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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
カリフォルニア、特にオレンジカウンティの再開発エリアで今、非常に興味深いプロジェクトが動いています。
かつての軍用施設という広大な土地が、1,600エーカーを超える規模で新しい街へと生まれ変わろうとしているのです 。
今日は、その中心部にある戦略的な土地開発の舞台裏について、シリーズでお話ししていこうと思います。
更地を購入して、ゼロから建物を建てる
この響きには、投資家としてのロマンと、それ以上の「冷徹な現実」が詰まっています。
一般的な中古物件の売買とは、見えている景色の次元がまったく違うのです。
多くの人が
「土地さえ手に入れれば、あとは自由に建てられる」
と考えがちですが、アメリカの開発はそんなに甘くありません。
特に、今回のような「特定計画(Specific Plan)」が敷かれているエリアでは、ルールこそが絶対的な権力を持っています 。
例えば、約6.8エーカーという広さの土地であっても、市が推奨する開発規模や、最大6階建てといった建物の高さ制限まで、あらかじめ細かく指定されていることがあります 。
そして、ここで最初に直面するのは、物理的な土地の状態よりも「契約上の縛り」という見えない壁です。
物件の機密情報を得るために非開示合意書(NDA)を結ぶのは当然として、このエリア特有の「シティ・アデンダム(City Addendum)」への署名が求められるのです 。
「なぜ、ただの土地を買うのに市との特別な契約が必要なんだ?」
そう思われるかもしれません。
それは、そこが単なる土地ではなく、自治体が威信をかけて進める「都市のマスターピース」の一部だからです 。
自治体側は、買った投資家が「転売目的で放置すること」や「計画に合わない安易な建物を建てること」を最も警戒しています。
だからこそ、購入段階で開発への強いコミットメントを求めるわけです。
あなたが手に入れようとしているのは、単なる土壌ではなく
「街の未来を作る権利と義務」
のセットだという認識を持つことが、成功への絶対条件になります。
周辺を歩けば、1,100戸を超える大規模な住宅プロジェクトが次々と立ち上がり、人の流れが劇的に変わる「臨界点」がすぐそこまで来ているのが分かります 。
この波にどう乗るか、あるいはどう受け止めるか。
商業不動産市場では、オフィスセクターが適応期にある一方で 、リテールの空室率は3%台という安定感を見せています 。
どの用途で攻めるのか、あるいは複合用途(Mixed-use)でリスクを分散しつつ、最大収益を狙うのか 。
土地開発の醍醐味は、この「最高最善の利用」をゼロから突き詰めるプロセスにあります。
デューデリジェンス(調査期間)に何をどこまで洗い出せるか。
旧施設跡地であれば、土壌や地下水の汚染履歴(Phase I ESA)をどうクリアするか 。
ここを疎かにする人は、後で数百万ドル単位の「授業料」を払うことになります。
本物のプロは、契約書にサインする前に、すでに頭の中で建物を完成させ、出口戦略(Exit Strategy)まで描ききっているものです。
今日のポイントをまとめます。
- 土地開発は、物理的な土地の良し悪し以上に「特定計画」というルールの理解から始まる 。
- 公的な再開発エリアでは、自治体との協力関係(シティ・アデンダム)が不可欠である 。
- 周辺で進行中の膨大な住宅供給が、将来の自社物件の需要を支える「確信」に繋がる 。
- 「更地=自由」ではなく、「更地=地域社会への厳格なコミットメント」であると認識すること。
この見えない縛りこそが強力な参入障壁となり、最終的なあなたの資産価値を守ってくれる盾になります。
明日に続けます。
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