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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
3月18日、Federal Reserve(連邦準備制度、FRB)はFOMC(連邦公開市場委員会)の会合を終え、政策金利であるFederal Funds Rate(フェデラル・ファンズ・レート)を3.5〜3.75%に据え置くことを決定しました。
2025年末に実施した3回の利下げに続き、これで2回連続の「現状維持」となります。
「また動かなかったのか」
そう思われた方もいるかもしれません。
けれどもFRBの決断を「何もしなかった」と見るのは少々表面的な読み方で、実際にはその背景に、今のアメリカ経済が直面している難しい選択が透けて見えます。
少し整理してみましょう。
FRBが2025年末から進めてきた利下げには、二つの目標がありました。
一つは高止まりしていたInflation(インフレ)を抑制すること。
そしてもう一つは、雇用市場が過度に冷え込まないよう、経済活動を適切に支えること。
その両立を模索しながら、FRBは段階的に金利を引き下げてきたわけです。
けれども年明け以降、予期しない変数が加わりました。
中東における地政学リスクの高まりが原油価格を押し上げ、一旦収まりかけていたインフレへの懸念が再浮上したのです。
これでは、利下げの旗をさらに振るわけにはいきません。
「インフレが落ち着いたら、また動く」
FRBが示したのは、そういう姿勢です。
ここで一つ、改めて確認しておきたいことがあります。
FRBが動かしているFederal Funds Rate(フェデラル・ファンズ・レート)と、住宅購入に直接関わる30年固定のMortgage Rate(モーゲージ金利)は、実は異なる指標です。
モーゲージ金利は、FRBの政策金利ではなく、10年物Treasury Yield(米国債利回り)に、より強く連動しています。
つまり、FRBが据え置きを決定したからといって、モーゲージ金利が自動的に横ばいになるわけではありません。
投資家が経済の先行きを警戒して国債を売れば利回りは上がり、モーゲージ金利も追随して上昇します。
逆に景気悪化への不安から国債が買われれば、利回りは下がり、モーゲージ金利も低下します。
Freddie Mac(フレディマック)の最新データによれば、30年固定モーゲージ金利は3月19日時点で6.22%となっています。
今年2月には一時的に6%を下回る場面もありましたが、地政学リスクの高まりを受けてその後急反発し、ここ数週間で0.3ポイント近く押し返された格好です。
「FRBが3回も利下げしたのに、なぜ金利がまだこんなに高いのか」
そう感じる方がいたとすれば、まさにこのメカニズムがその答えです。
では、今後モーゲージ金利はどう動くのでしょうか。
FRBは今回の声明で「今後のデータを見極めながら判断する」という姿勢を明確にしました。
PCE(個人消費支出)やCPI(消費者物価指数)といったインフレ指標が安定に向かい、原油価格が落ち着きを取り戻せば、年後半に向けて再び利下げが動き出す可能性はあります。
けれどもそれは「あり得るシナリオ」であって、「確定している未来」ではありません。
こうした不確実な環境の中で、投資家として何を判断の軸に置くか。
一つ言えることは、「金利が下がるまで待つ」という戦略には、見えないコストが伴うということです。
待っている間に、魅力的な物件が他の買い手に渡ることがあります。
そして市場全体が動き出したとき、今は在庫として積み上がっている物件も、あっという間に取り合いになる可能性があります。
Rate Lock-in Effect(金利ロックイン効果)、つまり低金利でローンを組んでいる現オーナーが売りに出したくないという構造は、少しずつ崩れてきています。
現在のActive Inventory(売出し中の物件数)は前年同期比5.6%増加しており、市場には着実に物件が増えてきています。
けれども同時に、6%台の金利を前に買い手の動きは鈍く、物件が市場に滞留する時間も長くなっています。
これは言い換えれば、「冷静に吟味する時間」が今はあるということでもあります。
FRBの動向、Treasury Yield、そしてモーゲージ金利の推移。
これらをひとつながりの文脈として理解しながら、動くべきタイミングを自分なりに見極めていく。
そのための「読む力」を磨いていくことが、今の市場では特に大切なように思います。
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