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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日Waterfall(ウォーターフォール)の解説記事に対して、いただいた質問をもとに追加で解説したいと思います。
「Waterfallとは、エクイティ投資だけにいえる概念なのですか?」。
とても良い質問だと思います。
なぜなら、Waterfallという言葉はエクイティ投資の記事で頻繁に登場するため、専用の仕組みだと誤解されやすいからです。
結論、Waterfallははエクイティ投資だけに限定された概念ではありません。
けれども最も本質的に使われ、理解が必要になるのがエクイティ投資である、というのが実務的な答えになります。
ここから、その理由を順番に整理していきましょう。
まず、Waterfallという言葉の本質を思い出してます。
Waterfallとは、投資によって生まれたキャッシュフローや利益を、あらかじめ決められた優先順位と条件に従って、段階的に分配する仕組みのことです。
上から下へ水が流れ落ちる滝のように、条件を満たしたところから順番にお金が流れていきます。
この考え方自体は、実は投資の世界に限ったものではありません。
企業の配当設計や、事業売却時の報酬分配など、広い意味ではさまざまな場面で応用されています。
では、なぜ「Waterfall=エクイティ投資」というイメージが強いのでしょうか。
理由はとてもシンプルです。
エクイティ投資は、リターンが不確実だからです。
デット投資、つまり銀行ローンや社債を考えてみてください。
デットでは、利息、返済スケジュール、元本の回収順位が、契約時点でほぼ固定されています。
毎月、あるいは四半期ごとに、決められた利息が支払われ、最後に元本が返ってきます。
この流れは確かに優先順位があります。
その一方で、条件分岐や成果連動の報酬設計はほとんど存在しません。
そのため、実務上はこれをWaterfallと呼ぶことはあまりありません。
一方で、エクイティ投資では事情がまったく異なります。
エクイティでは、最終的にいくら儲かるか、あるいは損をするかが、投資時点では分かりません。
元本が返らない可能性もあれば、想定以上の利益が出る可能性もあります。
だからこそ、「まず誰を守るのか」「どこから成功報酬を与えるのか」を細かく決める必要が出てきます。
このときに登場するのがWaterfallです。
例えば、まずは全員に元本を返す。
次に、投資家に一定の優先利回りを支払う。
その条件を超えた利益について、運用者と投資家で分け合う。
このような段階的な設計が、Waterfall構造です。
つまり、Waterfallは「不確実性が高い投資」を成立させるための調整装置だと言えます。
では、エクイティ投資以外ではどうでしょうか。
実は、Waterfallは不動産エクイティ以外でも使われています。
プライベートエクイティファンド。
ベンチャーキャピタル。
インフラ投資やエネルギープロジェクト。
さらには、近年注目されている訴訟ファイナンスなどもその一例です。
これらに共通しているのは、LPとGPのように、立場の異なる参加者が存在することです。
そして成果が出たときにだけ、特定のプレイヤーが大きな報酬を得る構造になっています。
ここにWaterfallが不可欠になります。
他の例として、上場株式投資を考えてみてください。
株主は基本的に全員が同じ順位です。
配当も株価上昇も、持ち株比率に応じて平等に享受します。
段階的な条件分岐は存在しません。
そのため、上場株式の世界ではWaterfallという言葉はほとんど登場しません。
結果として、Waterfallはエクイティ投資だけに限定された概念ではありません。
けれども、「リターンが不確実で」「複数の利害関係者が存在し」「成果連動の報酬設計が必要な投資」において、最も重要な役割を果たします。
その代表例が、エクイティ投資なのです。
かくして、Waterfallを理解することは、単に用語を覚えることではなく、その投資が誰を守り、誰にどんなインセンティブを与えているのかを読み解く力につながります。
これが分かるようになると、投資案件の見え方が一段深くなってくると思います。
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