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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は住宅ローン金利の行方を左右しかねない、非常に興味深いニュースについて触れておきたいと思います。
主役は、米国住宅金融の中核を担うFannie MaeとFreddie Macです。
この2社が、ここ数カ月で巨額の住宅ローンを自社バランスシートに積み増していることが明らかになりました。
この動きは住宅ローン金利を押し下げる方向に働く可能性があります。
数字で見ていきましょう。
2025年5月以降、FannieとFreddieは合計で約550億ドル超の住宅ローン残高を新たに保有しました。
わずか数カ月で30%以上の増加です。
その結果、両社の保有住宅ローン残高は合計2,340億ドルに達し、過去4年間で最大規模となっています。
アナリストの見方では、来年にかけて追加で1,000億ドル規模まで膨らむ可能性も指摘されています。
そしてここが非常に重要な点ですが、この急激なバランスシート拡大について、両社や監督当局から公式な説明は一切出ていません。
そのため、市場関係者の間ではさまざまな憶測が飛び交っています。
一つの見方は将来的な株式公開、いわゆるIPOを見据えた動きです。
FannieとFreddieは2008年の金融危機以降、政府管理下に置かれてきました。
その状態からの脱却、つまり民営化への布石として収益力を高める必要があるという考え方です。
実際、トランプ大統領は以前から両社の株式公開に言及してきました。
もう一つの見方としては、住宅ローン金利を意図的に引き下げるための政策的な動きではないか、という点です。
Realtor.comによれば、FannieとFreddieがMBSを買い増すことは住宅ローン証券への需要増加を意味します。
需要が増えれば価格は上がり、利回りは下がります。
利回りが下がるということは、結果として住宅ローン金利の低下につながります。
つまり両社が自ら住宅ローンを「食べている」ことが、市場全体の金利を押し下げる力になるわけです。
この影響は、すでに数字にも表れています。
住宅ローン金利と米10年国債利回りの差、いわゆるスプレッドは、ここ数カ月で約0.25%縮小しました。
同じ期間に、住宅ローン金利そのものは約0.57%低下。
現在の平均的な住宅ローン金利は、およそ6.2%前後です。
つまり、金利低下の約半分はこのスプレッド縮小によるものだと考えられます。
住宅ローン金利は常に国債利回りより高くなります。
なぜなら住宅ローンは国債よりリスクが高く、投資家はその分の上乗せ利回りを要求するからです。
けれどもその上乗せ幅は市場環境や政策によって変動するわけで、今回のFannieとFreddieの動きはその幅を意図的に狭めている可能性があります。
一方で、この話題を語る上で避けて通れないのが、2008年の金融危機です。
当時、両社は1.5兆ドルを超える住宅ローンを自社で抱え込み、レバレッジをかけた運用を行っていました。
その結果、サブプライム危機で巨額の損失を被り、政府による救済に至ったのです。
それ以降、両社は厳しい管理下で保有ポートフォリオを縮小する方向に転換しました。
2020年代に入ってからは自己保有よりも保証業務に重心を移す、より保守的なモデルに変わっています。
それでも今回、再びバランスシートを膨らませている点はやはり異例と言えます。
IPOを見据え、直接利息収入を増やすことで収益性をアピールしたい狙いがあるのかもしれません。
同時に、住宅市場の停滞という政治的に好ましくない状況を和らげる効果も期待できます。
住宅販売は鈍く、価格上昇も弱い。
こうした環境で金利が下がれば、買い手の心理は大きく改善します。
結果として、市場全体が再び動き出す可能性はあると思います。
。。。
住宅ローン金利は、単なる市場金利ではありません。
政策、政治、そして巨大プレイヤーの意思が複雑に絡み合った結果として決まります。
今回のFannieとFreddieの動きは、その典型例と言えるのではないでしょうか。
今後、金利がさらに下がるのか。
それとも、別の意図が表面化するのか。
FannieとFreddieの動向は住宅購入者だけでなく、不動産投資家にとっても見逃せないポイントです。
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