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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
カリフォルニア州で2025年7月に新しい法律が施行されました。
一見すると地味な法改正ですが、実は多くの住宅所有者にとって大きな意味を持つ内容。
それは「HOA(Homeowners' Association、住宅所有者組合)の罰則権限を制限する法律」です。
HOAとの思わぬ衝突
今回の話の主人公は、ベンチュラ郡のあるコミュニティに住むジナ・キムさん。
息子さんの高校進学に合わせて引っ越しをし快適な生活を送るはずが、思わぬ形でHOAと対立することになりました。
きっかけは、彼女の自宅内部のリフォーム。
玄関近くの室内ドアの上部に頭をぶつける位置にある“ブロック”があり、業者も
「これは移動した方が安全」
と助言。
けれどもHOAに申請すると返答は「NO」でした。
理由は「許可できない」だけで、詳細な説明はなし。
キムさんにとって、そのブロックは完全に自分の生活スペースの中にあり、外部から見える場所でもないものです。
結局、自己判断で業者に依頼し、ブロックを撤去しました。
予想外の重い罰則
その後、HOAからは$100の罰金通知が届きました。
キムさんは「これで終わり」と思いすぐに支払ったのですが、次に届いたのは弁護士からの手紙でした。
「元に戻すよう、HOA指定の業者に依頼しなければならない」
さらに
「期限までに対応しない場合、1日あたり最大$500の罰金を科す」
と明記されていたのです。
室内の小さな改修に対して毎日$500となると、これは年間換算で18万ドル以上になる計算です。
新しい州法がもたらした救い
けれども今年7月、カリフォルニア州で施行されたAB130法案の一部が彼女を救うことになりました。
この法律にはいくつかの住宅規制改革が盛り込まれていますが、その中の一つがHOAの罰金上限を「1件あたり$100」に制限するという条項です。
これにより、キムさんのケースは即座に解決。
HOAが主張していた1日$500の罰則は無効となりました。
カリフォルニアでは、HOAは各コミュニティの美観や秩序を守るために存在します。
けれどもその権限は多くの場合、数人の理事の主観で行使されているのが実情です。
この時のキムさんの言葉を借りれば
「私の経験は、HOAがほぼ無制限に『違反』を決めつけ、罰金を科すことができるという大きな問題の縮図」
とのこと。
確かにHOAには共用部分の管理や安全確保という重要な役割がありますが、その一方で権限の濫用や過剰な罰則は住民の安心や財産価値に逆効果を及ぼしかねません。
賛否両論の法改正
ちなみに今回の罰金上限制は住民にとっては朗報ですが、HOA側からは「規律が守れなくなる」との懸念もあります。
反対派の主張
- $100では抑止力が弱まり、違反が増える可能性がある
- 特に景観や建物統一性の維持が難しくなる
賛成派の主張
- 罰則の乱用を防ぎ、住民の生活権を守る
- 経済的圧力による不当な制裁を防止できる
そうすると、今回のケースから不動産購入時に重要な教訓が見えてきます。
- HOA規約を購入前に必ず確認する
- 規約や罰則基準が主観的に運用される余地があるかを見極める
- 自宅の内部改修もHOAの許可が必要な場合がある
- 法改正などの最新情報を知っておくことでトラブル回避につながる
特にカリフォルニアではHOAが存在する物件は非常に多いため、事前調査は必須です。
。。。
かくして、今回のAB130法案の改正でHOAの罰金は1件あたり$100までに制限されました。
これは過剰な罰則で住民を圧迫してきた一部のHOAに歯止めをかけるもので、キムさんのように理不尽な重罰から救われる人が今後も増えると思います。
けれども同時に、HOAの規律維持という側面とのバランスをどう取るかがこれからの課題になりそうです。
興味のある方は今住んでいる、あるいは購入を検討しているコミュニティのHOA規約をもう一度読み返してもよいかもしれません。
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