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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、トランプ政権の関税政策が本格的に影響し始めた中で発表された最新のアメリカ経済成長率について見ていきましょう。
案の定というべきか、意外というべきか、アメリカ経済は予想以上に力強く成長しています。
2025年6月までの3か月間における実質GDP成長率は、年率換算で3.0%となりました。
これは2025年初頭のマイナス0.5%という縮小からの急回復です。
多くの市場関係者が懸念していた「関税ショックによる景気後退」は、少なくとも現時点では回避されているように見えます。
今回の成長を支えた最大の要因は、個人消費の底堅さです。
アメリカ経済において、個人消費は全体の約3分の2を占めています。
その消費が持ちこたえたことが、GDPを大きく押し上げました。
とはいえ、この数字をそのまま鵜呑みにするのは危険でもあります。
なぜならGDPの計算方法そのものが、今回の関税政策によって歪められている可能性があるからです。
GDPは国内生産を測る指標であるため、輸入は差し引かれる仕組みになっています。
2025年初頭に多くの企業は関税発動前に在庫を積み増すため、輸入を急増させました。
その結果、GDPは統計上、押し下げられました。
反対に、第二四半期では輸入が減少です。
この輸入減少がGDPを押し上げる方向に作用していたわけで、今回の3%成長の一部は実体経済の強さというより、統計上の反動とも言えます。
実際に、米商務省も
「今回の成長は主に輸入減少によるもの」
と明確に説明しています。
とはいえ、それでもなおアメリカ経済の基礎体力が維持されている点は見逃せません。
失業率は歴史的に見ても低い水準を保っています。
雇用は増え続けており、ペースは鈍化したものの依然として堅調です。
インフレ率も直近2か月で上昇しましたが、トランプ大統領就任当初よりは低い水準です。
ここで重要なのが消費者心理の動きで、2025年4月、いわゆる「リベレーション・デー関税」の直後に消費者心理は数年ぶりの低水準まで落ち込みました。
このとき、多くのエコノミストが「消費が一気に冷え込むのではないか」と警戒しましたが、それでもその後の展開はやや異なりました。
トランプ政権が一部の強硬な関税を緩和したことで、消費者心理は2か月連続で改善。
実際の消費行動も、想定より粘り強く推移しています。
この「消費の耐久力」が、今回のGDP回復の核心です。
こうした状況の中、当然ながらマーケットの関心はFRBの金融政策に集中しており、今回のGDP発表はFRBの政策決定を控えたまさにその日に公表されました。
理論的には、経済が順調であればあるほど利下げの必要性は薄れます。
企業も消費者も、高金利にある程度耐えられているからです。
反対に、もしここから成長が鈍化すれば、FRBは利下げに動く余地を残しています。
それゆえにFRBは現在、明確に「様子見」の姿勢を取っているわけです。
関税の影響が、インフレ、消費、雇用にどう波及するのかを慎重に見極めている段階なわけで、11月の時点でFRB議長は
「不確実性は高いが、経済は健全な位置にある」
と発言し、これは現在のアメリカ経済を象徴しています。
強さと不安定さが同時に存在している状態。
不動産市場や投資の現場にいると、この「ねじれ」は特に重要です。
表面的な数字だけを見ると、安心感が広がります。
けれどもその内訳を見ると、政策要因による一時的なブレが含まれています。
今後、関税政策が再び強化されるのか。
それとも、さらなる緩和に向かうのか。
この判断次第で、GDP、金利、不動産市場の方向性は大きく変わることになります。
だからこそ、短期的な数字に一喜一憂せず構造を読む姿勢が大切なのです。
今回のGDP成長は「安心材料」であると同時に、「冷静さを要求するサイン」といえそうです。
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