こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日から、アメリカで不動産物件を購入する際のクロージング前までにチェックしておくべき6つの留意点についてお伝えしています。
ここでお伝えしている内容は、基本的にはあなたが雇う不動産エージェントが当然のごとく把握しておくべきことです。
大概の不動産エージェントは取引に慣れているものですし、彼らもまた独自のチェックリストを持っているはずなので、それぞれの要所要所であたなに次になすべきことを促してくれると思います。(その為に雇っているので)
ところが、気の利かない不動産エージェントがいるもの事実です。
案外ベテランこそ基本を忘れ、然るべき手順を飛ばしたままそれが習性となり、手順を知らない新規の顧客は気づくよしもなく契約が進められることもあります。
佐藤も不動産知識が十分になかった頃に購入した物件は、昨日の一番最初にあげた「物件調査コンティンジェンシー」のことなど知らなかったのですが、担当してくれた当時の不動産エージェントはそのことを教えてくれずに物件調査すらしないまま購入してしまいました。
そうしたところ、購入後に雨が降ると床下に雨水が染み込んでくる箇所があることが分かり、その修繕に数千ドルを自費で出すという痛い目に合ったことがあります。
今考えると、担当してくれた不動産エージェントの職務怠慢として不動産協会にクレームを出してもよかったと思うのですが、当時はそんなことも分からずに泣き寝入りしたのです。。
皆さんはそんなことにならないよう、最低でも昨日と今日の項に上げているポイントは自分自身で押さえ、誤りのないアメリカ不動産取引を心がけてください。
今日も要チェック事項の残り3つを続けます。
4.クロージングディスクロージャーを確認する
契約期間の最終日となるクロージングの3日までにはクロージングディスクロージャーがあなたの手元に届きます。
クロージングディスクロージャーに関してはこちらに詳しく書きましたのでここでの詳細は省きますが、そこには
モーゲージローンの返済額
物件最終額
頭金
ローンオフィサー手数料
物件権利調査費用
物件権利保険料
エスクロー会社手数料
固定資産税一部
等の数字が並び、そしてこれらを踏まえた上で最終的な支払い残高が記載されています。
確認の仕方ですが、このクロージングディスクロージャーはクロージング予定日の3日前までに出てきますが、通常は契約開始直後の住宅ローン申し込みから3日位内には「ローン・エスティメイト(Loan Estimate:ローン組み見積書)」が発行されています。
このLEは「この契約において最終的な支払いはこのようになります。」という見積もりが書かれていますので、クロージングディスクロージャーを確認する際は「LEと比較するとどの数字がどのように変わったか?」を見ていけばよいのです。
この辺りは慌てなくて済むように、契約期間の初期に出されるLEを最初の段階でよく目を通して全ての項目と数字に親しんでおき、いざクロージングディスクロージャーが出されたら落ち着いて確認出来るように備えておきましょう。
5.ウォークスルーを行う
クロージングまでの24時間以内(すなわち前日)に、物件内を実際に歩いて契約どおりに仕上がっているか目視確認する行為を「ウォークスルー(Walk-through)」と呼びます。
通常の取引では担当の不動産エージェントと現場に向かい、物件内外を歩いて確認をしていきます。
もっぱら義務ではありませんのでどうしても必要ではないのですが、遠隔からの購入で物理的距離のために現場に行けない、という理由でない限りは極力自分自身でウォークスルーを行うことをお薦めします。
この時に確認するべき事項が
・売り主が未だ暮らしていないか(レントバック同意で売り主が引き続き一定期間暮らし続けることを許可している場合は別り)
・売り主の個人所有物は何も残っていないか
・売り主は約束通りの修繕を完了しているか
です。
とりわけ約束の修繕箇所についてはその修繕がきっちりなされているかをしっかりと確認出来るように、契約期間中に約束をした際にその修繕項目をメモっておくようにしましょう。
実際には約束の修繕箇所は契約書内に記載されているはずですが、そこには概要しかありませんのでより詳細は自分で記録すると同時に、修繕前の写真は撮っておくとクロージング前のチェックが容易になります。
6.クロージング当日用に必要物を揃える
ここまできたら、晴れてクロージング最終日を迎えることが出来ます。
クロージングにあたりあなたが持参するべきものは主には下記のとおりです。
ホームオーナー保険の証明書
購入同意書のコピー
物件調査報告書
あなたの住宅ローン審査が通過したことを証明する全ての書類
政府発行のID(パスポートで可。物件権利証明書類やモーゲージ書類上の名前と一致している必要があります)
このクロージング手続きの場所は通常はエスクローサービスを行う会社、もしくはクロージングを担当する弁護士の事務所で行われるものです。
この際にかなりの数の書類に署名することになりますが、担当者はその1つひとつの書類について丁寧に説明してくれるはずですので、その書類の意味合いをよく理解しながら署名を行いましょう。
クロージング作業を全て終えたら物件の鍵を受け取ることとなり、あなたは晴れてその物件の新オーナーとなります。
。。。
簡単ではありますが、昨日と今日でクロージング前の留意点をまとめてみました。
とりわけアメリカで初めて物件を購入される場合は、これらの点に留意してクロージングに望むことをオススメします。
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