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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は、2025年に全米で最もフォアクロージャー(差し押さえ)が多かった州としてフロリダが挙げられた最新データをもとに、今のアメリカ不動産市場で何が起きているのかを整理してみたいと思います。
全体を俯瞰してみると、差し押さえ件数は確かに増えていますが、住宅市場全体が危機的状況にあるわけではありません。
2025年に全米でフォアクロージャーの申請があった住宅は約36万7千件で、前年から14%増加しました。
けれども、パンデミック前の2019年と比べると25%も少ない水準にとどまっています。
このデータをまとめたのは、不動産分析会社として知られるATTOMですが、数字だけを見ると増加という言葉が強調されがちですが、長期的な視点で見ることが重要になります。
その中でも今回最も注目されたのがFloridaです。
フロリダ州では、全住宅のうち0.44%でフォアクロージャーの申請が行われ、全米で最も高い割合となりました。
次いでデラウェア州、サウスカロライナ州、イリノイ州が続きます。
主な理由として指摘されているのが、フロリダ特有のコスト上昇です。
住宅保険料の急騰、固定資産税の上昇、そして維持費全体の増加が家計を圧迫していることはよく知られています。
さらにフロリダの一部地域では住宅在庫が増え、需要が弱含みになっています。
その結果価格の伸びが鈍化し、売却までの期間が長期化する傾向が見られるのです。
こうした状況が重なることで、特に高値圏で購入した人や月々の支払い負担が大きい人にとって、フォアクロージャーのリスクが高まることになります。
とはいえ、全米的に見ると状況はかなり落ち着いています。
2025年にフォアクロージャー申請があった住宅の割合は全体で0.26%でした。
これは2019年の0.36%よりも低く、リーマンショック後の2010年に記録した2.23%という水準とは比べものになりません。
ATTOMの発表でも、今回の増加は市場の正常化プロセスの一部だとのコメント。
要するに異常に低かった数年が終わり、より現実的な水準に戻りつつあるという見方です。
実際のところ、現在の市場では無理な融資が抑えられており、住宅ローンの質が以前よりも高く保たれています。
また、多くの住宅所有者が十分なエクイティを持っている点も重要です。
連邦政府のデータによると、住宅価値に対する持ち分比率は約71%と非常に高い水準です。
仮に住宅価格が一気に10%下落したとしても依然としてエクイティは厚く、ローンが即座に焦げ付く状況にはなりにくいとされています。
この点は、2008年前後の住宅危機とは決定的に異なるポイントです。
ただし、短期的な動きとしては注意すべき数字も出ています。
2025年12月だけを見ると、全米のフォアクロージャー申請件数は前月比で26%増、前年同月比では57%増となりました。
特に影響が大きかった州として、ニュージャージー州、サウスカロライナ州、メリーランド州が挙げられています。
都市別では、Baltimoreが最も高い割合となり、次いでCleveland、Philadelphiaが続きました。
その一方で、San Joseは大都市の中で最も低い水準を維持しています。
。。。
このように、アメリカ不動産市場は「全体は安定、地域差は拡大」というフェーズに入っていると感じます。
フロリダの数字だけを見て悲観するのではなく、州ごと、都市ごとの事情を丁寧に見ることが欠かせないわけで、投資家にとってはリスクの芽が見え始めた地域と、引き続き堅調な地域を見極める重要な局面です。
かくして、2025年のフォアクロージャー増加は危機の再来ではなく、市場が次の段階へ移行する過程だといえそうです。
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