投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、「メザニン(Mezzanine)とは何か」について、できるだけ実務目線で整理してみたいと思います。
メザニン(Mezzanine)は「銀行融資とエクイティの中間に位置する、リスクとリターンのバランスを取るための資金」です。
この一文だけでも分かったようで分からない、という方も多いかもしれませんが、まずは資本構成、いわゆるキャピタルスタック全体を俯瞰するところから見ていきましょう。
アメリカ不動産投資では、一つの物件を購入・運営するために、複数の資金が積み重なる形で組み立てられます。
この積み重なった構造を、英語ではCapital Stackと呼びます。
この一番下にあるのが、Bank Debt、つまり銀行融資です。
これは第一順位抵当権を持つローンで、金融機関にとって最も安全性が高いポジションです。
そのため金利は低く、契約条件も厳格に定められています。
次に、その上に位置するのがメザニンデット(Mezzanine Debt)です。
メザニンとは建築用語で「中二階」を意味します。
この名前の通り、銀行融資とエクイティの中間に位置する資金であることから、メザニンと呼ばれています。
銀行から見るとメザニンは自分たちよりも後順位なので、リスクが高い存在です。
その一方でエクイティ投資家から見ると自分たちよりも先に返済されるため、比較的安全な位置にあります。
この中間的な立ち位置こそが、メザニンの本質です。
メザニンは、銀行ではないプライベートマネーやファンドから提供されることが一般的です。
そして金利は銀行融資より高く設定されます。
なぜなら、担保順位が劣後しているため、貸し手が取るリスクが大きいからです。
ただし、エクイティのように利益分配を受け取るわけではありません。
基本的には、あらかじめ決められた利息と元本返済を受け取る構造になります。
この点が、メザニンが「デット」と呼ばれる理由です。
では、なぜわざわざ高い金利のメザニンを使うのでしょうか。
ここが実務上、非常に重要なポイントです。
銀行は、物件価格の全額を貸してくれるわけではありません。
LTV、つまりLoan to Valueの制限があり、多くの場合は60〜70%程度が上限になります。
そうすると残りの資金は自己資金、つまりエクイティで賄う必要があるのです。
けれども、エクイティを増やせば増やすほど、投資家のリターンは薄まっていきます。
そこで登場するのがメザニンです。
銀行融資とエクイティの間をメザニンで埋めることで、自己資金の投入額を抑えることができます。
結果として、エクイティ投資家の期待利回りを高めることが可能になります。
このためスポンサー、いわゆるGPは、戦略的にメザニンを使うことがあるのです。
けれどもここには大きな注意点もあります。
メザニンは金利が高いため、キャッシュフローを圧迫します。
物件の収益が想定を下回った場合、真っ先に苦しくなるのがこの部分です。
そのため、多くのGPはメザニンを「必要悪」として扱い、本音を言えばできるだけ使いたくない資金なのです。
それでも使う場合、それは「この物件ならリスクを取っても十分に回収できる」という強い確信があるときです。
最後に、キャピタルスタック図の上段には、Preferred EquityとCommon Equityがあります。
これらは返済順位が最も低く、リスクが高い資金です。
その分、成功した場合のリターンは大きくなります。
メザニンはこのエクイティほどの夢はないものの銀行融資ほど堅実でもなく、それこそ中間的な存在です。
投資家目線で見ると、メザニンは「高利回りだが、エクイティほど振れ幅が大きくない」投資と捉えることができます。
ただし案件の設計を理解せずに投資すると、想定外のリスクを背負うことになります。
どの位置に、どれだけの金額が積まれているのか。
銀行の条件はどうなっているのか。
エクイティの厚みは十分か。
これらを総合的に見たうえで、メザニンは初めて評価すべき対象になります。
かくして、メザニンとは単なる「高金利ローン」ではなく、キャピタルスタック全体の中で意味を持つ戦略的な資金なのです。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。