投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
少し前に、ある本の中で興味深い一節に出会いました。
大航海時代の船乗りたちは、どうやって「地図がない海」を渡ったのか、という話です。
当時の地図には、既知の陸地の先に「HIC SVNT DRACONES(ここに竜あり)」と書かれた空白があったといいます。
未知の領域です。
誰も行ったことのない場所です。
それでも船は出ました。
彼らを導いたのは詳細な地図ではなく、羅針盤(Compass)でした。
どこへ向かえばいいかは分からなくても、今自分がどちらを向いているかを知ることができます。
それだけで、彼らは広大な海を渡ることができました。
この話を読んだとき、私は今の不動産市場のことを考えました。
現在、アメリカの住宅市場はある種の「霧の中」にあります。
モーゲージ金利(Mortgage Rate)は2月に一時6%を割り込み、「ついに動き時が来た」という空気が生まれました。
けれどもその後、中東情勢の緊張や原油価格の上昇が重なり、3月には再び6.4%台へと上昇しました。
在庫は増えていますが、それは売れ残りが積み上がっているからでもあります。
関税(Tariff)問題が住宅建材のコストを押し上げる可能性も指摘されています。
春のシーズンには例年より多くの買い手が動いているようですが、その一方で価格の伸びは鈍化し、成約までの日数は長くなっています。
「結局、今は買い時なのか、待ちなのか。」
こういう問いをいただきます。
正直に言えば、この問いに「正解」を出せる人間はいません。
地図を求めているのだとすれば、今の市場にはその地図がないのです。
羅針盤を持つ人は迷わない
けれども私が長年この仕事をしてきて感じることは、地図が正確でないときでも、羅針盤を持っている人は迷わない、ということです。
羅針盤とは何でしょうか。
それは「投資の判断基準」そのものだと、私は思っています。
「どんな条件なら投資する価値があるか」を、自分の中に持っているかどうかです。
たとえば、キャッシュフロー(Cash Flow)がプラスになること。
人口が増えているエリアであること。
賃貸需要が安定していること。
出口(Exit Strategy)を複数想定できること。
これらは市場の動向に関わらず、変わらない判断軸です。
金利が6%であろうと6.5%であろうと、この羅針盤に照らしてYesなら買います。
Noなら待ちます。
それだけのことです。
「タイミング」を読もうとする人が陥る罠
もちろん、金利や価格のタイミングを完璧に読めれば、それに越したことはありません。
けれどもそれを追い求めすぎると、人は「地図探し」に終始してしまいます。
「もう少し待てば金利が下がるかもしれない」
「もう少し待てば在庫が増えるかもしれない」
「もう少し待てば価格が調整されるかもしれない」
かくして、待ち続けた人が動けないでいる間に、羅針盤を持っていた人が静かに物件を取得します。
これは私が何度も見てきた光景です。
2020年、コロナ禍の初期に「不動産はどうなるか分からない」と多くの人が立ち止まった頃、着々と動いた投資家たちがいました。
彼らに共通していたのは「相場観の確かさ」ではなく、「自分の基準の明確さ」でした。
もちろん、羅針盤があれば全ての判断が正しくなるわけではありません。
時に羅針盤の示す方向が険しい岸壁に向いていることもあります。
調整が必要なことも当然あります。
けれどもそれは、経験を通じて少しずつ精度が上がっていくものです。
大航海時代の船乗りたちも、最初から完璧な航海をしていたわけではありませんでした。
幾度もの航海を通じて、星の見方を覚え、潮の流れを読み、羅針盤の使い方を磨いていきました。
不動産投資も一度の正解を目指すのではなく、自分の判断基準を磨き続けるプロセスなのだと私は思っています。
その過程に、少しでも伴走できる存在でありたいと思います。
霧の中の市場にあっても、羅針盤さえあれば、前に進むことはできるように思います。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。