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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
Realtor.comが先日、毎年恒例のHousing Supply Gap Report(住宅供給格差レポート)を発表しましたが、その数字を見て、少し考え込んでしまいました。
2025年のアメリカの住宅供給不足は403万戸に達したとのことです。
2024年の380万戸からさらに拡大しました。
「在庫が増えてきた、市場が回復してきた」
という話をしてきたところですが、それはあくまで「売出し物件数」の話です。
住宅の絶対数が足りていないという構造的な問題は、むしろ深刻になっています。
では、なぜこれほどの不足が続くのでしょうか。
2025年に新たに生まれたHousehold(世帯)の数は約141万世帯でした。
一方、その年に着工されたHousing Starts(新築着工数)は約136万戸。
差し引きすると年間で約5万戸の不足が積み上がっている計算です。
「たった5万戸?」と感じるかもしれません。
けれどもこれが10年以上続いてきた結果が、今の403万戸というギャップなのです。
レポートではさらに踏み込んだ試算も示されています。
仮に住宅建設のペースが2025年比で50%増加し、かつPent-up Demand(潜在需要)が完全に解消されたとしても、この不足を解消するには約7年かかるとのこと。
つまり、楽観的なシナリオを前提にしても、2030年代まで住宅不足の状態が続く可能性が高いということです。
もう一つ気になるデータがあります。
2025年に本来なら世帯を形成できたはずのMillennial(ミレニアル世代)とGen Z(Z世代)が、182万世帯分「不在」だったという推計です。
これは4年ぶりの高水準です。
住宅価格の高止まりと頭金の壁が、若い世代の独立を阻んでいる現実がここに表れています。
Starter Home(初めて買う人向けの入門価格帯の住宅)を購入するのに必要な最低年収は約$86,000。
頭金の中央値は$30,400で、これは購入価格の14.4%にあたります。
現在の貯蓄ペースで考えると、中間所得世帯がこの頭金を用意するだけで7年かかるとも試算されています。
こうした数字を眺めていると、アメリカの住宅市場の「重さ」が伝わってきます。
けれどもこれは、投資家の目線で見れば別の意味合いも持ちます。
供給が構造的に不足しているということは、長期的に見て住宅価格を下支えする力が働き続けるということでもあります。
短期的な金利の動きや景気の変動に目が行きがちですが、この「403万戸不足」という地盤の上に市場が立っていることを頭の片隅に置いておくことが、中長期の判断に役立つように思います。
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