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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
NAR(全米リアルター協会)が発表した2026年2月のExisting Home Sales(中古住宅販売)レポートに、注目すべき数字がありました。
Housing Affordability Index(住宅取得能力指数)が117.6に達し、2022年3月以来の高水準となったのです。
この指数は、中央値の所得を持つ世帯が中央値の価格の住宅を購入できるかどうかを示すもので、100を超えていれば「買える」、下回れば「買えない」ということになります。
2023年から2024年にかけて、この指数は100前後をさまよっていました。
つまり「中央値の収入では、中央値の住宅がぎりぎり買えるかどうか」という厳しい時期が続いていたわけです。
それが8ヶ月連続で改善を続け、ようやく117.6まで回復してきた。
「それなら、もう買い時なのでは」
そう思われるかもしれません。
けれどもこの数字の中身をもう少し丁寧に見てみると、単純に楽観できる話でもないことがわかります。
まず、2月のMedian Sales Price(販売価格中央値)は$398,000でした。
前年比で0.3%の上昇で、これで32ヶ月連続の価格上昇ということになります。
価格の上昇幅は明らかに鈍化しています。
そして販売件数は年率換算で409万戸。
前月比で1.7%の増加で、Midwest(中西部)、South(南部)、West(西部)で販売が伸びた一方、Northeast(北東部)では減少しました。
在庫は129万戸で、前年比4.9%の増加。
現在の販売ペースで換算すると3.8ヶ月分の在庫ということになります。
一般的にバランスの取れた市場と言われるのは5〜6ヶ月分ですから、まだ売り手有利の領域にはあります。
けれども1年前と比べれば、確実に在庫は増えてきている。
ここに今の市場の本質があるように思います。
「買いやすくなった」のは事実です。
けれどもそれは価格が下がったからではなく、モーゲージ金利の低下と所得の上昇が、高止まりする住宅価格にようやく追いついてきたという構図です。
30年固定のモーゲージ金利は、1年前の6.65%から現在6.1%前後まで下がっています。
この0.5%強の差が、月々の返済額にすると数万円の違いになり、購買力を押し上げているのです。
Zillow(ジロー)の試算によれば、中央値の世帯収入で購入できる住宅価格は$331,483と、2022年3月以来の水準に回復しています。
投資の観点から見ると、この状況は二つのことを示唆しています。
一つは、市場がゆっくりとバランスに向かっているということ。
在庫の増加と価格上昇の鈍化は、かつてのような「出せば売れる」時代の終わりを意味しています。
そしてもう一つは、金利の動向がこれまで以上に重要になっているということ。
今週はFED(連邦準備制度理事会)の政策会合が予定されています。
2025年後半に3回の利下げを行った後、2026年に入ってからは据え置きが続いていますが、今後の方向性を示すシグナルが出るかどうかに市場は注目しています。
「買いやすさ」が戻りつつあるのは間違いありません。
けれどもそれは、いつまでも続く保証のある状態ではなく、金利と価格と在庫のバランスが一時的に整いつつある、その過渡期にいるということ。
こうした過渡期こそ、事前の準備が物を言う時期でもあります。
購入を検討されている方は、この数字の意味を頭に入れながら、自分にとっての「買い時」を冷静に見極めていきたいところです。
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