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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、2025年11月のインフレ指標が予想外に落ち着きを見せたというニュースを手がかりに、2026年の住宅市場をどう読むべきかを整理してみましょう。
今回のインフレ低下は住宅市場にとって「静かな追い風」になり得る内容でした。
まず注目すべきは消費者物価指数、いわゆるCPIです。
米労働省が発表したデータによると、11月までの12か月間のCPI上昇率は2.7%でした。
これは事前に市場が予想していた数値を下回り、9月の3.0%からも明確に低下しています。
インフレがなかなか下がらないと言われ続けてきた中で、この数字は市場にとって意外性のある結果でした。
さらに重要なのが、食品やエネルギーといった変動の大きい項目を除いたコアインフレです。
このコアインフレ率は前年同月比で2.6%となり、2021年3月以来の低水準となりました。
インフレが構造的に落ち着き始めている可能性を示すサインとも言えます。
その一方で、雇用環境にも変化が見られます。
全米の失業率は4.6%に上昇し、こちらも2021年以来の高水準となりました。
労働市場が過熱から落ち着きに向かうことで賃金上昇圧力が和らぎ、結果として物価全体を押し上げにくくなっている構図が見えてきます。
不動産市場の観点から、この点は非常に重要です。
なぜなら、住宅価格や家賃はインフレ指標の中でも大きな割合を占めているからです。
今回の発表ではシェルターコスト、つまり住居関連コストの上昇率が前年比3.0%にまで低下しました。
これは2021年8月以来、最も低い伸び率で、住宅関連コストはCPI全体のおよそ3分の1を占めています。
そのため、この部分のインフレが鈍化することは、全体のインフレ率を押し下げる効果が非常に大きいのです。
インフレ率が高止まりすると、投資家は長期債券により高い利回りを求めます。
そして結果として、住宅ローン金利も押し上げられます。
けれども、インフレが落ち着くという見通しが広がれば、金利上昇圧力は自然と弱まります。
さらにインフレ低下はFRBの金融政策にも影響し、物価上昇が抑えられればFRBが政策金利を引き下げる余地が生まれます。
政策金利は住宅ローンよりも、クレジットカードや自動車ローンなど短期金利への影響が直接的ですが、それでも金融市場全体の金利水準に心理的な影響を与える点で、住宅ローン金利とも無関係ではありません。
今回のCPI発表を受けて、金融市場では2026年初頭の利下げ期待がわずかに高まりました。
もっとも、1月時点ではFRBが金利を据え置く可能性が依然として高いと見られています。
もっぱら今回のデータだけで一気に流れが変わるわけではなく、「まだ数か月分のデータを確認する必要がある」という慎重な声が大勢です。
そして住宅市場もまた、単月の指標だけで判断できるほど単純ではありません。
それでも方向性としてインフレが沈静化しつつあるという事実は、2026年を考える上で重要な材料になります。
ちなみにRealtor.comの場合、2026年の住宅ローン金利について平均6.3%前後になると予測しています。
直近の水準と大きくは変わらないものの、急上昇局面ではないという見立てです。
実際Freddie Macによると、30年固定住宅ローン金利は直近で6.22%となっています。
この数字をどう見るかは人によって異なるわけですが、歴史的に見れば決して低金利とは言えません。
けれども金利が読めないほど乱高下していた時期を思い返すと、やや安定感が出てきたとも言えます。
住宅購入を検討している方にとっては、「金利が下がり切るのを待つ」よりも、「市場が落ち着き始めた局面をどう使うか」という場面でしょうか。
投資家目線でも同様です。
インフレが落ち着けば、キャッシュフロー計算の前提が立てやすくなります。
家賃成長率、運営コスト、金利リスク。
これらを冷静に見積もれる環境が戻りつつある局面にきたと言えます。
。。。
かくして、今回のインフレ指標は派手なニュースではありませんが、住宅市場にとっては確実に意味のある一歩でした。
2026年を見据える上で、「インフレ」「雇用」「金利」という三点を引き続き丁寧に追っていく必要がありそうです。
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