アメリカ不動産への直接投資、プロ案件への出資で将来の自分基金を着実に育て上げていきましょう。
→ 最新の案件詳細はこちらから
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産業界を激震させている大型訴訟について、
背景と発端:National Association of Realtorsに対する訴訟の始まり
訴訟の詳細:反競争的慣行の主張
和解の条件:全米不動産協会による大規模支払いと業界の変革
影響分析:不動産市場における新たなルールと課題
の4つの視点からお伝えしています。
今回の訴訟の論点と和解の条件は昨日までにお伝えしたとおりですが、
「そもそもが、なぜ売主側がリスティングエージェントとバイヤーエージェントの双方のコミッションを負担する慣例が出来たのか?」
となると、ここは私(佐藤)がアメリカ不動産業界に参入する以前からのことではありますが、おそらく
「それが最も、アメリカの住居物件売買が活発化する方法だったから」
ではないでしょうか。
あくまで個人的な意見に過ぎませんが、事実としては、住居物件を購入する大方は不動産取引においては素人です。
あなたが住居用物件を購入したいと希望するバイヤーだったとして、
「バイヤーエージェントへのコミッションは、基本的に売主が負担することになりますよ。」
と言われたらどうでしょうか。
おそらく、
「それはありがたい」
「購入し易いシステムだ」
と考えたはずです。
反対に売主の立場になった時に、
「リスティングエージェントとバイヤーエージェントのコミッションは双方とも、自分が負担せねばならない」
となったらどうでしょうか。
「なるほど、それは負担が大きいな」
「けれども購入する時は、自分はコミッションをい負担していない」
「しかも購入時よりも物件価値は高まっているから、損するわけじゃない」
無意識にもそんな風に受け止める売主がほとんどです。
今回の訴訟の論点は正にここで、
「売主がリスティングエージェントとバイヤーエージェントの双方のコミッションを支払う体制が慣習になっているじゃないか」
「コミッションは義務ではないというが、実質的に義務であり、売買の透明性が失われているじゃないか」
という原告の指摘に始まるものでした。
この指摘について、全米不動産協会はその非を一切認めていませんし、あくまでも和解へと妥協した形です。
けれども今回の判決と和解条件により、今後のアメリカ不動産業界の在り方は大きく変わっていくことは間違いありません。
その影響について、現状の不動産業界を俯瞰しながら考えてみましょう。
影響分析:不動産市場における新たなルールと課題
今回の和解条件がアメリカ不動産業界に与えるだろう影響は大きく分けて二つ、
消費者の意識変化
エージェントのビジネスモデル変更
です。
消費者の意識変化
新たなルールの導入によって、消費者の不動産市場に対する意識に顕著な変化が起こりつつあります。
原告からは不動産取引における手数料の構造やエージェントの選択に関する不透明性は、多くの消費者にとって理解しにくい部分との訴えでした。
この点は私個人的にも議論の余地はあると思いますが、いずれにせよ、National Association of Realtors(NAR)との和解により、これらの慣行が変更されることで、消費者は不動産取引のプロセスに対してより高い透明性と理解度が高まることは間違いありません。
これまで以上の手数料の明確化とエージェント契約の必須化は、消費者が自らの不動産取引をより能動的にコントロールできるはずです。
消費者は、エージェントへの支払いがどのように構成されているのか、またどのサービスが提供されるのかについて明確な情報を確実に持つことができます。
このことは消費者は自分たちのニーズに最も適した不動産エージェントを選ぶ際に、より情報に基づいた選択をすることを可能にするものです。
さらに、このような市場の変化は消費者の不動産業界に対する見方を期待も変えていくのではないでしょうか。
透明性の高い取引プロセスへの期待は増大し、エージェントや業界全体への信頼性の向上に寄与する可能性は大いに考えられます。
その一方で、買主にとっては
「物件購入価格に加えて、バイヤーエージェントのコミッションも支払わねばならないのか。。」
というネガティブな反応があるとすれば、今回の和解条件は購入意欲の抑圧にならないとも限りません。
いずれにせよ、これらの変化が消費者が不動産取引においてより主体的な役割を果たすように促し、全体的に市場の健全性と効率性を向上させる効果を持つことを期待したいと思います。
エージェントのビジネスモデル変更
そしてNARとの和解に伴う不動産市場の変化は、エージェントのビジネスモデルそのものに大きな影響を及ぼすことになります。
従来のビジネスモデルでは、エージェントは売り手と買い手の両方から手数料を受け取ることが一般的でしたが、新しいルールの導入により、この構造が大きく変わることになります。
これからのエージェントは、報酬の受け取り方を再考しなければならないのです。
この報酬構造の大変化は、エージェントにとって直接的な収入源の変化を意味します。
彼らは売り手から自動的に報酬を得るのではなく、購入者から直接報酬を受け取るか、あるいは新しい合意形式を模索しなければならない、ということです。
ということは、今後のバイヤーエージェントは購入者との間で明確なサービス契約を結ぶことや、サービスの具体的な内容と報酬額を事前に定めることが求められることになります。
同時に、今回の変化はエージェントにとって、顧客に対するサービスの価値をより明確に伝え、差別化する機会を提供することになります。
各エージェントは、自分たちの提供する独自のサービスや専門知識を強調し、それに見合う報酬を顧客に理解してもらう必要が出てくるのです。
そうするとこれからの仲介業は、今まで以上にエージェント間でその明暗がハッキリと分かれてくるでしょうし、顧客との関係を強化し、長期的な顧客ロイヤリティの構築に長けている人々が生き残ることになりそうです。
総じて、今回の和解による変化はエージェントにとって、ビジネスモデルを再構築し、市場の新しい要求に応えるチャンスとせねばなりません。
著名な経営学者であるピーター・ドラッカーの言葉、
変化はコントロールできない。
できるのは変化の先頭に立つことだけ。
この実践が、アメリカ不動産業界の中でも住居用物件売買に従事する、全てのエージェント達に求められているわけです。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。