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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
物件調査レポートの見方についてお伝えしています。
昨日までは
- 建物構造
- 設備
といった主な部分に注目していきました。
物件は一つひとつの特徴が違いますので、各物件に特化したような詳細は割愛しますが、少なくとも昨日までにお伝えした大まかな箇所はどの物件にも共通することです。
それぞれの詳細については各レポートに記載されているとおりということになりますが、少なくともどこに気をつけるべきかというアンテナを立てるポイントは掴めたのではないでしょうか。
そして本項では建物そのものというよりも、ここもまた各物件に共通する、けれどもレポートには出てこないかもしれない、知っておくべき隠れ項目についてみていきたいと思います。
ここでいう隠れ項目とは法令に関連する事柄です。
物件の構造とその設備については目に見えるわけですが、不動産物件の運用には目に見えない部分、すなわち法令も大いに影響してきます。
「ルールそのものを知らなかった」
では済まされない場合もあり、大まかにでも知っておくことでよりよい物件運用ができるものです。
そこでここではアメリカ不動産に影響する法令について、その主だった部分を見ていきましょう。
法令遵守の確認
アメリカ不動産における物件調査で法令遵守の確認を行う際、以下の点に特に注意して確認する必要があります。
これらは、安全性、合法性、および将来の取引における問題を避けるために重要なのです。
建築許可と合致性
建築許可: 物件が建設された時の建築許可書を確認し、許可された設計図と実際の建築が一致しているかを検証します。改築や増築が行われている場合、それに対応する建築許可が存在するかも確認します。
ゾーニング規制: 物件が位置する地域のゾーニング法規が許可する用途に適合しているかを確認します。例えば、住宅用途地域に商業施設が建てられていないか等です。
環境規制の遵守
環境保護: 特にアスベストや鉛の使用が問題となる既存の建物では、これらの物質が安全な方法で取り扱われているか、適切に除去されているかを確認します。
排水および土壌汚染: 土壌汚染評価や、不適切な排水システムがないかをチェックします。特に過去に工業施設だった場所では重要です。
安全規制の確認
消防法: 消防法に基づいた適切な消火設備が設置されているか、避難経路が明確かどうかを確認します。
建築安全基準: 建物が地震やハリケーンなど、地域特有の自然災害に対応するための建築基準に従って建てられているかを確認します。
障害者アクセスの規制
通常の住居用物件であれば関係のないことですが、ADA (Americans with Disabilities Act): 公共の建物や商業施設の場合、ADAに準拠してバリアフリー設計がなされているかを確認します。これには、適切な入口、トイレ、駐車スペースの確保が含まれます。
歴史的地区の規制遵守
歴史的地区: 物件が歴史的地区に位置している場合、外観や改修作業が地域の歴史的な指針に沿っているかを確認します。この地区では特に厳しい規制が課されることがあります。
アスベスト規制
アスベストは過去に広く建材として利用されていましたが、吸入するとアスベストーシスや中皮腫といった重大な健康問題を引き起こす可能性があることがわかりました。
これに対応するため、1970年に制定されたクリーンエア法 (Clean Air Act) は、アスベストを含む危険物質の排出を制限する規制を設けています。
また、1986年の有害物質対応学校法 (Asbestos Hazard Emergency Response Act: AHERA) は、学校施設におけるアスベストの管理と除去を義務付けているほどです。
鉛規制
鉛は特に子供の発達に深刻な影響を与える重金属であり、塗料や配管などに含まれていました。
1978年以降に建設された家屋における鉛ベースのペイントの使用は住宅鉛ベースのペイント毒性予防法 (Residential Lead-Based Paint Hazard Reduction Act of 1992) により禁止されています。
さらに飲料水鉛汚染防止法 (Lead Contamination Control Act) は、公共の水道水からの鉛の除去を義務付けており、特に学校や日用施設での飲用水の安全性を高めています。
これらの法律は、鉛曝露からの公衆の保護を強化し、特に脆弱な集団が鉛中毒のリスクから保護されるように設計されているわけです。
セプティックシステム
セプティックシステム(septic system)は、下水道網が整備されていない地域における個別の廃水処理施設です。
このシステムは一般的に、個々の家庭や小規模な集落で使用され、家庭からの汚水を現地で処理し、浄化して再び自然に戻します。
機能: 家庭から流れてきた汚水を一時的に貯め、固形物と液体を分離します。固形物はタンクの底に沈んでスラッジを形成し、軽い物質は上に浮かんでスカムとなります。
材質: コンクリート、ファイバーグラス、またはプラスチック製が一般的です。
分布箱 (Distribution Box)
機能: タンクから出た処理済み液体(澄んだ液体)を、浸透性のある排水フィールドに均等に分配します。
排水フィールド (Drainfield, Leachfield)
機能: 分布箱から送られてくる処理済みの液体を土壌に浸透させ、自然の微生物によってさらに浄化します。このプロセスを通じて、最終的には地下水が浄化されます。
構成: 通常、砂利や石で満たされた排水溝が使用され、その上を土で覆います。
維持管理
定期的な検査とポンピング: セプティックタンクは通常、1〜3年ごとに専門業者による検査を受け、必要に応じてスラッジとスカムを除去するポンピング作業が行われます。
適切な使用: システムに負担をかけないため、調理油や脂肪、化学薬品、塗料、薬品、そして非分解性の物質(女性用品、コンドーム、湿式トイレットペーパーなど)の流し込みは避ける必要があります。
土壌と地形の評価: システム設置前には、土壌の吸収性能や地形を評価することが重要です。土壌が砂っぽいものや排水性が良いものが適しています。
セプティックシステムは、適切に設計、設置、そして維持管理されることで、効果的に家庭の廃水を処理し環境保護に貢献していることになります。
不適切な管理はシステムの故障や環境汚染を引き起こすため、定期的な専門家による検査と適切な使用が推奨されるのです。
明日に続けます。
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