こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
現代のテクノロジーがアメリカ不動産業界に与える影響についてお伝えしています。
人類の歴史を紐解くと、
「朝日と共に目覚め、夕暮れと共に休む」
という農耕を中心とした時代は、少なくとも20万年以上はあったそうです。
そう考えると、現代社会において1800年代からの産業革命に始まり、近年の技術革新と共に台頭した情報化社会までの流れは、長い人類史からするとほんの短い期間であることが分かります。
ということは、いかに現代社会が急速に、劇的に変化し続けているかが分かろうというものです。
恐らくその変化率は指数関数的な曲線を描いており、その変化のスピードは益々早まるのではないでしょうか。
アメリカ不動産業界においても、その変化の波な繰り返し押し寄せ続けるはずです。
そんな、アメリカ不動産業界に影響を及ぼすだろう技術革新、
AI(人工知能)の応用
ブロックチェーンの革新
VR(仮想現実)の活用
スマートコントラクト
大量データと不動産
の中で、今日はVR(仮想現実)の活用について見ていきましょう。
仮想現実:不動産見学の未来
VR(仮想現実)技術の不動産業界への応用は、物件の見学やマーケティング手法に大きな変革をもたらしています。
従来の不動産業界では、物件を確認するためには直接現地に訪れる必要がありました。
けれどもVRの導入により、このプロセスが根本的に変わりつつあります。
VR技術を活用することで、地理的な制約を超えて、世界中どこからでもリアルタイムで物件を確認することが可能になります。
これが当たり前になってくると、特に海外の投資家や遠方の顧客にとって、物件の確認が非常に容易になるはずです。
ここでは、VR(仮想現実)もたらすだろう変化の可能性を
VRによる物件のリアルタイム確認
3Dモデリングによる物件の再デザイン
VRマーケティングの拡大
の三つの視点から考察してみましょう。
VRによる物件のリアルタイム確認
VR(仮想現実)による物件のリアルタイム確認は、不動産業界において急速に重要性を増しています。
VR(仮想現実)を活用することでユーザーが仮想環境で物件を歩き回り、各部屋を詳細に見ることを可能になるわけです。
これが実現すると、特に海外や遠隔地に住む人々にとって大きな利点をもたらします。
実際には3D内覧技術はすでに導入されていますが、VR(仮想現実)により加速するわけです。

これにより物理的な移動にかかる時間やコストを省略できるため、さまざまな物件を比較検討する際の効率性が大幅に向上するのです。
さらに、VRによる物件確認は、写真やビデオでは伝わりにくい空間の感覚や実際のサイズ感を提供してくれます。
実際の例を挙げて、この技術の利点を深堀りしてみましょう。
例えば、アメリカの大手不動産会社である「Sotheby's International Realty」は、VR技術を活用して高級物件の仮想ツアーを提供しています。
顧客は専用のVRヘッドセットを通じて、物件の内部を仮想的に歩き回り、部屋のレイアウトや内装の詳細をリアルタイムで体験できます。
このようなVRツアーは、特に海外の顧客にとって有益で、実際に物件を訪れる前に詳細な情報を得ることができます。
また、VRによる物件のリアルタイム確認は、特に新築物件やまだ建設中の物件のプレビューにも利用されています。
開発者は建設途中の物件の3Dモデルを作成し、購入者が完成前の物件を仮想的に体験できるようにしています。
これにより、購入者は実際の物件の見た目や感触を把握でき、より情報に基づいた購入決定ができるというわけです。
さらに、VRは不動産業界におけるマーケティングと顧客エンゲージメントのツールとしても価値があります。
不動産会社はVRを使用して物件の魅力を最大限に伝えることができ、顧客が物件に対する興味をより深く持つように促します。
とはいえ、今はまだVR技術の導入には、高品質な3Dモデリングやリアルなユーザー体験を提供するための技術的な課題が伴います。
それでもVR技術活用のハードルは年々下がってくるはずです。
3Dモデリングによる物件の再デザイン
VR技術による3Dモデリングは、不動産業界で急速に重要性を増しています。
この技術により、購入前に物件の潜在的な改修や再デザインを視覚化することが可能になり、顧客は物件が自分の好みに合うかどうかを仮想的に確認できます。
3Dモデリングは、壁の色を変えたり、家具を配置したりするなど、物件のカスタマイズが可能になり、顧客が物件に対するより深い理解を得るのを助け、購入決定のプロセスを支援するというものです。
実際の例を挙げて、この技術がどのように不動産業界に影響を与えているかを詳しく見ていきましょう。
例えば、不動産開発会社が新築プロジェクトのプレビューとしてVRの3Dモデリングを用いるケースがあります。
これにより、顧客はまだ建設中、あるいは設計段階の物件を仮想的に歩き回り、内装のオプションを試すことができます。
壁の色を変更したり、異なる床材を試したりすることで、物件が完成した後の様子をイメージするのに役立ちます。
また、不動産エージェントもこの技術を活用して、物件の再デザインの可能性を顧客に示すことができます。
たとえば、古い物件を購入を考えている顧客に対して、VRを用いてリノベーション後の様子を視覚化することが可能です。
顧客は、壁の取り壊しや追加、キッチンやバスルームの改装など、さまざまな改修案を仮想的に体験することができます。
かくして3DモデリングとVR技術は、インテリアデザイナーや建築家にとっても重要なツールです。
彼らは、顧客と共に仮想空間でデザイン案を確認し、リアルタイムでフィードバックを受けながら変更を加えることができます。
これにより、デザインプロセスがより効率的かつ協力的になり、最終的な成果物が顧客の期待に応えられるのです。
VRマーケティングの拡大
最後に、VR技術がマーケティングツールとして不動産業界でどのように利用されているかについて、実際の例を交えて見ていきましょう。
VRは、物件の魅力を最大限に伝え、顧客に独自の体験を提供するための強力な手段となっています。
このことはそのまま、不動産業者が広告やプロモーションの手法を大きく変革し、より効果的な顧客エンゲージメントを実現しているのです。
一つの例として、「Matterport」という企業が提供するVRサービスが挙げられます。
Matterportは、物件の3Dスキャン技術を用いて仮想ツアーを作成し、オンライン上で顧客に公開しています。
この技術により、顧客は自宅にいながらにして物件を探索でき、各部屋を360度見渡すことが可能です。
このようなインタラクティブな体験は、顧客が物件に対してより深い理解を持つことを助け、実際に現地を訪れることなく物件の全貌を把握することを可能としています。
また、不動産開発会社が新しいプロジェクトを市場に紹介する際に、VRを活用するケースもあります。
たとえば、新築のコンドミニアムや住宅プロジェクトのプレビューにVRツアーが用いられ、購入希望者は未完成の物件の内部を仮想的に体験できます。
これにより、開発者は未完成の物件を宣伝する際の課題を克服し、投資家や購入希望者に対して物件の魅力を効果的に伝えることができるわけです。
さらに、VR技術は、既存の物件に対するカスタマイズオプションを顧客に示す手段としても使用されます。
例えば、購入者が異なる内装スタイルや素材を仮想的に試すことができ、自分の好みに合わせて物件をカスタマイズすることが可能です。
かくしてVR技術をマーケティングツールとして活用することで、不動産業者は物件をより広い範囲の顧客にアピールし、実際の物件見学にかかる時間やコストを削減することができるのです。
明日に続けます。
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