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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産用語についてお伝えしています。
今日は「Gross Rent Multiplier (GRM)(総賃料倍率)」についてです。
不動産投資において物件の収益性を評価するためのさまざまな指標がありますが、その中でも手軽に使える指標として「GRM(総賃料倍率)」が挙げられます。
特に物件の購入を検討する初期段階で投資物件の価値をざっくりと評価したい場合に使える概念です。
GRMとは何か、その計算方法、実際にどのように活用されるのかを具体例を交えながら見ていきましょう。
Gross Rent Multiplier (GRM)とは
「Gross Rent Multiplier(総賃料倍率)」は投資物件の価格とその物件から得られる賃料収入の関係を示す指標です。
GRMを利用することで物件の収益性を簡単に評価でき、物件が価格に見合った収益をもたらすかどうかを判断するために使われます。
GRMは、主に収益物件(賃貸用不動産)の購入検討時に利用されます。
GRMは簡単に計算できるため、不動産投資家が複数の物件を比較する際や購入の意思決定を行う際に手軽に使える指標です。
GRMの計算方法
GRMの計算式は非常にシンプルです:
GRM = 物件価格 ÷ 年間総賃料収入
この式に基づき、投資物件の価格とその年間の総賃料収入を比較して、その物件が何年で投資回収できるかを評価します。具体的には、物件価格を年間の賃料収入で割ることで、何年で元を取れるかを示す数字が得られます。
GRMの具体例
では、具体例を見ていきましょう。
例えば、ある投資家が$300,000のアパートを購入しようとしています。このアパートからの年間総賃料収入が$30,000だと仮定します。
この場合、GRMは以下のように計算されます:
GRM = 300,000 ÷ 30,000 = 10
このGRMが示すのは、この物件が「賃料収入だけで10年で元が取れる」ということです。もちろん、この計算には運営費や税金、修繕費などのコストは含まれていないため、純利益を正確に知るためには別の指標も併用する必要がありますが、GRMは物件の収益性を大まかに把握するための第一歩として有効です。
GRMは、その簡単さゆえに、物件を比較検討する際の目安として多くの投資家に利用されています。以下に、GRMをどのように活用できるかを整理してみます。
1. 物件の初期評価
物件購入の初期段階で、GRMを使うことで「この物件は収益性があるかどうか」をざっくりと判断することができます。
たとえば、GRMが非常に高い(15以上)場合、その物件は収益性が低い可能性があります。
逆に、GRMが低ければ(例えば5〜10)、物件は収益性が高いと考えられます。
2. 複数物件の比較
複数の物件を比較する際に、GRMを用いることで、どの物件がより収益性が高いかを素早く判断できます。
たとえば2つの物件があり、それぞれの価格と賃料収入を基にGRMを計算した場合、GRMが低い方がより収益性が高いことを示しています。
3. 市場のトレンドを把握
特定のエリアや市場で、一般的なGRMの範囲を把握しておくことも重要です。
ある地域で通常のGRMが8〜10だとします。
この場合GRMがそれよりも低い物件は良い投資チャンスである可能性がありますし、高いGRMを持つ物件は市場価格に対して賃料が低いため収益性が低い可能性があります。
ただしGRMは簡単な指標であるがゆえに、限界もあります。
主に以下の点に注意が必要です。
1. 経費や維持費を考慮しない
GRMは単純に物件価格と賃料収入だけを基に計算されますが、実際の投資にはさまざまなコストが発生します。
たとえば固定資産税、保険料、修繕費、管理費などの運営コストが収益に影響を与えるため、GRMだけでは物件の正確な収益性を評価できない場合があります。
2. 変動する市場状況に対応できない
市場は常に変動しています。
GRMは現在の賃料収入を基に計算されるため、将来的な賃料の変動や物件価値の変動を考慮していません。
そのため長期的な投資計画を立てる際にはGRMだけでなく、他の指標も併用することが重要です。
3. 賃料以外の収入を考慮しない
GRMは賃料収入のみを基にしていますが、実際の不動産投資では他にも収入源があることが多いです。
例えば、駐車場の利用料やコインランドリーの収益、敷地内の自動販売機の収益なども含まれる場合があるため、GRMだけでは全体の収益性を評価できない場合があります。
GRMと他の指標の違い
GRMは物件の収益性を大まかに評価するためのシンプルな指標ですが、他にも不動産投資で使われる指標は多数あります。
代表的なものとしては、キャップレート(Cap Rate)や純営業利益(NOI)などが挙げられます。
GRMとキャップレートの違い
GRMが物件価格と年間総賃料収入に基づくのに対し、キャップレート(Capitalization Rate)は純営業利益(NOI)を基に物件の収益性を評価します。
キャップレートでは、運営コストや固定資産税などが考慮されるため、より正確に物件の収益性を把握することができます。
たとえば、キャップレートの計算式は以下の通りです。
キャップレート = 純営業利益(NOI) ÷ 物件価格
このキャップレートを使うことで、運営費や経費も含めた、より実質的な収益率を算出できます。
GRMとROI(投資利益率)の違い
ROI(Return on Investment)は、投資に対してどれだけの利益が得られたかを示す指標です。
GRMが主に物件価格と賃料収入に焦点を当てるのに対し、ROIは物件に投じた総額に対して、どれだけのリターンが得られたかを評価するものです。
ROIは、投資の成果を全体的に見るための指標として非常に重要となります。
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かくして、GRMは、投資物件の収益性を手軽に評価するための便利なツールです。
物件価格と年間賃料収入を基に計算するため初期の物件比較や購入の検討段階で役立ちます。
けれどもGRMは物件の収益性を評価する際の一部であり、運営費や市場の変動、将来的なリスクを考慮しないため、他の指標と併用することが大切となります。
GRMを理解し活用することで、投資物件を選ぶ際に迅速かつ効率的に判断できるのです。
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