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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先日、ある古い日本語の本を読んでいて、ふと手が止まりました。
「間(ま)」という言葉についての一節でした。
「間」とは、単なる空白ではない、と著者は言うのです。
音楽における「間」は、音符と音符のあいだにある沈黙のことですが、その沈黙こそが音楽に呼吸をもたらし、聴く者の心に届かせる。
能や茶道においても、「間」は技術の一部として大切にされてきました。
「何もしていない時間」ではなく、「次の動きを育てている時間」として。
「すぐに答えない」という選択
アメリカで仕事をしていると、スピードを重んじる文化に常にさらされます。
「早く決断できる人間が賢い」という空気が、ビジネスの場には漂っています。
けれども私が長年この仕事をしていて気づいたのは、本当に良い判断をする人は、必ずしも早くはないということでした。
むしろ、「少し待つ」ことを恐れない人の方が、結果として正確な決断をしているケースが多い。
焦って答えを出した瞬間、思考の扉が閉まる。
「もう決めたから」という安堵感が、実は見落としをカバーしているだけのことがある。
一方で、問いをひとつ胸に抱えたまま一晩過ごした翌朝、思いがけないところから答えが湧いてくる経験は、きっと誰にでもあるはずです。
「間」を恐れない技術
あるとき、長い付き合いのあるクライアントから相談を受けました。
「今、物件を買うべきか、もう少し待つべきか」という、よくある問いです。
私はすぐに答えを出しませんでした。
数字を整理し、市場の動きを確認し、そのクライアントの状況をもう一度丁寧に聞き直しました。
1週間後、「やはりもう少し様子を見ましょう」とお伝えしました。
けれどもその2週間後、状況が変わり、「今です」と連絡したとき、クライアントはすでに準備ができていた。
「間」をとったことで、むしろ動きが速くなったのです。
「決めないこと」が最良の選択である瞬間
不動産の世界では、「早い者勝ち」の場面も確かにあります。
複数のオファーが競合する状況では、躊躇が機会を逃すこともある。
けれどもそれは、あらかじめ準備が整っている人の話です。
「間」をとるというのは、怠けることではなく、次の動きを正確にするための準備であると、私は思っています。
焦りから生まれた決断と、熟考から生まれた決断は、たとえ結果が同じに見えても、その後の歩み方がまるで違う。
焦りの決断は、迷いを引きずる。
熟考の決断は、腹が据わる。
いまのアメリカ不動産市場は、金利の動向も、価格の行方も、まだ霧の中にある部分があります。
「今すぐ動かなければ」という焦りを感じる局面もあれば、「もう少し待てば条件が整う」と思える局面もある。
どちらが正解かは、その人の状況によって違います。
だからこそ、まず「間」をとって、自分が本当に何を求めているのかを確かめることが、最初の一歩になるように思います。
急いで答えを出す必要はありません。
「今は答えを育てている時間だ」と思えると、迷いが少し軽くなることがあります。
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