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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
日本ではそれほど大きく報道はなされていないかもしれませんが、現在米国では貧富の格差がいよいよ広がり、随所に深刻な影響を及ぼしています。
その由々しい問題の一つが、ホームレス人口の増加です。
アメリカ住宅都市開発省(HUD)が発表した最新の報告書によると、ホームレス人口が過去最高に達したとのこと。
昨年2024年1月の調査では、約77万1480人の人々がシェルターや一時的な住居に滞在しているか、全く住居を持たない状態にありました。
この数字は実に、アメリカの人口1万人あたり約23人がホームレスという計算になります。
この前年と比べて現在は18%も増加しており、非常に深刻な状況です。
特に、悲しいことに子どもを持つ家族においては39%という急激な増加が見られました。
そして何を隠そう、全体のホームレス人口のうち約15万人が子どもであることも見逃せません。
かつ、アフリカ系アメリカ人として識別される人々は全人口の約12%に過ぎないにもかかわらず、ホームレス人口の32%を占めているという状況です。
このアフリカ系アメリカ人のホームレス割合は前年の37%から減少したものの、依然として高い水準です。
とどのつまり、近年はなぜここまでホームレス問題が顕著になっているのでしょうか。
アメリカ住宅都市開発省(HUD)はその原因として
- 住居費の高騰
- 激しいインフレ
- 低賃金の増加(収入格差の広がり)
- 自然災害
- 移民の増加
等を挙げています。
例をあげると、2023年に大規模な山火事に見舞われたハワイ州のマウイ郡や、移民の流入が増えたシカゴやニューヨークなどの都市は特に深刻な影響を受けているのです。
その反面、興味深いことに退役軍人のホームレス人口だけは減少を続けています。
実に2023年から2024年にかけて8%減少し、2009年からは55%も減少しているとのこと。
これは退役軍人に特化した持続的な資金提供が成果を上げていることを示していると考えられていますが、逆にいえば政府支援なしには、厳しい状況が続いていたことになります。
とはいえ、この退役軍人のホームレス人口減少は国としての対策の成功ともいえるわけで、現状のホームレス問題についてもその結果が適用し得る、ということです。
そこで実際に、アメリカ住宅都市開発省(HUD)はホームレス対策や手に届く範囲の住宅を提供するべく、昨年2024年だけでも多額の助成金を発表しました。
例えば1月に発表された31.6億ドルの助成金は全国のシェルターや一時的な住居の拡充を目的としたもので、ニューヨーク州ではこの資金を活用して新たなシェルター施設を建設しています。
また7月に発表された35億ドルの「Continuum of Care」プログラムでは、地域ごとに異なるニーズに対応するため、例えばカリフォルニア州ロサンゼルスではホームレスの若者向けの専用支援プログラムを開始しています。
さらに住宅建設の障害となりえる要素を排除するための
「Pathways to Removing Obstacles to Housing(PRO Housing)」
というプログラムも導入されており、このプログラムでは例えばテキサス州オースティンで古いゾーニング規制を見直し、住宅建設を迅速化するためのオンライン許認可システムを導入しました。
これにより開発業者がよりスムーズに住宅建設を進められるようになり、手頃な価格の住宅が短期間で提供できるようになったのです。
これらの取り組みにより、より多くの人々に住まいの選択肢が広がることが期待されています。
。。。
かくして、現在のホームレス問題は深刻化しつつも、その改善に実際にテコ入れがなされている昨今です。
当然ながらこの動きはアメリカ不動産市場に大きく影響し得るものであり、特に先のゾーニング規制の撤廃などは、投資家にとっても重要な情報となり得ます。
そもそもが住宅購入が難しい方々の為に賃貸物件はあるわけで、家賃やモーゲージ支払いが厳しい層の方々に住を提供する施策は今後も続いていきます。
この問題は一朝一夕に解決するものではありませんが、具体的な取り組みと支援を続けることで少しずつ前進できるはずですし、とりわけ自分が投資を検討する地域におけるこの類の施策には敏感になっておくべきではないでしょうか。
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