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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、ホームインスペクション後に売主がどこまで修理責任を負うのかというテーマについて触れておきたいと思います。
アメリカで家を売却する際、避けて通れないのがホームインスペクションです。
買主がプロのインスペクターを手配し、家の状態を細かくチェックするこのプロセスは、売主にとって想像以上の影響を与えることがあります。
けれども、報告書に書かれたすべてを修理する必要があるわけではありません。
ここを正しく理解しておくことで、不必要なコストやトラブルを避けることができます。
まず大前提として、ホームインスペクションの報告書は「やるべきことリスト」ではありません。
インスペクターは改善可能な点を幅広く指摘するため、その中には修理が必須でないものも多く含まれます。
その一方、ローン会社が融資を実行するために必須となる修理項目も存在します。
代表例としては、構造的なダメージや安全性に関わる部分です。
- 基礎のひび割れ
- 屋根の損傷
- 電気系統の不備
- 排水やガスの漏れ
といった内容は、ほぼ確実に修理を求められます。
HVAC(暖房・冷房設備)、給湯器、シロアリやラドンの問題なども、生活に直結するため、売主負担で対応するケースが一般的です。
こうした修理が必要な場合は、複数の業者から見積もりを取り、実際に修理するか、クレジット(値引き)を提供するかを選ぶことができます。
クレジットで対応すると、工事の段取りなどを買主側に任せられるため、売主にとっては時間的な負担が少なく済みます。
その一方で、修理義務がないケースも多く存在します。
たとえば、壁紙の色あせ、細かなキズ、古いけれど正常に動いている設備などは「コスメティック(見た目)」の問題として扱われます。
この種の指摘は売主が対応する必要はなく、多くの州では修理要求そのものができないと契約に明記されることもあります。
その一方で、完全に白黒つけられない「グレーゾーン」もあります。
築年数で劣化したパーツ、すぐには壊れないものの不安要素がある設備などは、地域のマーケット状況によって交渉の結果が変わります。
もし売り手市場で競争が激しい場合、買主は修理要求を控えたり、インスペクション自体を「情報提供のみ」にして依頼することさえあります。
ただし通常のマーケットでは、一定の折り合いが必要になります。
担当エージェントと相談しながら、どこまで対応するのが適切なのか判断していくことが大切です。
ここで重要なのは、「合理的な対応」が売主にとってもメリットがあるという点です。
インスペクションで問題が見つかった場合、それを放置して次の買主に売ることはできません。
発見された以上、次の取引でも開示義務が発生するため、結果的に売却活動が長引いたり、値下げにつながる可能性もあります。
だからこそ、ある程度の妥協は「売却をスムーズに終わらせるための投資」と考えるべきです。
交渉を有利に進めるためのテクニックも存在します。
たとえば、買主に安心材料として「ホームワランティ(住宅保証)」を付ける方法があります。
500ドルほどの1年保証で、古いHVACなどに不安がある場合でも買主の心理的な負担を軽減できます。
また、家具や家電を欲しがる買主が多いことを利用し、修理の代わりに洗濯機・乾燥機を譲るなどの「物々交換」も効果的です。
これは意外と喜ばれる提案で、修理費用より安く済むケースもあります。
家を売るというのは、単に買主を探すだけでなく、最後の交渉まで含めた長いプロセスです。
インスペクション後の対応は、売却全体の満足度を大きく左右します。
だからこそ、どこを直し、どこを断り、どこを譲るのかを戦略的に判断することが、最終的な利益につながります。
ホームインスペクション後の交渉は売主にとって避けられない試練でありながら、上手に乗り越えればスムーズな取引と満足のいく売却価格を実現できるのです。
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