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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、全米で注目を集めている「3Dプリンター住宅」についてお話しします。
全米各地で広がりつつあるこの新しい住宅開発は、これからの「手の届く価格のマイホーム」の在り方を大きく変えるかもしれません。
近年のアメリカでは住宅価格の高騰に加えて、気候変動による洪水や猛暑リスクが低所得層を直撃しています。
その結果、例えばテキサス州ヒューストン市の「住宅購入ギャップ(収入と価格の差)」は17万6000ドルにまで拡大してしまいました。
けれども空港近くの13エーカーの土地に誕生する「Zuri Gardens(ズリ・ガーデンズ)」の場合、住宅購入ギャップを確実に埋めています。
ここでは地元ビルダーとスタートアップ企業HiveASMBLDが協力し、80戸の3Dプリンター住宅を建設中なのです。
価格帯は20万ドル後半からで、市から最大12万5000ドルの頭金補助を受けられるため、これまで手の届かなかった人たちにも購入のチャンスが開かれます。
注目すべきは「安いからといって質を落とさない」という点です。
ビルダーによると「400万ドルの豪邸も、このエントリーレベル住宅も同じ壁材を使う」とのこと。
低価格帯の住宅だからといって、薄い壁や安価な仕上げ材に妥協することはないのです。
3Dプリントの強みは材料も工法も一律で、全ての住宅に同じ耐久性と省エネ性能を実現できることにあります。
実際、これまでの低所得者向け住宅は数年で劣化が目立つことが多く、地域価値の低下を招いてきました。
けれどのこの3Dプリント住宅の場合、洪水やカビ、猛暑に耐える構造を備え、長期的に美観と機能を保てるように設計されています。
完成後の住戸は1360平方フィート(約126㎡)、2ベッドルーム、2.5バスルーム、ボーナススペース付きという間取りです。
さらに屋根付きパティオを備え、一年を通じて快適に屋外を楽しめる工夫もなされています。
3Dプリンター住宅の仕組み
そんな3Dプリンター住宅はどのように作られるのでしょうか。
巨大なロボットプリンターがタンクのような軌道で移動し、特製のモルタルを一層ずつ積み重ねていきます。
その後、電気・配管・機械設備を設置し、壁内部に断熱性の高いコンクリートフォームを充填。
これにより静音性が高く、温度調整が自然に働く「マスウォール構造」が完成します。
従来の木造住宅に比べて冷暖房費を抑えられるだけでなく、災害に強いのも大きなメリットです。
ヒューストンは全米でも保険料負担が大きい市場の一つですが、こうした強靭な構造により保険会社から「低リスク物件」と評価され、加入者に有利な保険料が提示される可能性があります。
また建設コスト面でも優位性があります。
通常の建築で最も高いのは「人件費」と「木材費」ですが、3Dプリントではそれを大幅に削減できるのです。
そして数週間かかる作業を数日で終えられるため、工期の短縮も可能です。
加えて精密なロボット施工によって仕上がりは安定し、規模を拡大するほど効率が高まるという特徴もあります。
とどのつまり、数十戸単位の開発を進めれば進めるほど、さらなるコスト削減と普及が期待できるわけです。
この動きはヒューストンにとどまらず、全米の住宅不足に悩む都市にも広がっていく可能性があります。
安いだけでなく「強く、速く、そして長持ちする住宅」を提供することで、住宅政策そのものを変えてしまう力があるのです。
これまで住宅市場から排除されてきた勤勉な家族が、誇りを持って帰れる家を手にする。
それこそが3Dプリンター住宅がもたらす最大の価値なのかもしれません。
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