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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
不動産市場が活発に動き始める中、日々
オファー
契約
物件調査精査
クロージング
等に関する支援にも動いています。
おかげさまで大変充実した日々。。
そして不動産投資においては大切なのはこれら入り口の要素。
とりわけ手続きの一番最初となる「オファー価格」については高値掴みとならないようにしつつ、数多くのオファーに埋もれながらも上手に頭一つ出て購入権を得る必要があります。
そんな中、つい数日前に出てきたDuplex型の物件についてご質問を頂戴しました。
Dulpexとは一つの建物を二つにわけ、壁を隔てて別々の不動産権で所有される物件です。
コンドミニアムの最小単位のようなイメージですね。
リアルタイムケーススタディー
対象物件:1678 Red Barn Dr, Memphis, TN 38016(2019年3月16日から市場に出されていました)
ご質問:このようなテナント入居中で中を見ることが出来ない物件では修繕費も見積もることが出来ないと思います。この場合はどのような値付けで想定すればよいのでしょうか?
ご質問の前提として少し補足しますが、この物件はMLSサイト上であなたも確認頂けるように
「
Great attached brick home that is perfect for an investment property. Neighborhood facilities include a pool, club house, and tennis court.
」
としか記載されていませんが実はこの物件、現在テナントが入居中です。
購入後はそのままストレートに家賃収入が約束されているわけです。
テナントは長い間$900の家賃で入居し続けており、過去の更新機会において一度も値上げがなされていない様子。
本当は市場賃貸価格は
$975 ~ $1,075
で、平均をとって$1,025でもおかしくないと思います。(次回の契約更新時に、値上げは可能です)
余談ですが、このご近所はコミュニティプールもあり賃貸市場としてはとても人気があります。
またDulex型ながら車庫付きの物件は珍しい為、このテナントはそれは長く入居し続けたいだろうと思います。
価格は$95,000で出されており、然るべき市場価格よりも安いようです。
けれどもご質問にある通り、テナント入居中ですので中の状態がよく分かりません。
このような場合はオファー価格をどのように定めるべきなのでしょうか?
今日は、中の状況が分からない物件に対していくらでオファーするべきかを考えてみましょう。
リアルタイムのケーススタディーでいきます。
正確な市場価値を知る
まず最初に行うべきは、正確に近い市場価値を知ることです。
よくお伝えする通り、zillow.com等の’MLSサイト上の市場価値はアルゴリズム上の(かつ大元のデータ上の)無理があります。
見積もり価格の正確性に限界があることの免責はMLSサイト上そのもので伝えられている通りです。
そこであなたが本当にオファーを検討する場合は、必ずあなたの不動産エージェントから政府データに関連付けられたリアルター専用データベースからの数字を頂いてください。
(民間MLS上の数字は、自分がオーナーになった後でサイト運営者に修正依頼を出せばよいです)
そこで今回のリアルタイムケーススタディーの場合、リアルター専用データベースで除くと
上記のように然るべき不動産価値範囲が$98,434 - $122,766、平均が$110,600となっています。
zillow.comでは$105,056と見立てられてますが、実際は$110,600と約$5,000プラスで価値があります。
まず最初のポイントはこの平均値です。
すなわち、物件状態と価値の関係はこの平均値を堺に
あちこち修繕が必要な箇所が多いほど ⇒ $98,434へ近づく
リフォームで価値が上がっているほど ⇒ $122,766へ近づく
と考えるとよいのです。
もちろんこれは基本的な考え方であり、絶対指数でありません。
そもそも市場価格を最終的に決めるのは「買主」であり、過去の取引履歴は「買主が受け入れた価格」が並べられています。
すなわち、ごく普通の感覚として
「建築当時から大してリフォームもしていないが、
激しい物件機能の瑕疵はなく、お掃除すれば普通にきれいになる」
というフェアな状態であれば平均の$110,600と考えてよいのです。
そこでこの物件の場合であれば$95,000で出されているということは、
「家主は約$11,000は修繕が必要と家主が見ており、予めその分を差し引いて値付けをしている。」
という可能性が高いものです。
売主本人がzillow.com等の民間MLSの見積もりを信じて参考にしている場合もありますので、この場合は売主が
「修繕は約$6,000だろう。zillow.comで$105,056だから、$95,000にしておこう。」
こんな風に考えている可能性もあり得ますが、いずれにせよオファーする側としては$110,600を基準にします。
そしてこのように最初から大きく値下げしている場合、家主は
「市場価値よりも安くしているんだから、これ以上価格は下げないよ。」
と意思を固めているものです。
この物件はテナントが入居中ですのでいずれにせよ大掛かりな修繕は出来ませんから、購入時点で現状の見積もられる修繕価格を差し引いての売買になるわけです。
オファー額を検討する
そこでこのような物件にオファーする場合は、
オファー価格:フルオファーで入れる($95,000)
1.購入権を取得できたら、物件調査を入れる
2.「1」の結果をもとに、必要修繕箇所の見積もりを取る
3.物件機能の瑕疵修繕が$11,000以内であれば可(ただし、それ以上の値引きもダメもとで交渉)
4.物件機能の瑕疵修繕が$11,000以上かかることが明らかであれば、さらに値下げを要求
最初のステップはこのように考えておくと、然るべき不動産市場価格の平均値あたりに着地して高値掴みにはならないものです。
この時の絶対条件は「2」です。
通常、契約期間中には正式な見積もりは業者は動いてくれないものですが、私(佐藤)の場合は買主(クライアント様)が拒否されない限り、地元業者に無理にでも契約期間中に現場に向かってもらいます。
契約中に実際の修繕費用を見立てておかないと、クロージング後の相見積もりでは後出しされてびっくりのパターンが多いからです。(このような事例を多く見ています)
そして今回の物件のように平均市場価値から$10,000以上も低い場合、屋根もしくはエアコンの不具合等、多額の費用がかかる部分に瑕疵がある可能性は高いと思います。
いずれにせよ、何が飛び出てくるかは契約期間中の専門家による物件調査であぶり出されてきますので心配はありません。
もしも売主との修繕交渉がうまくいかない場合は無条件に契約を降りることが出来、かつEarnest Moneyは全額返金されますので安心です(物件調査費用だけは実費として発生します)。
ポイントとしてはあくまでも、
・然るべき市場価値を知る
・市場価値平均を基準として、最終価格をその平均基準に落とし込めるように努める
このような判断基準を持つことですね。
実際にはこのような物件は引く手あまたとなり、すぐに複数のオファーが入るだろうと思います。
そこからのオファー価格調整はケースバイケースになりますが、少なくとも中身が分からない物件に対するアプローチは上記のような段取りが無難であることは間違いと思います。
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