当時はアメリカ大陸はほとんど開発されておらず、東は森に囲まれ、西はほとんど砂漠の国では境界もなにもありません。
必然、当時の人々は境界を明確にするために自然物を使って土地所有の範囲を主張する必要がありました。
このMetes and Bound(メーツ・アンド・バウンド)の特徴はある固定した始点からスタートし、土地の境界をたどりながら最終的にその始点に戻ってくるというある意味単純な境界の記述であり、この記述により土地の形と大きさが示されることになります。
例として、架空の土地を「チャットランド」考えてみましょう。
下では日本語で記載していますが、実際のDeed(ディード)でも下記のような記述になっています。
Land description(ランド・ディスクリプション):
チャットランドの境界は次のように定義されます。
始点は大きな樫の木の下。
そこから北へ100メートル直進し、小川に到達。
次に、その小川を西に50メートルたどり、石の塔の位置で南に向かって90メートル進む。
その後、東へ直進し、再び大きな樫の木の下、始点に戻る。
上の記述により、「チャットランド」は北側が100メートル、西側が50メートル、南側が90メートル、東側が再び樫の木までの距離として示されています。
このMetes and Bound(メーツ・アンド・バウンド)の記述法は、特に地図等のモダンなツールが存在しなかった時代に土地の境界を正確に示すための主要な方法として使用されていたわけです。
ちなみに現在でも、特定の土地の境界を詳細に記述する際にMetes and Bound(メーツ・アンド・バウンド)が使用されることがあり、とりわけ相当古い土地のDeed(ディード)では未だに当時と変わらない、Metes and Bound(メーツ・アンド・バウンド)の記述を見ることがあります。
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