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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨年12月18日に発表されたZillowの最新プレスリリースをもとに、現在のアメリカ住宅市場がどのような局面にあるのかを整理してみたいと思います。
Zillowの発表によると、2025年は買い手にとって確実に前進の一年だった一方で、売り手は一歩引いた姿勢を見せ始めた年だったとのこと。
住宅の購入環境を示す「アフォーダビリティ(支払い余力)」は、この3年間で最も改善した水準に到達しました。
住宅ローンの月々の支払い額が中央値世帯収入に占める割合が32.6%まで低下しており、これは2022年以来最も低い水準になります。
金利低下と価格の落ち着き、そして賃金上昇が同時に起きたことがこの改善を後押ししました。
結果として、月々の住宅ローン支払いは平均で100ドル以上軽減されています。
この100ドルという数字は一見小さく見えるかもしれません。
けれども多くの家庭にとっては「家探しを諦めるか、前に進むか」を分ける重要な差になります。
その一方で、売り手側の動きには明確なブレーキがかかりました。
2025年10月から11月にかけて、新規売出物件数は前月比で約30%も減少しています。
これは少なくとも2018年以降で、11月としては最大の落ち込み幅です。
これにより前年同月比で増加していた新規売出件数も、一転してマイナスに転じました。
背景には「売る必要がないオーナーは、冬を避けて春まで待つ」という典型的な季節要因があります。
特に11月は、不動産売出が最も多い木曜日と金曜日の日数が少なかったことも影響しています。
けれどもそれを差し引いても、2025年秋がいかに異例に活発だったかを示す反動と言えます。
そして価格調整の動きも、ここにきて落ち着きを見せました。
10月には約26.9%の物件で値下げが行われていましたが、11月には21.2%まで低下しました。
これは季節的な平均水準とほぼ一致しており、売り手は無理に価格を下げるよりも春の需要回復に賭ける姿勢に転じつつあります。
成約ベースでも季節性は鮮明で、新規契約件数は11月に前月比18.5%減少しました。
それでも前年同月比では3%増を維持しており、市場が崩れているわけではありません。
2025年全体を振り返ると住宅市場はパンデミック初期の急騰局面から、明確に再調整フェーズへ移行したと言えます。
年初には金利上昇が春の購買シーズンを冷やし、その後、夏にかけて金利が落ち着くと買い手と売り手が一気に市場へ戻りました。
結果として、在庫は前年を大きく上回る水準まで積み上がり、年初にはパンデミック前比で24%不足していた在庫は11月末には17%不足まで改善しています。
その流れで、価格面では全米の住宅価格上昇率は前年比0.2%にとどまりました。
ここ数年の急上昇を経験してきた買い手にとっては、大きな安心材料です。
そしてこの動きを物件単位で見ると、全体の53%で価格下落が確認されていますが、ほとんどの住宅は「前回購入時よりは値上がりしている」という点も重要です。
また都市別に見ると、地域差は依然として大きく残っています。
ニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコといった大都市圏では、依然として売り手市場の色合いが強く、マイアミ、アトランタ、オースティン、タンパといった都市では買い手優位の市場が形成されています。
特にテキサス州の一部都市では、在庫がパンデミック前を上回る水準まで回復しています。
。。。
ここまでの昨年の動きから、2026年に向けてZillowのエコノミストは住宅ローン金利が緩やかに低下すると予測しているようです。
そうすると、2025年は横ばいだった市場が、び緩やかに動き出す可能性があります。
ただし急回復ではなく、あくまでも「じわりとした回復」に留まるのではないでしょうか。
買い手にとっては選択肢が増え、交渉余地が生まれやすい環境が続きます。
売り手にとっては、価格設定とタイミングがこれまで以上に重要です。
かくして2025年の住宅市場は「誰にでも簡単な市場」ではなく、「考えて動く人が報われる市場」へと変化した一年だったわけで、本年はこの延長になると思います。
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