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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日は減価償却に有利な、建物比率の高い地域についてお伝えしました。
これに付随し、不動産投資のコミュニティやSNSを覗いていると、時折「魔法のような数字」が語られることがあります。
特によく耳にするのが「コンドミニアム最強説」です。
「コンドミニアムは空中の空間を買うものだから、土地を持たない。つまり建物比率は100%だ」
という主張です。
「もしそれが本当なら、全額を経費にできるということ?」
そう期待に胸を膨らませる投資家の方も多いはず。
結論から言うと、ここには大きな誤解があります。
今日は、この「建物比率100%説」という幻想の正体を暴き、真実の投資判断基準について解説してみたいと思います。
土地を持たない不動産は存在しない
まず、根本的な物理の原則に立ち返ってみましょう。
コンドミニアムであろうと、超高層マンションの一室であろうと、その建物は「地面」の上に立っています。
アメリカの法律においても、コンドミニアムの所有権には「Undivided Interest in Common Elements(共用部分に対する分割不可能な持分)」が含まれます。
つまり、建物の下の土地や庭、駐車場といった敷地を、全オーナーで共有しているという形です。
あなたがその一室を買った瞬間、目には見えなくても、あなたは「土地の一部」も同時に買い取っているのです。
「でも、登記簿には建物のことしか書いてないじゃないか?」
そう反論したくなりますが、税務当局(IRS)の視点はもっとドライで現実的です。
彼らにとって、不動産の価値は常に「価値が減るもの(建物)」と「価値が減らないもの(土地)」の合算でしかありません。
税務申告で100%と書いた先に待っているもの
実際にタックスリターン(確定申告)を行う際、建物比率を100%として申告することは物理的には可能です。
けれども、それは「通ってしまう」のではなく、単に「チェックがまだ入っていない」だけに過ぎません。
IRS(内国歳入庁)や郡の固定資産税評価(Property Appraisal)のデータには、明確に土地の評価額が記載されています。
たとえば、ハワイやニューヨークのコンドミニアムを想像してください。
あれほど一等地の土地代が高い場所で、「土地の価値がゼロ」という理屈が通るはずがありません。
もし税務調査が入れば、根拠のない「建物比率100%」は一瞬で崩れ去ります。
その結果、過少申告加算税という痛い授業料を支払うことになるのは、他でもない投資家自身なのです。
土地比率を押し下げる「現実的な数字」とは
では、コンドミニアムの建物比率は一般的にどの程度になるのでしょうか。
戸建て(Single Family Home)に比べれば、一つの土地の上に何十世帯も住んでいるため、一戸あたりの土地持分が小さくなるのは事実です。
多くのケースでは、建物比率は80%〜90%程度に収まることが多いのではないでしょうか。
これだけでも十分に高い数字であり、強力な武器になります。
「100%ではないけれど、十分に効率はいいじゃないか」
といえばその通りです。
100%という「嘘」を追い求めてリスクを背負うよりも、85%という「真実の数字」を堂々と使い切る。
これが長く生き残る投資家に共通するマインドセットで、言葉の響きに惑わされず数字の裏側にある法的な根拠を突き詰めることが、資産を守る最強の盾になるように思います。
専門家の「感性」よりも、根拠を信じる
アメリカ不動産の世界では、エージェントやコンサルタントが耳障りの良い言葉を並べることがあります。
「これは建物100%で行けますよ」
という言葉は、一見頼もしく聞こえるかもしれません。
けれども、その言葉に「誰が責任を取るのか」という視点が欠けているなら、それは単なるセールストークです。
弊社では常に、現地の鑑定士(Appraiser)や税理士(CPA)と連携し、エビデンスに基づいた比率を提案します。
不動産投資は、博打ではありません。
精緻な計算と、法的な整合性の上に成り立つ「経営」なのです。
この「建物比率」という概念を正しく理解し、自分のポートフォリオに組み込めるか。
そこが、資産形成の成功率を高めるか否かの分かれ道になります。
コンドミニアムの建物比率100%説について、以下のポイントを刻んでおいてください。
- コンドミニアムであっても、必ず土地の持分(Common Elements)が含まれている
- 税務上、土地の価値をゼロとして扱うことは極めてリスクが高い
- 建物比率80%〜90%という「高いけれど現実的な数字」を活用するのが正解
- 甘い言葉を投げかけるアドバイザーではなく、根拠を提示するパートナーを選ぶこと
「100%」という完璧な数字を求める執着を捨て、実態に即した運用を心がけてください。
それが、結果としてあなたの投資効率を最大化する最短コースだと思います。
この比率を巡るIRSとの向き合い方、そして具体的な計算ロジックについては、さらに奥が深いものです。
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