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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は「Hidden Home Equity Tax(隠れた住宅資産税)」について触れておきたいと思います。
アメリカでは現在、1997年以来改定されていない税制が原因で、いまや住宅を売却する3人に1人がキャピタルゲイン課税の対象になっています。
2030年までには過半数の住宅所有者が影響を受けると見込まれており、特に長期保有者やリタイア層にとっては深刻な問題です。
課税対象となるのは「phantom gains(幻の利益)」と呼ばれる部分も多く、インフレによって見かけ上の利益が膨らんでいるだけで、実質的な富の増加ではありません。
こうした背景から、現在3つの大きな提案が議論されているのです。
No Tax on Home Sales Act(住宅売却完全非課税案)
最初の法案は、自宅の売却益にかかるキャピタルゲイン課税を完全に撤廃しようというものです。
トランプ前大統領も賛同の意向を示しており、短期的には在庫不足解消に強い効果を発揮する可能性があります。
ただし高額物件を所有する富裕層に大きな恩恵が集中するとの批判もあり、税収の減少(年間60億ドル規模)が財政に影響を与えるリスクも指摘されています。
More Homes on the Market Act(免除枠の倍増案)
二つ目は免除額を個人50万ドル、夫婦100万ドルに倍増させ、さらに今後はインフレに連動させるという内容です。
中産階級を中心に実質的な救済をもたらし、連邦予算への影響も比較的抑えられる「中間的な解決策」として現実味があります。
また全米不動産協会(NAR)も強く支持しており、住宅供給不足の改善にもつながると期待されています。
インフレ調整による課税方式(Indexing for Inflation)
三つ目はシンクタンクや経済団体が推進する最も技術的な案です。
その内容は購入価格や改修費をインフレに合わせて調整し、実際の「実質利益」のみに課税する仕組みに変更するというもの。
たとえば1988年に6万ドルで購入した住宅が70万ドルまで上昇した場合、現行制度では62万ドルの利益が発生したと見なされます。
ここをインフレ調整を行えば取得原価は約16万7,500ドルに修正され、課税対象額は49万4,000ドル程度に圧縮され、免除枠内に収まる可能性が出てきます。
この方式は富裕層への恩恵よりも、一般家庭にとって「実際の利益」に基づく公平な課税を実現できる点で評価されています。
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以上が隠れ資産税に対する三つの提案ですが、市場の在庫不足を解消するには「完全非課税案」が即効性を持ちます。
一方で、公平性と制度の持続可能性を考えると「インフレ調整案」が最も合理的です。
その上で「免除枠倍増案」は両者の中間に位置する政治的に妥協可能な解決策となります。
結局のところ、焦点は「誰に最も恩恵を与えるべきか」「どの程度の財政コストを許容できるか」という点が議論されねばなりません。
いずれにせよこのままでは2030年までに半数以上の住宅所有者が課税対象となり、住宅の流動性はさらに低下し、数千億ドル規模の資産が市場に出回らずに眠ることになります。
税制改革は確実に必要であり、住宅市場の健全化に直結する大きなテーマとなっているのです。
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