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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、カリフォルニアで注目を集めている「モバイルホーム復活プログラム」についてです。
現在、カリフォルニア州内で大きな課題になっているのは住宅価格の高騰です。
カリフォルニアで一般的な戸建てを購入しようとすると、中位価格は約78万6,000ドル。
全米平均36万9,000ドルと比べて、実に2倍以上の負担になります。
その一方で、製造住宅(manufactured home)やモバイルホームは平均価格15万4,500ドルと、まだ手の届く選択肢として残されています。
けれども問題は、これらの住宅の老朽化です。
特に1976年以前に建てられたものは連邦基準が導入される前のため、構造面に脆弱さを抱えています。
基礎が弱い、配線が古い、冷暖房が効かないといった生活リスクだけでなく、災害時に被害を受けやすい構造的な危うさもあります。
それでもカリフォルニアには約17万7,000戸、全米では120万戸以上が現役で使われ続けているのです。
この状況を受けて、ネバダ郡は州の「MOREプログラム(Manufactured Housing Opportunity and Revitalization)」を活用し、老朽モバイルホームの修繕や建替えに補助金を提供する取り組みを始めました。
狙いは住宅を失うことで発生する立ち退きを防ぎ、地域の「自然発生的な手頃な住宅(Naturally Occurring Affordable Housing)」を守ることにあります。
このプログラムが対象とするのは、主に以下のケースです。
- 配線・配管・屋根・暖房などの安全修繕
- 車椅子用スロープなどバリアフリー改修
- 断熱や省エネ効果を高める工事
- 1976年以前の住宅や修繕費が7万5,000ドルを超える場合は、新しいHUD基準の製造住宅への建替え
応募は先着順ですが、優先度が設定されています。
まずは健康・安全違反がある住宅、次に専門業者によって修繕が必要と診断された住宅、そして省エネやアクセシビリティ向上を目的とした住宅という順番です。
さらに所得制限もあり、エリア中央値の80%以下の世帯が対象です。
例えば単身者なら5万8,350ドル、4人家族なら8万3,350ドルまでとなっています。
そしてこのプログラムが持つ意義は単なる修繕支援にとどまりません。
本来、モバイルホームは市場の中で数少ない「低価格で所有できる住宅」です。
けれども老朽化によって住めなくなれば、その一戸が丸ごと消えることになり、州全体の住宅供給力がさらに失われてしまいます。
つまり、修繕や建替えを通して「今ある住宅を長持ちさせる」ことが、住宅危機に直面するカリフォルニアにおいて即効性のある対策となるのです。
とはいえ、ここには課題も残されています。
モバイルホームは土地そのものを所有するのではなく、パーク内の区画を借りて住む形態が多く、金融機関にとって担保価値が低いと見なされがちです。
そのため住宅ローンの利用が難しく、修繕や改修資金を自己資金だけで賄うケースがほとんどでした。
この点で、公的な補助制度の存在は大きな突破口となります。
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かくして、MOREプログラムは単なる福祉政策ではなく地域の住宅市場を維持する「戦略的投資」として位置づけられます。
新築が追いつかないカリフォルニアにとって、既存住宅を活かし続けることは必須条件です。
そしてその対象として最も弱い立場に置かれがちなモバイルホーム居住者を守ることは、結果として地域全体の安定にもつながるのです。
興味のある方は、自分の住む郡で同様の支援があるかを確認してみるとよいのではないでしょうか。
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