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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日はフロリダ州で議論が巻き起こっている「住宅の固定資産税をゼロにする」という政策案と、その裏側で起きる不動産市場への影響について触れておきたいと思います。
結論から言えば、固定資産税の撤廃は既存の住宅オーナーにとっては大きな追い風になる一方で、これから家を買おうとする人、特に初めての購入者にはさらに高いハードルとなる可能性が高そうです。
不動産投資家にとっては短期的な値上がりが期待できるものの、長期的には「税収の縮小」「景気後退による売り圧力」「供給過多」という複数のリスクが積み上がることになります。
この問題は単なる減税の話ではなく、マーケット全体の構造が変わる可能性を秘めているわけです。
詳細を見ていきましょう。
フロリダ州の固定資産税撤廃案
フロリダ州のロン・デサンティス州知事は、住宅の固定資産税を完全に廃止する構想を進めています。
同知事は
「固定資産税は、政府に家賃を払い続けるようなものだ」
と主張し、住宅所有者の負担をゼロにするべきだという考えを繰り返し述べてい流のです。
Realtor.comによると、この固定資産税をなくすことで住宅価格は即時に 7〜9%上昇する可能性があると推計されています。
これは総額で 2,000 億〜2,500 億ドルもの価値上昇につながり、すでに家を持っている人にとっては大きな資産増となる計算です。
けれどもその裏側で、次に家を買う人はどうなるのか。
もちろん、家の未来の支出である固定資産税がゼロになるなら、その分が現在の価格に織り込まれるのは自然な発想と動きです。
ローン返済と同じように、所有コストが下がれば購入できる金額は増えるので、価格が上がる仕組みは説明がつきます。
けれども若い購入層や、これから初めて家を買うファーストバイヤーにとっては痛手です。
ただでさえパンデミック期の急上昇がまだ残っている状態で、さらに7〜9%の値上がりは容易ではありません。
また、住宅の供給が追いつかない地域では価格上昇がより強く出るため、人気エリアの負担はさらに大きくなるのではないでしょうか。
さらに気になるのは、固定資産税の穴埋めをどうするかという点です。
デサンティス案では、商業物件、賃貸物件、セカンドホームの固定資産税は残し、売上税や企業税で補うとしています。
けれども賃貸物件に固定資産税が残る、実質の負担が増すとどうなるでしょうか。
答えはシンプルで、多くのオーナーは負担を家賃に転嫁するはずです。
その結果に賃貸市場の価格が上昇し、フロリダ州の「住みにくさ」が増す恐れがあります。
さらに固定資産税を当てにしている教育やインフラ、救急サービスといった地域社会を支える機能の財源が減れば、生活の質にも影響が出るかもしれません。
またフロリダにはセカンドホームが多く、全住宅の約10%が投資用・バケーション用です。
この層は固定資産税免除の対象外ですが、景気後退が来たときにはこの物件が一斉に売りに出る可能性があります。
いわゆるブラックスワンです。
景気が悪化すれば観光収入も落ち、外部からの資金流入も減り、さらに税収も細る。
ニッチな税体系に依存するフロリダにとっては、住宅市場と州財政が同時に弱るリスクにつながります。
短期的には価格上昇という恩恵がありながら、長期的には不動産市場のボラティリティが高まる点は、投資家としては無視できません。
住宅価値は上昇する可能性
その一方で、これまで下がってきた住宅価値が反発する可能性もあります。
特に高級住宅や、富裕層が多い地域では上昇幅がさらに大きくなるかもしれません。
ただし住宅価格の上昇は、州内への移住者減少や賃貸市場の悪化につながり、経済全体の活力を落とす懸念も含んでいます。
そうすると、投資家として注目すべきポイントをまとめると次のとおりです。
・短期的には住宅価格の反発が期待できる
・既存オーナーは恩恵を受ける
・初回購入者はさらに買えなくなる
・賃貸市場は家賃上昇リスクが高い
・長期的には「税収減 → サービス低下 → 住宅価値低下」の連鎖が起こり得る
・景気後退時にはセカンドホームの売却が一気に増える可能性
・不動産市場と州財政の両面でブラックスワンリスクが存在する
フロリダ投資を検討している方は、短期の値上がりよりも税体系の変化が長期のキャッシュフローや物件価値にどう影響するかを冷静に見極める必要があります。
税の削減は魅力的に見えながらも、住宅市場にさまざまな影響をもたらすテーマなのです。
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