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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
私(佐藤)の所属するアメリカの大手不動産仲介会社の一つ、ケラー・ウィリアムズ・リアルティ(Keller Williams Realty)社が手数料を巡る全米規模の訴訟で7,000万ドルを支払うことに同意しました。
この和解案は、イリノイ州とミズーリ州で裁判を受けている連邦裁判所に提出され、この合意により、ケラー・ウィリアムズ社は不動産エージェントに支払われる手数料について、より透明性を持たせるための措置を講じることになるのだとか。
訴訟を担当した弁護士の一人、マイケル・ケッチマーク氏は
「この和解は、全米の家の所有者や購入者にとって大きな勝利」
と発言しており、訴訟の主な内容は
「アメリカの大手不動産仲介会社が、家を売る人々に対して不当に高い手数料を支払わせている」
というものです。
昨年の10月にミズーリ州の連邦裁判所で、全米不動産業者協会とケラー・ウィリアムズを含む数社が連邦独占禁止法に違反し、家を売る人に買い手のエージェント手数料を支払わせるよう共謀していたという判決が出されました。
その結果、被告となる全米不動産協会と複数の不動産会社が約18億ドルの損害賠償を命じられたのです。
今後この損害賠償が3倍になる可能性もあり、そうなると全米不動産協会と複数の不動産会社は50億ドル以上を支払うことになるかもしれません。
実に、同じような訴訟が不動産仲介業界に対してまだ十数件ある状態です。
ケラー・ウィリアムズはこの訴訟の先の見えない不確実性から逃れるため、和解することに決めたようです。
この和解をもって、同社やそのフランチャイズ店、各支店は全国の同様の手数料訴訟から抜け出せることになります。
テキサス州オースティンに本部を置くケラーウィリアムズは約180,000人のエージェントを抱える、1,100以上のオフィスを運営していますが、今回の結果をもって同社の執行会長であるゲイリー・ケラーは社内メールで
「この和解を決めたのは、各支店やフランチャイズ、そして彼らが頼りにしているビジネスモデルの直接的かつ長期的な福祉を考慮したから。これによって安定と安心がもたらされ、私たちは目標に集中できるようになる」
と伝えてきました。
和解の条件として、ケラー・ウィリアムズは
- 手数料が交渉可能であること
- 法律で決められた最低料金がないこと
を、顧客に明確に伝えるよう各支店に指示することに同意したようです。
さらに、見込み客と仕事をする各支店が
自分たちの報酬構造を明らかにすること
特に「協力的報酬」について説明すること
も合意されました。
このことは、売り手のエージェントが買い手側のエージェントにサービスの対価を提供することを意味します。
この和解には裁判所の承認が必要ですが、結果としてはケラー・ウィリアムズの各支店はもう全米不動産業者協会の会員である必要がなくなり、同協会のガイドラインに従う必要もなくなります。
実は昨年に他の2つの大手不動産仲介会社も似たような和解条件に同意しており、エニウェア・リアル・エステート(Anywhere Real Estate Inc.)社は8,350万ドル、リーマックス(Re/Max)は5,500万ドルを支払うことになったそうです。
何が問題だったのか
今回の不動産協会と複数の不動産会社に対する大型訴訟は、何が問題だったのかを少し解説してみます。
アメリカ不動産における住居用物件の売買においては、
売主
買主
の双方にエージェント(セールスパーソン)がついてサポートするのが通常の流れです。
法律的にエージェントがつかねばならない決まりはありませんが、不動産売買そのものがかなり専門的かつ多額の費用がかかることから、専門家やよほど慣れている投資家でない限り、エージェントを雇うことになります。
この時に雇われるエージェントは成果報酬として、手数料を頂くことになります。
そして広く知られる通り、この時の手数料は
リスティングエージェント(売主側)
バイヤーエージェント(買主側)
の双方に一定額で支払われることになりますが、住居用物件であれば
2~3%
の範囲でそれぞれが受け取ることになります。
そして報酬の大元はどこから支払われるかと言えば、特別な事情でない限り
「物件の売却益」
から支払われることになります。
例えば手数料がそれぞれに3%であれば合計が6%ですから、仮に物件が$200,000の場合、双方が$6,000ずつ報酬を受け取ることになるのです。
けれどもここには法律上、明確に定められていることがあります。
それは
「法律上、報酬を支払わねばならない決まりはないこと」
そして
「報酬の割合は交渉で決まることを前提とする」
ことです。
けれども今回の訴訟の要因となったのは
「報酬額の設定は自由であるはずが、家を売る人々に対して不当に高い手数料を支払わせている」
「家を売る人々が細かい規定を知らされないまま、言い値で手数料を支払わされていた」
というものでした。
これに対し、不動産協会と各不動産会社は当初猛反発したものの、裁判の長期化によるマイナス面を重視して早々に和解することに決めたのでした。
今後はこれら報酬の自由についてより透明度を出して伝える改善がなされるとのこと。
率直に、私(佐藤)自身はこの訴訟と判決にやや違和感を感じました。
なぜなら、通常の売買ではいずれにせよその契約書は不動産協会が作成したテンプレートが使われているはずであり、そのテンプレートには報酬はあくまでも交渉であることが太字で記載されているはずだからです。
そして報酬の高も需要と供給で成り立っており、一見して一つの報酬が高いと思われる売買でも、エージェント全員がポンポン売買を繰り返しているかといえば、決してそんなことはないのです。
実際はほとんど契約に至らず、或いは運よく初年度で一、二件は売れたとしても、それだけではとても生活はしていけません。
結果として、一年目で脱落していくエージェントが50%にも昇る世界なのです。
いずれにせよ資本主義社会では大きく利益を上げていく過程で、必ずと言っていいほど勉強料を支払う場面が出てきます。
今回はケラーウィリアムズ社も大きく痛手を受けましたが、佐藤(私)も所属するブローカーアソシエイツとしてより気を引き締め、更に精力的に活動し続けていきたいと思います。
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