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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は
「住宅価格が上がっても、実際には資産が目減りするEquity Erosion(エクイティ・エロージョン)」
について触れておきたいと思います。
一見すると自宅の価値が上がっているように見えても、インフレがそれ以上に進んでいると、実質的な資産価値はむしろ減ってしまいます。
これは特にアメリカでよくみられる現象ですが、日本の不動産オーナーや投資家にとっても決して他人事ではありません。
住宅価格は上昇しているのに資産が減る理由
最近のデータでは、全米の住宅リスト価格は2025年7月に前年同月比0.5%上昇しました。
けれども同じ時期のインフレ率は2.7%。
つまり
「数字上は住宅の価値が増えているように見えても、生活コストがそれ以上に上がっているため手に入る購買力は減っている」
という状態です。
これを「エクイティ・エロージョン(Equity Erosion=資産価値の目減り)」と呼びます。
たとえば自宅の価格が昨年より2%上がったとします。
一方でインフレが3%進めば、結果的には1%分だけ「実質価値」が減ることになります。
数字の上ではプラスですが、リフォーム費用や教育費、日常生活の支出が高くなっているため、住宅から得られる安心感や資産効果は薄れていくのです。
歴史を振り返ると、1980年には住宅価格が6%上昇しましたがインフレは13.5%と倍以上。
このときも人々は「数字の上では資産が増えたが、実際には生活が苦しくなる」という逆転現象を経験しました。
今回の状況はそこまで極端ではないにせよ、2021~2022年の高騰から一転住宅価格の伸びがほぼ止まり、インフレが先行している点で似た傾向が見られます。
市場への影響
表面的には「家の値段が上がっているから安心」と感じる人が多いでしょう。
けれどもインフレが進んでいると、その資産を実際に使うときに思った以上のコストがかかります。
・リフォーム費用が高騰
・教育資金を住宅ローンで賄おうとすると負担増
・老後に家を売って現金化しようとしても生活費に追いつかない
こうしたリスクが現実化してくるのです。
その一方で買い手側にとっては「住宅価格の伸びが鈍化している=チャンス」と考える向きもあります。
競争が緩和され、売り手が価格に柔軟になるケースも出ているからです。
ただし高金利と生活コスト増が依然として重くのしかかっているため、結果的には「買いやすくなった」とまでは言い切れません。
では、住宅オーナーや投資家はどうすればよいのでしょうか。
ここでのポイントは3つです。
- 固定金利ローンを持っているなら、それ自体がインフレ対策になる
毎月の返済額は変わらず、相対的に負担は軽くなります。 - 資産を住宅一本に頼らないこと
株式や退職口座、預金などを組み合わせてリスクを分散することが大切です。 - 「名目上の資産増加」と「実質的な購買力の増減」を見極めること
単に「自宅の査定額が上がった」ことに安心せず、インフレを差し引いて考える習慣を持つべきです。
。。。
不動産は伝統的にインフレヘッジとしての役割を果たしてきました。
長いスパンで見れば、住宅価格はインフレを上回るペースで成長してきたのです。
けれども短期的には必ずしもそうならず、今回のように「資産が増えているのに豊かになった実感がない」という現象が起こります。
かくして住宅を所有している人は、家を単なる資産と考えるのではなく、生活の基盤であると同時に投資ポートフォリオの一部と捉える視点が必要になります。
自分の資産が「名目ベース」ではなく「実質ベース」でどのくらい増えているか、あらためて計算してみるとよいかもしれません。
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