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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日はテネシー州メンフィス市について、FedExが来年2019年から2022年の間に10億ドルの追加投資を行うことから、不動産投資対象地域としてのメンフィスの安定度がより高まるだろうことをお伝えさせて頂きました。
その一方で、同州で動きが気になる都市があります。
同州の州都、ナッシュビル(Nashville)です。
その歴史の詳細は割愛しますが、「ミュージック・シティ」としても知られるこの都市は観光都市としても知られており、米国内の地方都市の中でも廃れることのない街として認識されていました。
このナッシュビルが、近年急激に成長しています。
産業としてはアメリカ中部のほどんどの地域で製造業が衰退している中、このナッシュビルでもメンフィスと同様にヘルスケア・金融業が伸びており、市の産業の中心のになっています。
こと観光に関してはメンフィスよりもナッシュビルの方が上手に人を集めており、街全体が近年急激な成長軌道にあるのです。
地元生活者はその街の変化を如実に感じており、例えば12マイル(約19キロ)程度の移動にしても今では約45分もかかるほど、渋滞が年々ひどくなっています。
市民の中には昔ながらの古き良きアメリカの雰囲気を守りたく、
「ヒューストンやアトランタのように、後発の発展都市になりたくない」
そんな声もありますが、そんな思いとは裏腹にナッシュビルはどんどん成長しているようです。
今日は、このナッシュビルの変化についてポイントを押さえてみましょう。
ナッシュビルの変化を数字で見てみる
テネシー州の州都ナッシュビルが近年どのように変わってきているのかを、いくつかの分野を取り上げて数字でみてみましょう。
まずは人口ですが、アメリカ国税調査によるとナッシュビルを包括するダビッドソン郡の人口は2000年から2017年の間に45%も増加しています。
そのグラフがこちらです。
以前から人口が増え続けているものの、とりわけ2012年以降は増加していますね。
そして人口と同時に不動産需要の意味で大切なのは雇用です。
雇用がしっかりしていないと賃貸にも安定してお金が回りませんが、本年4月のアメリカ労働省の発表によると、ナッシュビルの失業率は2.7%と極めて低い割合に抑えられています。
この2.7%はアメリカ国内のどの主要都市と比較しても、最も低い数字です。
そして驚くべきことに、テネシー州全体の雇用率の実に57%はこのナッシュビルに集中しています。
同州全体の半分以上の雇用に責任を持ちながら、それでも失業率を2.7%に抑えているという安定度なのです。
そのような流れには、大企業がナッシュビルに本社を移転させている事実もあります。
例えばナッシュビルを支える産業の1つである金融業界でいえば、アライアンスバーンスタイン(AllianceBernstein L.P.)など典型的な例です。
同社は株主の約64%がフランスのコングロマリット企業アクサ(フランスの保険・金融グループ)に所有されるグローバル資産管理会社ですが、もともとニューヨークから始まった同社は、なんとその本社をナッシュビルに移転させています。
同社は社員に対する移転理由を
「生活費も安く税金も安いから。」
と実に分かりやすく、明快に伝えています。
投資管理事業など安定してネットに接続できればどこでも仕事が出来ますから、生活費と税金の高いニューヨークで活動するよりはそれらが安く、かつ生活に全く不便のないナッシュビルのような地方都市が費用対効果がよいというわけです。
これはナッシュビルに限った傾向ではなく、アメリカ全体で場所を問わない産業は税金と生活費が安い地方都市に移転する傾向がちらほら見受けられます。
不動産投資の観点では
そこで、不動産投資の視点ではナッシュビルの変化をどのように捉えるべきなのでしょうか。
ナッシュビル地区の不動産価格の変化を見てみましょう。
近年は凄まじい伸びですね。。
統計によると、2008年から2018年の過去10年間でナッシュビル近郊の住宅物件価値は75%も上昇しており、地方都市の比較対象とできるシャーロット市の33%上昇、アトランタ市の26%上昇を大きく引き離しています。
ナッシュビルの地元で生活する人々の実感としても賃貸料は年々急激に高くなっており、平均的な労働者が2012年時点では3ベッドルームの一軒家に$875で入居していたのが、6年後の今では$1,300と約48%も上昇しています。
結果として、平均収入の労働者たちは賃貸料の高騰により、今現在どんどん街の中心から郊外へと追いやられているのです。
そこに加えて、ナッシュビルでは街の中心をここから更に発展させていこうという流れがあります。
事実、今年の春にはナッシュビル政府と市民グループが協力して数十億単位の債権を発行し、世界中から資金を集めることで地区の公共施設を一気に拡大させる動きがありました。
これは世界中からお金を集めて砂漠の何もないところに都市を作り上げ、今や中東随一の金融センターになったドバイと同じ手法です。
ただし今回は市民の大多数が反対票を入れて実現せず、市は別の方法で資金を集める必要に迫られています。
とはいえ、ナッシュビルのこのような積極的成長傾向は今後しばらくは変わらないとみてよいと思います。
遅かれ早かれ世界中からナッシュビルに富を呼び込んで、今以上に都市化して発展していくことはほぼ確実とみていのではないでしょうか。
そうすると、不動産投資家としては現在のナッシュビルは
都心
と
郊外
に分けて見ておく必要があります。
このような上昇気流にある都市の場合、不動産投資の観点では
「これから発展する場所(郊外)にチップを張る」
というのが妥当なのです。
具体的には、
「今現在はある程度のキャッシュフローを確保しつつ、将来的にはキャピタルを狙えるように郊外に良質な物件を安いうちに購入しておく」
ということです。
都心で購入するには時期としては遅すぎますし、デベロッパー各社が熾烈な競争を展開していますので、素人や個人が手を出すべきではありません。
それよりも、ヒューストン郊外のように今後ナッシュビルの郊外が都心の余波で自然に発展してくることはほぼ間違いありませんから、不動産投資目的が「節税対策」もしくは「キャピタル狙い」であれば、ナッシュビル郊外での物件購入は大いに検討する価値があるのです。
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