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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2025年、全米の住宅市場では「オールキャッシュ買い」が新たな主役となっています。
Realtor.comの最新レポートによると現金一括で購入された住宅は全体の約33%に達し、パンデミック期から続くこの流れがいまだに止まる気配を見せていません。
住宅ローン金利が依然として高止まりするなか、融資を必要とする一般の購入希望者にとってこれは深刻なハードルとなっています。
一括購入が増える理由
現金購入が増えた理由として、ここ数年は金利の上昇によって「ローンで家を買う」こと自体が大きな負担になっています。
2025年前半の平均金利は6.5%を超え、多くの買い手が「買いたくても買えない」状況に直面しました。
その一方で現金を手元に持つ富裕層や投資家、または長年の住宅所有で大きなエクイティ(持ち家資産)を築いたシニア層は、この局面をチャンスと捉えています。
現金購入の場合は融資審査を待つ必要がなく、提示価格より高くオファーすることで競争を制することができるのです。
「U字型」現金購入の構図
そして興味深いのは、現金購入の分布です。
レポートによると10万ドル以下の低価格帯住宅のうち3分の2が現金で購入されており、200万ドル超の高級住宅では半数以上が現金取引でした。
つまり、富裕層と低価格帯市場の双方で現金購入が集中する「U字型」の構図が見られるのです。
ただし、低価格住宅の現金購入には資金が潤沢な富裕層の投資用としての購入も考えられます。
またいずれにせよ、低価格帯の場合はローンの組みにくさがあります。
たとえばミシシッピ州のように住宅価格が安く、金融機関の貸出基準が厳しい地域では現金取引が自然に増えています。
その一方でモンタナ州やアイダホ州のように他州からの移住者が急増している地域では、リタイア層やリモートワーカーがキャッシュで家を購入するケースが目立ちます。
ハワイやメイン州では、別荘や投資用のセカンドハウスとしての購入が中心です。
キャッシュ購入の光と影
現金での購入には確かに多くの利点があります。
・売り手にとって確実性が高い
・融資審査の待ち時間が不要
・交渉力が強くなる
・毎月の返済が不要
これらの要素が、オファー競争で現金買いを圧倒的に有利にしているわけです。
けれども、一方で「資金を一箇所に集中させる」というリスクもあります。
住宅購入に多額のキャッシュを使ってしまうと手元の流動性が下がり、他の投資機会を逃す可能性もあります。
またキャッシュを住宅に固定してしまえば、資産価値が上昇してもその利益をすぐに活かすことはできません。
住宅市場に残された課題
もし金利が今後下がればローン購入者が再び市場で勢いを取り戻す可能性もありますが、現時点では「現金」が圧倒的な競争力を持ち続けています。
この流れは住宅市場全体の「二極化」を進める要因にもなっています。
富裕層と投資家が有利になる一方で、初めての住宅購入を目指す若年層はますます後回しにされています。
住宅供給の不足、建設コストの高騰、そして高金利。
これらが重なり、結果として「住宅所有への夢」が遠のいているのです。
では、今後どうなるのか。
金利が緩やかに下がる兆しが見え始めているとはいえ、短期的に劇的な改善は期待できません。
ただし地域によっては供給が増え始めており、特に新築戸建て市場では「在庫過多」に転じる可能性も出てきています。
そうなれば、融資を使う買い手にも再びチャンスが巡ってくるはずです。
かくして、2025年のアメリカ不動産市場は「現金を持つ者が勝つ」構造にあります。
ローン購入が不利な時代だからこそ、現金を活用した投資手法やパートナーシップを検討する価値がありそうです。
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