投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカで不動産を購入するとき、多くの方がまず気にするのはProperty Price(物件価格)とMortgage Rate(モーゲージ金利)です。
この二つは確かに重要で、投資判断の中心にあるのは間違いありません。
けれども最近、これらと同じくらい注視すべき「第三のコスト」が急速に存在感を増しています。
それがHomeowners Insurance(火災保険・住宅保険)の保険料です。
「保険料なんて、たかが知れているのでは」
そう思われるかもしれません。
けれども数字を見ると、その認識を改めざるを得ない状況が浮かび上がってきます。
アメリカの住宅保険料は2021年以降、46%も上昇しました。
同じ期間のインフレ率のおよそ3倍にあたる伸びです。
Insurify社の予測によれば、2026年末には全米平均の年間保険料が3,057ドル(約46万円)に達する見通しとのことです。
さらに4%の上昇が見込まれています。
もちろん、この数字はあくまで全米平均です。
州によって事情はまったく異なります。
フロリダ州では年間平均保険料が8,292ドル(約125万円)に達しており、全米平均のおよそ3倍という水準です。
ハリケーンや洪水のリスクが高い地域では、保険料が物件の収益性を根本から変えてしまうことがあります。
では、なぜこれほど保険料が上がっているのか。
最大の要因はClimate Risk(気候リスク)です。
再保険大手のMunich Re社によれば、Severe Convective Storm(大規模な対流性暴風雨)による保険金支払額は3年連続で420億ドルを超えています。
これは過去10年間の平均を大幅に上回る数字です。
カリフォルニアでは山火事、フロリダではハリケーン、中西部ではトルネードと、アメリカ各地で自然災害のリスクが高まり、保険会社の負担が増え続けています。
そうすると保険会社は二つの選択を迫られます。
保険料を上げるか、その地域から撤退するか。
実際にカリフォルニアでは2021年以降、約40万件の保険契約が解除されました。
保険会社が引き受けを拒否するケースも珍しくありません。
投資家の視点で考えると、この問題は二つの形で影響してきます。
ひとつは、保有コストの増加です。
現在、保険料は典型的な住宅所有者の月々のモーゲージ支払いの約9%を占めるまでになっています。
しかも2025年には平均的なDeductible(免責金額)が22%も上昇しました。
つまり保険料が上がっただけでなく、いざ被害が出たときの自己負担額まで増えているわけです。
もうひとつは、物件選びの基準が変わりつつあるということです。
Insurify社の調査では、住宅所有者の49%が保険料の負担を「非常に重い」あるいは「深刻」と感じていると回答しています。
さらに31%が「2026年中に十分な保険を維持できる自信がない」と答えています。
こうした状況は、不動産市場そのものの構造を少しずつ変えていきます。
気候リスクの低い内陸部や北部の都市に需要が移る動きは、すでに始まっています。
かくして「どこに買うか」という判断に、従来の立地条件や利回りに加えて、「保険料がいくらかかるか」「そもそも保険に入れるか」という問いが加わるようになりました。
アメリカの不動産投資において、Insurance Cost(保険コスト)はもはや細かい経費の一項目ではありません。
物件の収益構造を左右する、戦略的に重要な要素になっているのです。
物件を検討する際には、モーゲージ金利や物件価格と並んで、その地域の保険料の水準と傾向を必ず確認しておくことをお勧めします。
この「第三のコスト」への意識が、長期的な投資の成否を分けるように思います。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。