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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2月28日の米国・イスラエルによるイラン攻撃をきっかけに、中東情勢は一変しました。
ホルムズ海峡を通過するタンカーの航行がほぼ停止し、IEA(国際エネルギー機関)は「世界の石油市場史上最大の供給混乱」と表明。
日量800万バレル以上の原油供給が途絶え、ブレント原油は紛争前の約70ドルから一時119.50ドルまで急騰、現在も102ドル前後で推移しています。
イラクへの影響も甚大です。
同国最大のルマイラ油田をはじめ、主要油田の生産が次々と停止・削減され、産油量は紛争前の日量約430万バレルから170万〜180万バレルへ、実に6割近く急減しました。
IEA加盟国は3月11日に史上最大規模となる4億バレルの戦略石油備蓄の放出を決定しましたが、ホルムズ海峡という世界最重要の石油輸送チョークポイントの封鎖が続く限り、根本的な解決には至らないとの見方が大勢です。
原油高騰 → インフレ → 金利上昇の連鎖
問題は、この原油高がアメリカの住宅ローン金利に直結しているという点です。
CNBCは「高い原油価格は住宅ローン金利にとって良くない」と報じています。
メカニズムはシンプルで、原油価格の上昇がインフレ懸念を押し上げ、それが米国10年国債利回りの上昇を通じて住宅ローン金利を押し上げるというものです。
実際に数字を見ると、30年固定住宅ローン金利は紛争前の5.9%から、わずか2週間で6.35%まで上昇しました。
コアインフレ率は前年比3.1%と、FRBの目標である2%を大きく上回る水準で推移しています。
この流れを受けてFRBは3月のFOMC会議を控えています。
市場は政策金利(現在3.5%〜3.75%)の据え置きをほぼ100%織り込んでおり、一部のエコノミストは原油ショックによるインフレ対策として利上げすら提唱しています。
紛争前には2026年中に2回の利下げが見込まれていましたが、現在は1回に後退。
ゴールドマン・サックスは次回利下げの見通しを6月から9月に先送りしました。
つまり、少なくとも夏までは金利の低下は期待しにくい状況といえます。
アメリカ不動産投資への影響 ― 日本人投資家の視点
この状況は、アメリカ不動産に投資する日本人投資家にとって、以下の複合的な影響をもたらすものです。
まず借入コストの上昇です。
DSCRローンなど、米国不動産投資向けの融資金利も上昇圧力を受けます。
そして物件価格の調整局面です。
住宅ローン金利の上昇は購入者の減少を意味し、特に$300K〜$500Kの投資用物件帯では売り手の交渉余地が広がる可能性があります。
逆に言えば、キャッシュで購入できる投資家にとっては好機ともなり得ます。
為替の不確実性も見逃せません。原油高はドル高要因にもなり得る一方、米国経済の減速懸念はドル安要因です。
方向感が定まりにくい局面であり、為替リスクのヘッジがこれまで以上に重要になっています。
一方でポジティブな面もあります。
人口増加エリア(テキサス州やジョージア州のアトランタ近郊など)では賃貸需要が底堅く、空室リスクは限定的です。
また、コストセグリゲーションによる減価償却の節税効果は金利環境に左右されないため、税効果を重視する投資戦略の相対的な魅力は高まります。
今後の見通し
短期的には不透明感が強いですが、実務的には以下の点を意識すべきではないでしょうか。
シミュレーションの前提金利を保守的に設定すること。
金利は最低でも1%は高めに計算し、それでも成立する投資かどうかを確認しましょう。
次にキャッシュ購入後のリファイナンス戦略を検討すること。
現在のような金利上昇局面では先にキャッシュで物件を押さえ、金利が落ち着いた段階でDSCRローンを組むアプローチが有効です。
そしてコストセグリゲーションの活用を前倒しすること。
金利上昇でキャッシュフローが圧迫される分を、初年度の大型減価償却による節税効果で補うことができます。
特に建物附属設備・器具備品の簡便法耐用年数(2〜3年)による加速償却は、購入初年度から大きな税効果を生みます。
最後に、為替レートの感応度分析を必ず行うことです。
$1=150円〜170円のレンジで、投資全体の収支がどう変動するかを事前にシミュレーションしておくことが重要です。
中東情勢の行方次第では、原油価格がさらに上昇する可能性も、逆に急落する可能性もあります。
けれども人口増加エリアの実需に支えられた米国不動産の長期的な価値は、一時的な金利変動で毀損するものではありません。
大切なのは、変動に耐えうる保守的なシミュレーションに基づいた投資判断を行うことなのです。
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