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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカで家を買うなら、中古のほうが安い。
これは長年にわたって「常識」とされてきたことです。
新築は建材も設備も新しく、設計も現代的で、当然その分の価格が上乗せされる。
けれども2026年の春、その常識が崩れかけています。
1月のデータを見ると、New Home(新築住宅)のMedian Sales Price(中央値価格)は40万500ドルでした。
一方、2月のExisting Home(中古住宅)のMedian Sales Price(中央値価格)は39万8,000ドル。
新築と中古の価格差がわずか2,500ドルにまで縮まっているのです。
過去数十年を振り返っても、新築が中古とほぼ同額になるという状況は、片手で数えるほどしか起きていません。
では、なぜこんなことが起きているのでしょうか。
答えは、Builder(建築業者)の在庫事情にあります。
コロナ禍以降、特にSun Belt(南部・南西部)を中心に、ビルダーたちはSpeculative Construction(見込み建設)を大幅に増やしました。
需要が旺盛だった2021年から2023年にかけて着工した物件が、今ちょうど完成して市場に出てきている。
そうすると何が起きるかというと、新築住宅の在庫が9.7カ月分にまで膨らんでいるのです。
通常、6カ月分が「均衡」とされる住宅市場において、9.7カ月分というのは明らかな供給過多です。
売れ残りを抱えたビルダーたちは、当然ながら価格を下げ始めています。
NAHB(全米住宅建設業者協会)の3月のデータによると、37%のビルダーが価格を引き下げており、平均の値引き幅は6%です。
さらに、64%のビルダーが何らかのSales Incentive(販売インセンティブ)を提供しているとのこと。
これは12カ月連続で60%を超えている数字です。
インセンティブの中身も多岐にわたります。
Mortgage Rate Buydown(金利の買い下げ)、Closing Cost Assistance(クロージング費用の補助)、設備のアップグレード無償提供。
表面上の価格だけでなく、実質的な購入コストをさらに引き下げる動きが広がっています。
一方で、中古住宅の価格はなかなか下がりません。
既存のHomeowner(住宅所有者)の多くは、コロナ期に3%台のモーゲージ金利で家を買っています。
今の6%台の金利で買い替えると月々の支払いが大幅に増えるため、売りに出すインセンティブが薄い。
いわゆるRate Lock-in Effect(金利ロックイン効果)が、中古住宅の供給を絞り続けているのです。
かくして、「新築は高い」という思い込みが通用しない局面が生まれています。
けれども、ここで一つ注意しておきたいことがあります。
この価格の接近は、すべての地域で均一に起きているわけではありません。
テキサスやフロリダ、アリゾナといったSun Beltでは、ビルダーの在庫が特に多く、値引きも積極的です。
一方、北東部や中西部では、新築の供給自体が限られているため、従来通り中古のほうが安い構図が続いています。
投資の観点から見ると、ビルダーが在庫を抱えて値引きに動いている地域には、交渉の余地が大きいということです。
特にインセンティブまで含めた「実質価格」で比較すれば、新築のほうがトータルコストで有利になるケースも珍しくありません。
Builder Confidence Index(建設業者景況感指数)は3月に38と、依然として50を下回っています。
ビルダーたちはまだ弱気であり、それはつまり「買い手にとって交渉しやすい環境が続く」ということでもあります。
新築と中古の価格が接近している今こそ、どちらが本当に割安かを冷静に見極める好機ではないかと思います。
数字の表面だけでなく、インセンティブや金利条件まで含めて比較することで、見えてくる景色が変わってくるように思います。
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