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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は「Great Housing Reset(住宅市場の大きな調整局面)」と呼ばれる動きについて触れておきたいと思います
2026年は
「住宅価格よりも所得の伸びが上回る年」
になる可能性が高い、というのがRedfinの最新予測です。
これはリーマンショック後の調整期以来、非常に珍しい局面だと言えます。
これまでのアメリカ住宅市場は、所得の伸びをはるかに上回るスピードで住宅価格が上昇してきました。
結果として、若年層や子育て世代にとって住宅購入は現実的でない水準にまで達しています。
Redfinは、2026年にはこの流れが一度リセットされると見ています。
具体的には、住宅ローン金利は現在の平均6.6%前後から、6%台前半まで低下すると予測されています。
また、中古住宅の中央値価格の上昇率は2025年の2%から、2026年には1%程度まで鈍化するとされています。
その一方で、賃金上昇率は引き続き4%前後を維持すると見込まれるのです。
この結果、月々の住宅コストの伸びが所得の伸びを下回る状態が生まれる可能性があります。
数字だけを見ると、確かに「少し楽になる年」に見えるかもしれません。
けれども、ここで注意しなければならないのは「手が届く=簡単に買える」という話ではない点です。
Redfin自身も、Z世代や若いファミリー層にとって、短期的に住宅購入が一気に身近になるとは考えていません。
Z世代の住宅所有率は2024年時点で約25%にとどまっています。
ミレニアル世代でも持ち家比率は約55%で、ここ数年ほぼ横ばいです。
この背景には住宅価格や金利だけでなく、生活全体のコスト上昇があります。
保険料の高騰、固定資産税の増加、光熱費の上昇などが同時に家計を圧迫しています。
「住宅の手頃さは、価格と所得の関係だけでは測れない」
とはまさにその通りです。
住宅ローン金利、固定資産税、保険、維持費を含めた「年間の居住コスト全体」を見る必要があります。
この視点は、実務の現場でも非常に重要です。
例えば、購入価格が少し下がっても固定資産税評価額が上がれば、毎年の支出は減りません。
また近年はデータセンター建設の増加により、電力需要が急増しています。
その結果、地域によっては将来的な電気料金の上昇も懸念されているレベルです。
こうした状況を受け、住宅の「買い方」や「住み方」そのものが変わり始めており、Redfinは2026年に向けて非伝統的な居住スタイルがさらに増えると予測しています。
成人した子どもが親と同居するケースが増え、いわゆる核家族モデルからの転換が進むという見方です。
実際にロサンゼルスやナッシュビルでは、ガレージを第二の主寝室に改装する住宅が増えているそうです。
二世帯、三世代で住む前提の住宅改修が、すでに現場レベルで進んでいます。
その一方で、住宅市場全体は「凍結状態」から「解凍状態」へと移行しつつあります。
価格が急落するわけではなく、けれども急騰もしない。
この微妙な均衡が、これからの数年の特徴になる可能性があります。
「今は動きが封じられていた市場が、少しずつ動き出している段階」であり、売り手も買い手も、様子見から一歩踏み出し始めているということです。
そして重要なのは、「安くなるのを待つ」という発想だけではチャンスを逃す可能性がある点です。
価格が横ばいでも金利が下がり、選択肢が増える局面では戦略的な判断が可能になります。
特に若い世代にとっては、「いつ買うか」よりも「どう住むか」「どこから始めるか」が問われる時代です。
賃貸、共同生活、部分所有、将来を見据えた購入準備など、選択肢は一つではありません。
2026年は、住宅市場が正常化へ向かう通過点になりそうです。
劇的な改善ではない、けれども確実な変化。
かくして、これからの住宅市場は「夢を追う市場」から「現実と向き合う市場」へと静かに移行していくのかもしれません。
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