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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、いわゆる「買ってはいけない家」について触れておきたいと思います。
一見きれいに見える家でも、実際に住み始めてから重大な欠陥が見つかるケースが全米で増え続けているようです。
その背景には、アメリカ全体で住宅の老朽化が進んでいるという事実があります。
全米の自宅所有住宅のほぼ半分が1980年以前の建築で、住宅の中央値は41年と言われています。
この年数を聞くだけで、屋根、給排水、配線、基礎などのトラブルが起こりやすいことは、なんとなく想像できるはずです。
そしてその一方で、「入居可能(move-in-ready)」と書かれた物件ほど、実は危険という皮肉な事情が起きているという事実。
新しいフローリング、新しいペンキ、すっきりとしたステージング。
こうした見た目の良さが安心材料ではなく、むしろ欠陥を隠すためのカバーになっている場合があるからです。
実際に瑕疵がある物件が特に多い州を見ると、傾向がはっきりと浮かび上がります。
- ロードアイランド
- オハイオ
- マサチューセッツ
- コネチカット
- アイオワ
など、いわゆるRust Belt(ラストベルト)の州が上位を占めているのです。
これらの地域は古い住宅が多く、夏と冬の寒暖差や凍結と融解を繰り返す気候が建物を痛めやすい環境です。
メトロ単位で見ると
- ペンシルベニア州エリー
- オハイオ州クリーブランド
- ニューヨーク州ビンガムトン、バッファロー
- インディアナ州サウスベンド
などが特にリスクが高いとされています。
興味深いことに、これらの都市は全米でも最も住宅価格が安い地域としても知られているのです。
クリーブランドであれば13万ドル台、バッファローでも23万ドル前後と、全米中央値の42万ドルを大きく下回ります。
価格が安いことで多くの買い手が飛びつきますが、けれども安さの裏側には老朽化した設備の更新費用という大きな落とし穴が潜んでいるわけです。
そして、この手の問題が加速する原因のひとつが投資家による急ぎのリフォームです。
投資家は利回りのために、とにかく安く仕入れて、見た目だけを整えて早く売りたい。
その結果、基礎のひび割れ、老朽化した配管、古い電気配線など、本来修繕すべき部分を放置したまま売りに出すケースが増えているというわけです。
とくにフロントレンジ地帯の粘土質の土壌は、水分量で収縮と膨張を繰り返し、それが基礎を圧迫して家全体をゆがめる大きな原因になり、こうした構造問題はペンキや床材で簡単に隠されてしまいます。
さらに気候の影響も深刻です。
北東部や中西部では凍結と融解が繰り返され、屋根や窓枠、排水管にかなりのダメージが蓄積していきます。
同時に、湿度が高い地域ではカビや木材の腐食が発生しやすく、とくに古い基礎コンクリートは長年の劣化が見えにくい形で進行するものです。
こうした背景から、瑕疵の隠れている問題は以前よりもはるかに重い話題になっているのです。
さらに追い打ちをかけるのが保険の問題です。
全米の保険会社は近年、引受基準を厳しくし、古い屋根や旧式の電気配線、水回りのトラブルに対して目を光らせています。
修理費用の請求をすると、追加点検が入り、契約更新を拒否されるケースもあるほどです。
では、どうすれば瑕疵の隠れている物件を避けられるのでしょうか。
答えは非常にシンプルですが、それはホームインスペクション(検査)です。
競争の激しい時期には多くの買主がインスペクションを免除してオファーを強めようとしましたが、これこそが瑕疵をつかんでしまう最大の原因になっています。
インスペクターは屋根、基礎、配線、水漏れ、排水、湿気、カビなど、素人では気づけない問題を徹底的にチェックします。
さらに、構造チェック、排水・傾斜のチェック、ラドン検査、下水管スコープなども非常に有効です。
そして、物件の修繕履歴や許可(permit)履歴を必ず確認すること。
過去にトラブルがあったのに売り主が開示していなかった、というケースは驚くほど多いからです。
最終的に重要なのは、見た目の良さではなく「長年きちんとメンテされてきた家」を選ぶことです。
レモンを避ける一番の方法は、家そのものの“健康状態”を徹底的に確認することに尽きます。
住宅は一生の買い物です。
焦らず、しっかり確認し、インスペクションを行い、知識のある専門家と一緒に判断することが、物件瑕疵の隠れる物件から身を守る一番の近道なのです。
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