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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
トランプ政権がポータブル・モーゲージ(持ち運び住宅ローン)なるものを検討しているようです。
「ポータブル・モーゲージ」は意外にも、アメリカの住宅市場に大きなインパクトを与えるかもしれないとして注目を集めています。
前提として、金利が6〜7%に張り付く中、3%台の金利を持つ既存オーナーが動かず、住宅供給が止まっているのが現在のアメリカ市場です。
そこでトランプ政権は、既存の超低金利ローンを「新居へ持っていく(金利を移す)」という前代未聞の仕組みを検討しています。
ポータブル・モーゲージというの名のまま、売却時に既存の住宅ローンを新しい家へそのまま移す仕組みなわけです。
これが実現すれば市場はどう動くのか、そして投資家はどう備えるべきでしょうか。
たとえば40万ドルの家を売り、20万ドルの残債が3%ローンで残っている場合、その20万ドル分を新居に移動できるイメージです。
新居がより高額ならその差額は現金か、現在の高金利で別のローンを組む必要があります。
要するに「一部だけ低金利を持っていける」仕組み、ということになります。
この制度の狙いは、低金利を理由に動けなかった既存オーナーに移動の自由を与えることです。
結果として中古住宅の供給が少しでも増えれば、買い手には大きなメリットになります。
その一方で、課題も多く指摘されています。
何よりもまず、この制度は「既存のモーゲージ契約の根本を揺るがしかねない」というもの。
ローンはあくまで特定の物件に紐づけられた契約であり、住所も法的説明もその物件に基づいて作られています。
これを別の物件に移すとなれば、契約を根底から書き換えるようなものです。
実務の現場では相当複雑になり、金融機関・投資家双方のリスク評価が一変します。
さらに住宅ローンはモーゲージ・バックト・セキュリティーズ(MBS)として投資商品化されています。
ローンが途中で繰り上げ返済される前提で設計されているため、ローンが「移動して生き残る」と、投資家はリスクが増すのです。
つまり「繰上返済されない=リスクが高い」と判断される可能性が高く、投資家が求める利回りは上昇し、それがローン金利に跳ね返る可能性があります。
結果として「ポータブルが導入されると、むしろ金利が上がる」という逆効果も想定されるわけです。
さらにもう一つポイントがあります。
この制度を本格的に導入するには法律の壁が高く、FHFA(連邦住宅金融局)だけでは完結しない可能性があるのです。
議会の承認が必要になれば、実現までの道のりはかなり長くなります。
もちろん今回の発表は「検討を始めた」という段階であり、まだ具体的な制度設計は出てきていません。
さらにはポータブル・モーゲージに加えて、政権は「50年ローン」や「モーゲージのアシューム(引き継ぎ)」の拡大も視野に入れている様子。
ただし50年ローンは総支払額が増えやすく、専門家の評価は厳しめです。
その一方、アシュームローン(既存ローンの引継ぎ)はすでにFHAローンなどで実現しており、実務的にも取り組みやすい領域になります。
結果、投資家にとっては今の動きが出てきた時点で次の備えが必要ではないでしょうか。
まず注目すべきは、中古住宅市場の出方です。
もしポータブル制度の導入が見えてくれば、「住宅を売りたいが金利が理由で動けなかった層」が動き、在庫数が増える可能性があります。
ただし供給増は限定的になると考える専門家も多く、大規模な値下がりは期待しないほうが良いかもしれません。
それよりもむしろ、投資家が注目すべきは金利動向のほうです。
MBS市場が動揺すれば、金利水準は一時的に上昇するリスクがあります。
そのため、多くの投資家にとっては「金利が動かないうちに資金調達を終える」ほうが安全かもしれません。
。。。
これからの住宅市場は、「政策」「金融商品」「金利」の三つが複雑に絡みながら動いていきます。
今回のポータブル・モーゲージの議論は、その流れの中でも重要な分岐点になる可能性が高いといえます。
そすると投資家が取るべき姿勢は、制度の詳細や市場の反応を丁寧に追いながら、柔軟に動くことです。
今のうちから金利の見通しと融資環境を確認し、次の投資準備を進めていきましょう。
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