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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先日、フロリダ州オーランドで開催されたIBS(International Builders Show)にて、2026年の住宅経済予測が発表されました。
その内容は、これまで私たちが信じてきた「住宅価格は上がり続ける」という神話に、一つの大きな揺さぶりをかけるものでした。
全米住宅建設業者協会(NAHB)のチーフエコノミスト、ロバート・ディエッツ氏が放った言葉は非常に重いものです。
「2026年、全米の多くの都市で中古住宅の価格が下落する」
なぜ、強気だったアメリカの不動産市場で、このような予測が出てくるのでしょうか?
それは、住宅メーカー(ビルダー)たちがすでに2022年から「価格の現実」と向き合い、調整を始めていたからです。
彼らは市場が冷え込めばすぐに価格を下げたり、金利の買い下げ(バイダウン)を提示したりして、買い手が動けるラインを必死に探ってきました。
言わば、ビルダーは「常に市場と対話しながら、商品をアップデートし続けてきた」のです。
一方で、中古住宅のオーナーたちはどうでしょうか。
パンデミック時の狂乱とも言える高値の記憶が、いまだに頭の片隅にこびりついて離れません。
「隣の家があの値段で売れたのだから、うちはもっと高いはずだ」
そんな過去の残像を追いかけ、現実の市場ニーズとの乖離に気づかないふりをしている。
これが、今の中古市場に起きている「価格発見の遅れ」の正体です。
ディエッツ氏が言うように、2026年はこの「歪み」が修正される年になる可能性は高いと思います。
住宅価格は平均所得の約4.9倍にまで膨れ上がっており、これは普通の人が普通に働いて家を買うことが、いかに「非現実的」になっているかを示す数字です。
このままではマーケットが窒息してしまうからこそ、中古住宅のオーナーも、ビルダーと同じように「価格の真実」を受け入れざるを得ない局面が来ているのです。
その一方で、Realtor.comは全体としては緩やかな価格上昇を予測しています。
「え? 結局上がるの? 下がるの?」
と混乱するところですが、ここで大切なのは「地域の二極化」を読み解く感性です。
南部や西部のように、これまで価格が高騰しすぎたエリアでは、ビルダーの値下げ競争に引きずられる形で中古価格も調整局面に入ります。
対照的に、北東部や中西部といった「割安感」が残るエリア(Refuge Markets)では、依然として強い需要が価格を支える可能性が高い。
つまり、全米一律のトレンドを追う時代は終わり、ピンポイントで「その街の呼吸」を感じ取ることが求められているのです。
不動産投資においても、この「姿勢」は極めて重要です。
教科書に書いてあるような「不動産は長期で見れば必ず上がる」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。
目の前の数字、特に「地域の所得レベル(Income)」と「住宅価格(Home Price)」の比率を直視しましょう。
比率が歪んでいる場所で無理に勝負を挑むのは、荒れ狂う海に小舟で漕ぎ出すようなもの。
これからのマーケットで生き残るのは、誰よりも早く「現実」を認め、感性を研ぎ澄ませて「価値」を再定義できる人だけです。
「言葉」の表面的な強さに惑わされず、数字の裏にある「人々の暮らしの限界点」を読み解くこと。
それが、2026年という変化の年を乗りこなすための、唯一の地図になるのだろう思います。
- ビルダーはすでに値下げを進めており、中古市場もその「現実」に合わせる必要が出てくる
- 全米平均(所得の4.9倍)という価格設定は限界に達しており、価格調整は不可避
- 南部・西部は調整が入り、中西部・北東部の「割安エリア」へ需要がシフトする
- 2026年は「価格の歪み」が正され、市場が健全化へ向かう一歩となる
投資判断において、自分だけの「基準」を突き詰めていきましょう。
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