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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
Redfinが公表した最新データを見ると、いまのアメリカ住宅市場は一見すると静かな停滞のように見えます。
けれども、その内側には投資家が見逃してはいけない深い流れが潜んでいます。
- 金利が下がっているのに、買い手が市場に戻ってこない。
- 価格が上がっているのに、売り手の表情は固いまま。
- そして日数が延びる物件が増えているにもかかわらず、値下げは限定的。
こうした「ねじれ」が同時に起きているのが、いまの住宅市場の特徴です。
今日は、この複雑な停滞の背後で何が起きているのか、そして不動産投資家として
どこを見て
どう備えていくべきなのか
を見ていきましょう。
ねじれるアメリカ不動産市場
Redfinデータが示すのは「ただのスローダウンではない」ということです。
まずは簡単に現状を整理します。
10月末時点での仮契約(Pending Home Sales)は前年比+0.7%。
数字だけ見ればプラスですが、実際は四か月で最も弱い伸びにとどまりました。
住宅ローン金利は一年ぶりの低水準に落ち着きつつあります。
その一方、多くの買い手は戻る理由をまだ見つけられていません。
多くのエージェントが感じているように、購入検討者の心理は極端に慎重です。
「失敗したくない」「今つかむべきタイミングなのか」という迷いが、市場の動きそのものを鈍らせているようです。
一方で、販売価格は依然として高止まりしています。
Median Sale Priceは2%上昇し39万2,375ドル。
そして売主側の姿勢を示すMedian Asking Priceも2.9%上昇し39万5,500ドル。
これは「売り主はまだ強気だ」というはっきりした証拠です。
さらに注目したいのは、物件が市場に滞在する期間です。
Median Days on Marketは48日。
2019年以来、10月としては最も遅いペースです。
つまり「売りにくいのに、売り主は強気を崩していない」というねじれが起きています。
これは投資家にとって、非常に興味深い状況です。
では、なぜ買い手は戻らないのか。
最大の理由は心理的な金利の高さです。
たとえば今週の30年固定は6.22%。
一年前より低いとはいえ、コロナ前の水準と比べると依然として高い。
この高さが、毎月の支払いの重さとして買い手の頭に残っています。
加えて、雇用不安という現実があります。
10月の失業率は4.4%で、四年ぶりの高い水準です。
このような不確かな環境で「いつレイオフが来るか分からない」という気持ちが、購入判断をストップさせているわけです。
さらにインフレの長期化。
CPIは前年比3.0%上昇。
食品は3.1%上昇。
ガソリン、小売、保険、あらゆるものが高い。
こういった生活コストの上昇が住宅購入の余力を削っています。
そしてもうひとつ。
買い手が完璧な家だけを求め、妥協が極端に減っている傾向が見受けられるのです。
少しでも設備が古い。
立地が微妙。
HOAが高い。
そうしただけで「もう少し他を見たい」という反応になる。
そのため買い手は市場にいるのに、実際には動かない。
これが現在の鈍さに直結しています。
ここまで見ると「市場は弱気」に見えますが、けれどもデータに戻ると、売り主は強気を維持しています。
Sale-to-list price ratioは98.3%。
ということは、「ほぼ希望価格で売れている」ということです。
また、22.8%の物件はリスト価格を上回って取引されています。
価格競争は弱まっているとはいえ、完全に消えたわけではありません。
地域別の動きにも大きな差があります。
- デトロイトは+11.6%。
- クリーブランドは+9.6%。
- フィラデルフィアは+6.9%。
- 一方で、ダラスは−3.3%。
- サンアントニオは−2.2%。
- サンディエゴは−2%。
かくも都市ごとの差が、これまで以上にはっきりと表れ始めています。
投資家は「全国平均」を見るのではなく、「都市ごとの差」を細かく追う必要があります。
では、不動産投資家はどう動くべきか。
第一に、「停滞=チャンス」という視点を持つこと。
市場が静かになると、良い案件は目立たなくなります。
その一方、静かな時期に出る本物の売り物件は競争が少なく、実は拾い時です。
第二に、「キャッシュフローより耐久性」に目を向けること。
今の市場ではキャッシュフローが出づらい。
けれども、強い立地・強い雇用エリア・強い人口動態。
こうした長く価値を維持できる物件を仕込むタイミングです。
第三に、「都市ごとの温度差」を意識すること。
デトロイトやクリーブランドのように価格が急伸している市場は、勢いがあります。
けれどもダラスやサンディエゴのように下落している市場は、いずれ底打ちを迎えます。
その時に買える準備ができているかで、結果が大きく変わります。
率直に、いまの市場は「大きな転換点の前夜」だと思われます。
金利が本格的に下がるのは2025年後半から2026年という見方が多くありますが、その時、これまで溜まっていた買いたいのに買えない層が一気に市場に戻ってきます。
その波の前にポジションを持っておくか。
波が来てから慌てて参入するか。
投資家として、この違いは非常に大きいと思います。
Redfinが示す今の住宅市場は弱さではなく「静かな移行期」です。
不動産投資の世界では、こうした移行期こそ次の収益チャンスが潜んでいます。
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