投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、今回の米国政府シャットダウンが不動産取引に与える影響について解説します。
アメリカでは毎年、新しい会計年度が始まる前に連邦予算を議会で可決する必要があります。
ところが今回2026年度の予算案について与野党の対立が解けず、期限までに合意できませんでした。
暫定的に政府を動かす「継続予算案」も否決され、結果として10月1日から政府機関の一部が閉鎖される事態となりました。
対立の背景には支出削減を求める共和党と、医療や社会保障分野の削減に反対する民主党との間の意見の食い違いがあります。
どちらの案も議会を通過できず、交渉は決裂しました。
今回のシャットダウンでは約80万人規模の連邦職員が一時的に休職扱いになると見込まれています。
ただし、社会保障や医療保険などの「不可欠な業務」は継続されます。
今後政府を再開するためには議会で改めて予算案または暫定予算案を可決し、大統領の署名を得る必要が、しばらくシャットダウンが続く見込みです。
そこでここでは全米不動産協会からの資料をもとに、不動産の現場で実際に起こり得る変化を整理しました。
政府閉鎖が発生すると、真っ先に「住宅ローンや売買は止まるのか?」という疑問が出てきます。
結論から言えば、大半の住宅売買やクロージングは継続しますが、ところどころで「処理の遅れ」が生じる可能性があります。
FHAローンについて
連邦住宅局(FHA)の一戸建て住宅ローンは基本的に進み続けます。
新規ローンの承認も可能で、完全に止まるわけではありません。
ただし、HUD職員の判断を必要とする「コンドミニアムの新規承認」や「リバースモーゲージ(HECM)」などは停止する場合があります。
Fannie MaeとFreddie Macについて
政府支援機関(GSEs)であるFannie MaeとFreddie Macは、通常どおり機能を維持します。
けれどもローン承認の過程でIRS(内国歳入庁)の納税記録が必要になると、そこがボトルネックになります。
税務記録の発行が止まれば、ローンのクロージングが遅れるという形で影響が出ます。
VAローンについて
退役軍人省(VA)の住宅ローン保証は引き続き利用可能です。
けれども職員数が減ることで、査定や適格証明書(COE)の発行に遅れが発生するかもしれません。
軍人や退役軍人の購入希望者にとっては、手続きに少し時間がかかる点を念頭に置く必要があります。
洪水保険(Flood Insurance)について
最も大きな影響の一つが「洪水保険」です。
国家洪水保険プログラム(NFIP)は新規発行や更新がストップします。
すでに加入済みの契約は有効でクレーム支払いも継続されますが、新規で必要な買主にとってはリスクです。
その場合は「民間の洪水保険」を検討するのが現実的な対応となります。
まとめると、シャットダウンが起きても不動産市場全体が止まるわけではありませんが、次のような遅延・制限が予想されます。
- Loan processing delays(ローン審査の遅れ)
- Appraisal delays(査定の遅れ)
- FHA特定プログラムの停止
- IRS経由の書類取得の停滞
- NFIP洪水保険の新規発行停止
その一方で既存の契約や主要なローンプログラムは継続されるため、完全な「凍結状態」になるわけではありません。
。。。
かくして、政府閉鎖は「不動産市場を止める」ほどの影響は持たないものの、現場レベルでは確実に遅延を生み出しそうです。
特に洪水保険が必要なエリアや、IRS記録を必須とするローン申請では注意が必要です。
現在物件購入に動いている方々はこうした点を事前に把握し、柔軟にスケジュールを調整していくことが重要かと思います。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。