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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先日、米国で注目されていた大型の予算調整法案『One Big Beautiful Bill Act』がトランプ大統領によって正式に署名されました。
不動産投資家や住宅購入者にとって大きな関心を集めていたのが、州・地方税(SALT)控除の上限変更です。
もともとC.A.R.(カリフォルニア不動産業協会)や全米リアルター協会(NAR)が提唱していたのは、所得が50万ドル未満の世帯に対してSALT控除の上限を恒久的に4万ドルへ引き上げる案でした。
結果として成立した法律では、確かに所得50万ドル以下の個人および夫婦世帯を対象に控除上限が4万ドルへと引き上げられましたが、残念ながらこれは5年間の期間限定措置となった様子。
トランプ大統領任期後の5年後には再び現行の1万ドルへと戻るようです。
さらに今回の法案には商業不動産や低所得者向け賃貸住宅への支援策が盛り込まれています。
具体的には、投資機会区域(Opportunity Zones)プログラムの延長や、低所得者向け住宅税額控除(LIHTC)の強化です。
こうした措置により、今後は地域格差の解消や手頃な価格帯の住宅供給が加速する可能性があると思います。
その一方で、不動産協会が長年推進してきた重要な政策は今回の法案から漏れたようです。
特に期待されていたのが自宅売却時のキャピタルゲイン非課税枠の拡大や、使われなくなった商業物件を住宅に転換するための連邦政府によるインセンティブ制度です。
これらは住宅供給を増やし、持ち家を促進する重要な手段として注目されていましたが、実現は見送られることとなりました。
また今回の法律により、住宅ローン利子控除限度額は今後永久に75万ドルで固定されています。
これまで今年末で100万ドルに戻る予定でしたが、それが永久に失われたことになります。
最後に注目すべきは、いわゆるパススルー控除(セクション199a)の20%控除措置が恒久化されたことです。
パススルー控除は2017年に成立した米国税制改革(Tax Cuts and Jobs Act:TCJA)で新しく導入されたもので、いわゆるパススルー事業体(Pass-through entities)向けの特別控除です。
具体的には、
- 個人事業主(Sole Proprietorship)
- LLC(有限責任会社、個人課税を選択の場合)
- パートナーシップ(Partnership)
- S法人(S Corporation)
といった事業体から得られる所得のうち、最大20%を課税所得から控除できる仕組みです。
たとえば、個人事業主やLLCオーナーとして、年間10万ドルの利益を得たとします。
このセクション199Aの制度を利用すればその20%にあたる2万ドルを控除することができ、結果として課税所得が8万ドルにまで減ります。
つまり、節税効果が非常に高い制度というわけで、投資家や小規模事業者にとってプラス材料と言えるのではないでしょうか。
今後、これらの変更が住宅市場や不動産投資にどのような影響を及ぼすのか、注視していきましょう。
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