こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
特別企画でアメリカ投資全般についてお伝えしていますが、ありがたいことに
「初心者目線の説明がありがたい」
というフィードバックを頂いています。
投資の世界に限らず、いかなる専門書を読んでも
「専門的に専門用語で語る」
ことはあっても
「初心者レベルの言葉で語る」
という専門書に巡り合うことは少ないものです。
「そもそも初心者に読ませるものではない(初心者を対象としていない)」
等の理由があるものとは思いますが、それでも投資の世界のように初心者が飛び込んでくる可能性のある分野に関しては、初心者目線の説明は必要とされるもの。
投資の初心者のための書籍は世に多くあると思いますが、本特別企画でアップする内容も極力初心者目線に落としてお伝えしているつもりです。
引き続き分かりやすい言葉と表現を選んでいきたいと思いますが、今回はオプション取引の中でも「コール」と「プット」の基本、そしてその応用戦略である「ストラドル」についてみていきっましょう。
これらの用語も初心者にとって少し難しく感じるかもしれませんが、仕組みと事例をしっかり理解すれば、オプション取引の魅力を知ることができます。
コールとプットの基本
オプション取引には2種類の基本的な契約があります。
それが「コール(Call)」と「プット(Put)」です。
コール(Call)とは
コールオプションは、特定の価格で株式を購入する権利を持つものです。
例えば、コールオプションの買い手は、一定期間内に指定した価格で株式を購入する権利を得ます。
一方、コールオプションの売り手は株式を売却する義務を負います。
プット(Put)とは
プットオプションは、特定の価格で株式を売却する権利を持つものです。
プットオプションの買い手は、一定期間内に指定した価格で株式を売却する権利を得ます。
一方、プットオプションの売り手は株式を購入する義務を負います。
オプション契約の詳細
- 1つのオプション契約は通常100株分をカバーします。
- プレミアム(オプションの価格)は1株あたりで設定され、契約単位の100株分が総コストとなります。 例えば、プレミアムが$3の場合、総コストは$300($3×100株)となります。
そこで、端的には
コール → 自分の手元に呼ぶ、購入する
プット → 自分の手元から置く(離す)、売却する
という覚え方でもよいのではないでしょうか。
Writing Callsについて
Writing Callsは、コールオプションを売る行為を指します。
プレミアムを受け取る代わりに、買い手がオプションを行使した場合に株式を売却する義務を引き受けるものです。
Writing Callsの目的
- 収益を得る:プレミアムを収益として得ることができる。
- ヘッジ戦略:保有している株式の値下がりによる損失をプレミアムで相殺する。
Covered Call(カバード コール)とNaked Call(ネイキッド コール)の違い
- Covered Call(カバード コール):売り手が株式を保有している場合、リスクは限定的です。例えば、株式を所有している場合、買い手がオプションを行使しても保有株を売却することで対応できます。
- Naked Call(ネイキッド コール):売り手が自分で株式を保有していない場合のことで、株価が大きく上昇した際に株式を市場で購入しなければならず、損失が無制限になる可能性があります。非常にリスクの高い戦略です。
例:Covered Call
- 保有株式:ABC株100株(現在価格$50)
- ストライク価格:$55
- プレミアム:1株あたり$2
この場合、
- 株価が$55未満なら、プレミアム($200)が利益となります。
- 株価が$60に上昇した場合、株式を$55で売却する義務が発生しますが、プレミアムと売却益を合わせた利益が得られます。
ストラドル(Straddle)について
ストラドルは市場が大きく動くと予想されるけれども、その方向性が不明な場合に用いる戦略です。
ストラドルの仕組み
同じ株について、同じストライク価格と満期日のコールオプションとプットオプションを同時に購入します。
- 株価が上昇すればコールで利益を得らえる。
- 株価が下落すればプットで利益を得られる。
例:ストラドル
- 株価:$50
- ストライク価格:$50
- コールのプレミアム:$3
- プットのプレミアム:$3
- 合計コスト:$6(プレミアム×100株 = $600)
- 株価が$60に上昇:
- コールオプションの利益:($60 - $50)×100株 = $1,000
- 純利益:$1,000 - プレミアム$600 = $400
- 株価が$40に下落:
- プットオプションの利益:($50 - $40)×100株 = $1,000
- 純利益:$1,000 - プレミアム$600 = $400
- 株価が変動しない($50のまま):
- コールとプットの両方が無価値になり、損失はプレミアム全額($600)。
このあたりは素人が下手に手をだすべきではない手法ですが、知識としては押さえておきましょう。
よくある疑問
Q: Writing Callsはなぜ一般投資家ができるのか
A: Writing Callsは取引所の仕組みによるものです。
取引所が保証金や担保の仕組みを提供することで、個人投資家でもオプションを売ることが可能になります。
特に保有株式を担保にしたカバードコールはリスクが低く、初心者にも取り組みやすい戦略です。
Q: Straddleは初心者に向いているのか
A: 前述のとおり、ストラドルはプレミアムが高いため初心者には少しリスクが大きい場合もあります。
けれども市場が大きく動くことが確実視される場合には、効果的な戦略でもあります。
。。。
オプション取引は複雑に感じるかもしれませんが、基本を理解すれば株価の上昇や下落、さらには変動自体を利用して利益を得る可能性があるものです。
本項で説明した「コール」「プット」、そして「ストラドル」については、しっかり押さえておきましょう。
明日に続けます。
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