投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2025年1月にロサンゼルスを襲った大規模火災の被害はいまだ深く残っており、発生から9カ月が経った今も被災者の多くが自宅を再建できずにいます。
この復興の遅れを補うように注目を集めているのが「ADU(Accessory Dwelling Unit)」、いわゆる離れやセカンドユニットと呼ばれる小型住宅です。
火災後のロサンゼルスでは、建築許可の取得が難航しています。
ロサンゼルス市の建築安全局によると、火災後に受け付けた約1800件の再建関連の建築申請のうち、承認されたのは758件のみ。
郡の管理下にある地域でも、約2200件の申請のうち許可が下りたのは568件にとどまります。
合計しても火災で焼失した1万1000戸以上の住宅のうち、再建許可が出たのはわずか10%以下。
その結果、パシフィック・パリセーズ地区では被災者の9割が、いまだに自宅へ戻れていません。
理由は明快で、保険金の支払い不足、建築コストの高騰、労働力不足などが深刻で、再建のスピードは思うように上がらないのです。
特に建設業に従事していた移民労働者の減少が影響しており、ICE(移民税関捜査局)による摘発強化で人手が急減したと指摘する声もあります。
こうした状況の中、ADUが「仮設住宅」ではなく「現実的な居住解決策」として脚光を浴びているわけです。
ADUとは、既存の土地に追加で建てる小規模住宅のこと。
カリフォルニア州では近年の住宅不足を背景にADUの建設を積極的に支援しており、火災後の復興支援策としても柔軟な運用が認められています。
新たな州法では、被災地の所有者が「自宅より先にADUを建てる」ことも可能になりました。
ADU専門会社によると、1月の火災以降ロサンゼルス市内では5000件以上のADU建築許可が発行されたといいます。
これらの製品は工場でプレハブ化されており、現場での建設よりも大幅に早く設置できます。
デザインから許可申請までに5〜6カ月、設置工事は6〜8週間で完了するため半年から8カ月程度で入居できる点が人気の理由です。
そして価格も注目に値します。
420平方フィート(約39㎡)のスタジオタイプが約15万2000ドル、2ベッド・2バスのXLタイプ(約85㎡)でも27万7000ドルから。
一方で、ロサンゼルス市の戸建て住宅の平均売出価格は110万ドル前後。
その差は歴然です。
現在、カリフォルニア州で発行される建築許可のうち5件に1件はADUとなっており、ADUが住宅不足解消の重要な鍵を握るともいえます。
そして被災地ではサマラと非営利団体「Steadfast LA」が提携し、低所得者向けに大型プレハブ住宅を無償提供する取り組みも始まっています。
それらの住宅は被災前の家と同等の広さを持ち、単なる仮住まいではなく「新しい生活の拠点」として設計されているのです。
さらに一部の家庭では複数のADUを組み合わせて、「ミニ・コンパウンド」と呼ばれる集合住宅的な形をつくり、家族構成やライフスタイルに合わせた暮らし方を実現しています。
工場生産による安定した品質、迅速な建設、比較的低コストという3拍子がそろい、被災地だけでなくロサンゼルス全域でADU人気が加速しているわけです。
このようなADUの拡大は単なる一時的なトレンドではなく、カリフォルニア州が抱える構造的な住宅供給不足を解消する「現実的な道」として、州全体がこの流れを後押ししている流れもあります。
従来の住宅建設に比べADUは環境負荷も少なく、土地の再利用効率を高めるという利点もあります。
火災からの復興は依然として長い道のりになりますが、ADUのような柔軟な発想が被災者の生活再建を支えるだけでなく、カリフォルニア全体の住宅問題を解決する糸口にもなりつつあるようです。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。