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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日から不動産投資における支出の一つである「固定資産税」についてお伝えしています。
投資からリターンを大きくする上で「出すを抑えて入るを増やす」というごく基本的な概念に基づいて、
支出は出来るだけ抑えて
収入を出来るだけ増やしていく
という心がけが大切になりますが、支出の中でも固定資産税は間違いなく毎年発生する固定費です。
例えばテネシー州メンフィス市であれば全米と比較すると固定資産税は随分と安く、この安い固定資産税がキャッシュフローの成績に大きく寄与してくれることになります。
そんな中、ある投資家さんより固定資産税に関するご質問を頂戴しました。
同じ地区の物件でも固定資産税に随分と差が見られる理由はなんでしょうか?
同じ不動産市場の同じ地区に同等レベルの物件がある場合、サイズも部屋数も同じなのに片方の固定資産税は明らかに安い、という場合があります。
この差が出てくる理由は何なのでしょうか?というご質問です。
非常に良いポイントに気づいておられると思います。
数日前の実例で例えた「セナの2センチ」よろしく、このような差に敏感に気づいて調べていく姿勢はとても大切です。
そこで今日は、同地域内の同等物件において固定資産税が大きく違う理由についてお伝えさせて頂きます。
固定資産税の支払い先は
まずは全体像をつかむために、アメリカの統治制度を理解しておきましょう。
アメリカ合衆国の統治制度は概ね
① 連邦政府(全国を包括的に監督)
↓
② 各州(連邦政府管轄の下に、州内を包括的に監督)
↓
③ 各郡(州政府管轄の下に、所属する市を包括的に監督)
↓
④ 各市(郡管轄の下に、市政を担当)
となっています(保護地区等は割愛します)。
通常、住所に記載されるのは
② 各州
と
④ 各市
であり、
③ 各郡
の、郡名は公の住所としては出てきません。その為に見落としがちですが、いくつかの市を取りまとめているのが郡なのです。
そしてアメリカの不動産物件に対する固定資産税は、概ねその物件が位置する市を管轄する郡の当局が元締めとなっています。
具体的に固定資産税はどこに吸い上げられるのかといえば
「郡」と「市」
の2つ、あるいは
「郡のみ」
に徴収される場合との2種類があります。
固定資産税が郡と市の両方に徴収されるのか、もしくは郡のみに徴収されるかは全米各地で違いがありますが、いずれにせよ固定資産税そのものは連邦政府に支払うわけではなく郡と市になります。
市税のかからない地域がある
そしてここからがポイントになります。
前述のように固定資産税は「郡と市」に支払う場合と「郡のみ」に支払う場合のどちらかになるのが通常です。
ところが、ここにちょっとイレギュラーなパターンがあります。
それは、同じ市内かつそこは「郡税と市税の両方を支払う」市であるはずなのに、同市内でも「郡税のみを支払う地域」が存在するという事実があるのです。
このような地域を「Unincorporated area(アンインコーポレーテッド エリア)」といいます。
なぜこの特定の地域は市税を支払わなくてよいのでしょうか?
これはそもそも税金徴収の趣旨を考えるとよく分かりますが、税金は上納金の類ではありませんね。
上納金の場合はどちらかと言えば一方的な徴収であり、一定額を納めたからといって目に見える形で自分に利益が戻ってくるわけでもありません(のれん貸し程度でしょうか)。
すなわち通常は納めた税金はその郡や市を運営する上での予算に充てられるわけです。
そして市税を納める必要がないということは、
「その地域は市は管理しておらず、直接郡の管理下にある」
ということになります。
実例でいきましょう。現在市場にでているこちらの物件をご覧ください(2018年11月23日時点では売り出し中です)。
この物件は4ベッドルームに1,267sqft(約118平方メートル)とそれなりの広さ。そして
このように物件価値は今年だけで約3万ドルも上昇しています(zillow.com評価)。
築22年と4年間減価償却を狙う投資家にはピッタリな上に、内装はほとんどがフロアリングと投資に有利な条件になっていますね。
ところがこの物件、これだけのサイズにも関わらず固定資産税が
と、$1,000以下に収まっています。
理由はこの物件が「Unincorporated area(アンインコーポレーテッド エリア)」に立地しており、郡税しか納める必要がないからなのです。
結果としてこのようなアンインコーポレーテッドエリアの物件を購入する場合は市税がない分の固定資産税が安くなりますから、投資運用成績にも寄与することになるのです。
とはいえ、もちろんアンインコーポレーテッドエリアのマイナス面もゼロではありません。
市政の影響を受けないからこそ市税を納めなくてよいのですが、言い方を変えると「市政はその地域一帯の面倒は見てくれない」ということになるのです。
例えばメンフィス市では「アンインコーポレーテッドエリアに対してはこれ以上、下水道ラインは拡張しない」という公共事業の制限を2017年に出しています。
税金を市に納めてくれない地域ですから、ボランティアで公共事業は出来ませんよというわけです。
下水道が広がらないのであればその地域にこれ以上の住居物件や商業物件、或いは公園等を増設することは出来ませんから地元開発者は困っているのです。
とはいえ現状では賃貸市場に大きな影響が出ているわけでもありませんので、セナの2センチを目指す上では「Unincorporated area(アンインコーポレーテッド エリア)」の物件を狙う選択肢も大いに考えられると思います。
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