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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2025年も後半に入り、住宅ローン金利の「ロックイン効果(lock-in effect)」にようやく変化の兆しが見えてきました。
これまで多くのアメリカの住宅所有者はコロナ禍以前に取得した3%台の低金利ローンを手放すことをためらい、新居への買い替えを控えてきました。
けれども、ここ数ヶ月で金利が7%台から6.25~6.5%前後に下がったことで、この金利の呪縛が少しずつ緩み始めているようです。
Redfinの最新レポートによると、2023年第1四半期から2025年第1四半期の間に、「金利6%以上のローンを抱える世帯」の割合が9.5%から18.9%へと倍増したとのこと。
さらに2025年第2四半期には19.7%に達し、これは2015年以来の高水準だといいます。
要するに、より多くの住宅所有者が「低金利ローンを捨ててでも動こう」と決断しているのです。
転職、家族の成長、リタイア後のダウンサイジング、環境の変化など。
どんなに金利が上がっても、人生の節目で住まいを変えたい人々は必ず存在します。
その一方で、3%未満の超低金利ローンを持つ世帯はまだ全体の20.4%も残っています。
これらの世帯は現在の金利との差が300ベーシスポイント(=3%)以上もあるため、依然として「動かない層」です。
それでも2021年第1四半期のピーク時には24.6%だったため、徐々にこの層も減少していることが分かります。
Fannie Maeの予測では、今後も6%台の金利が続き、2026年末でも5.9%程度になる見込みとのこと。
その一方で、来年の住宅ローン起債額は2兆ドルを超えるとも予想されており、低金利時代から高金利時代への“正常化”が進んでいるとも言えます。
このロックイン効果の緩和が最も顕著に現れそうなのが、モーゲージ保有率が高い都市です。
Realtor.comの調査によれば、住宅所有者のうちローンを抱えている割合が高い都市は
ワシントンD.C.(73.6%)
デンバー(72.9%)
バージニアビーチ(70.7%)。
となっており、これらの都市では金利低下の影響を受けやすく、取引件数が今後増える可能性があります。
その一方でバッファローやマイアミのように高齢者が多く、すでにローンを完済している層が多い地域では金利の変化による市場への影響は限定的になるはずです。
とはいえ、個人レベルでは依然として金利低下が「行動のきっかけ」になるケースも少なくありません。
National Association of Realtors(全米不動産協会)のデータによると、2025年8月の仮契約件数(pending home sales)は前月比4%増、前年同月比3.8%増。
わずかな金利低下でも、実需層の動きが明らかに戻りつつあるのが分かります。
現在のアメリカの住宅所有者を金利別にみると、次のような構成になっています。
- 80.3%:6%未満のローンを保有
- 70.4%:5%未満のローンを保有
- 52.5%:4%未満のローンを保有
- 20.4%:3%未満のローンを保有
つまり、いまだに半数以上の住宅ローンが4%未満である一方、約2割が6%を超える金利を抱えているという構図です。
この「新旧金利のギャップ」が、市場の動きを鈍らせてきた最大の要因でもあります。
ただし、ここから6%台の金利が「高金利ではなく、むしろ安定した水準」として受け入れられるようになれば市場心理は大きく変わります。
実際に住宅ローン金利が6.5%程度まで下がった今、すでにリファイナンス申請が活発化しているのです。
特に7%台で借りた層にとっては、この差は大きいのです。
かくして、金利の下げ止まりが「ロックイン解除」の合図となり、住宅市場の流動性を回復させつつあります。
金利の壁に縛られていたアメリカの不動産市場が、ようやく再び動き始めたといえそうです。
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