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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、エクイティ投資のフィナンシャル資料でよく目にする「Waterfall(ウォーターフォール)」という言葉について解説したいと思います。
言葉としては一見すると専門的で難しそうに感じますが、考え方自体はとてもシンプルです。
Waterfallとは、「投資から生まれた利益を「どの順番で」「誰に」「どの割合で」分配していくかを定めたルール」のことです。
日本語では「分配の優先順位」や「利益配分の仕組み」と訳されることもあり、Waterfall(ウォーターフォール)の語源はそのまんま、日本語でいう「滝」の意味です。
滝にもいろいろな種類があるわけですが、上から水が流れ落ち、段差ごとに水が分かれていく様子を思い浮かべてください。
投資の利益も同じように、上から順番に条件を満たしたところへ流れていくため、この名前が使われています。
ここで重要なのは、すべての投資家が同時に同じ割合で利益を受け取るわけではない、という点です。
Waterfall(ウォーターフォール)では、あらかじめ決められた条件をクリアするまで、次の段階に進めません。
これが「ウォーターフォール構造」と呼ばれる理由です。
そこで、なぜエクイティ投資でWaterfall(ウォーターフォール)という概念が重要なのでしょうか。
エクイティ投資では、投資家(LP)と運用者(GP)が同じ案件に資金を出します。
その一方で、役割やリスクの取り方は同じではありません。
LPは資金提供者として安定したリターンを求めます。
GPは案件を組成し、運営し、価値を高める責任を負います。
そこで「まずはLPを優先的に守る」「一定の成果を出したらGPにも成功報酬を与える」という設計が必要になります。
その段階的に流れ落ちる利益の設計図がWaterfall(ウォーターフォール)です。
数字を使って具体例を見てみましょう。
仮に、総投資額が1,000万ドルの不動産案件があるとします。
そのうち、LPが900万ドル、GPが100万ドルを出資したとします。
運用期間を経て、最終的に1,400万ドルで売却できたと仮定します。
この場合、利益は400万ドルです。
Waterfallがない場合、単純に出資比率で分けることもできます。
けれども実際の案件では、次のような段階的な分配が設定されることが一般的です。
第一段階は「元本の返還」です。
まず、LPとGPに対して、出資した元本1,000万ドルがそのまま返されます。
この時点では、利益はまだ分配されていません。
第二段階は「優先利回り(Preferred Return)」です。
例えば、LPに対して年8%の優先利回りが設定されているとします。
累計で必要な優先利回りが仮に200万ドルだった場合、次の200万ドルはLPに優先的に分配されます。
この段階で、LPは元本+一定のリターンを確保します。
第三段階は「キャッチアップ」です。
これは、GPがここから一定割合で多く受け取るゾーンです。
例えば「ここからの利益はGPに50%、LPに50%」という設定がされることがあります。
仮にここで100万ドルが分配されたとすると、GPは50万ドル、LPは50万ドルを受け取ります。
第四段階が「最終分配」です。
残った利益を、例えばLP70%、GP30%で分けるといった形です。
この最終段階で、GPは案件を成功させた対価として、より大きな取り分を得ることになります。
これらすべてを合計した結果、LPは比較的安定したリターンを、GPは成果に応じたアップサイドを得る構造になります。
ここで気づいてほしいのは、Waterfall(ウォーターフォール)は「誰かが得をして、誰かが損をする」仕組みではない、という点です。
その一方で、リスクとリターンのバランスを明確に線引きする仕組みだと言えます。
LPにとっては、どこまでが守られていて、どこからがリスクなのかが見える化されます。
GPにとっては、成果を出せば出すほどリターンが増えるインセンティブになります。
そのため、Waterfall(ウォーターフォール)は投資家と運用者の利害を一致させるための重要な設計なのです。
初心者の方がエクイティ投資を見るときは、表面利回りだけで判断しがちです。
けれども本当に確認すべきなのは、このWaterfall(ウォーターフォール)の中身です。
どこで誰にお金が流れるのか。
どの条件を超えるとGPの取り分が増えるのか。
この構造を理解するだけで、案件の性格がはっきり見えてきます。
かくして、Waterfall(ウォーターフォール)は単なる専門用語ではなく、エクイティ投資の「設計思想」そのものだと言えるのです。
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