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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日から物件の現金購入についてお伝えしています。
物件購入にあたりオファーを入れる場合、
・融資を必要とする買主
・現金一括で購入する買主
この二者を比較すると後者の現金購入の方が有利になることは間違いありません。
この現金による優勢性をPower of Cash(パワーオブキャッシュ)といいます。
ところがあなたを含めて複数のオファーが入った場合、現金購入であったとしてもそのビット(オファーする価格)が高額であればあるほど売主に選ばれ易いかといえば、案外そんなことはないものです。
その理由は売主もまた感情のある人であり、Power of Cashよりも心理効果の方が強く働くからです。
簡単にいえば、失敗するのは売主に気に入られないパターン。
そのパターンは主に
1.契約期間に柔軟性がないこと
2.融資はなくともその他のコンティンジェンシーが多すぎること
3.売主への注文が多すぎること
4.物件購入に対する想いを伝えきれていないこと
の4つあります。
今日はこれら4つのパターンについて見ていきましょう。
1.契約期間に柔軟性がないこと
まず前提としてよく把握しておかなければならないのは、
「決定権はあくまでも売主が握っている」
という事実です。
物件をあなたに譲る譲らないは売主の心一つ。
そして現金の高に関わらず売主がそっぽを向いてしまうパターンで一番多いのは「買主が契約期間に対する柔軟性がないこと」です。
契約期間の決定はあくまで売主に合わせる姿勢を見せることが大切。
売主が
「引越しに時間がかかるから、契約期間は45日にしたい」
といえばそれに合わせ、
「すでに引っ越しは終わっていて一日も早くクロージングしたい。契約期間は三週間にしよう。」
というのであれば、それに合わせるのです。
ここで買主が売主の意に反して
「いや、私にも都合がある。そんなに長くは待っていられない。」
もしくは
「そんなに早くクロージングされるのは困る。現金購入だが、40日は待ってほしい。」
このような買主の主張は、高い確率で売主に嫌われることになります。
実際のところあなたでなくとも代わりの買主候補はいくらでもいますから、あなたのハイビットに関わらず売主は自分の都合に合わせてくれる購入希望者に流れてしまうものなのです。
2.融資はなくともその他のコンティンジェンシーが多すぎること
融資審査が絡む条件をFinancial Contingency(ファイナンシャル・コンティンジェンシー)と呼ぶことは昨日お伝えした通りです。
このコンティンジェンシーは不確定要素であり、条件が揃わないと契約は破棄となり売主は物件を市場に戻して一からやり直す羽目になります。
結果として、売主は可能ならコンティンジェンシー要素は避けたいものです。
ところがこのコンティンジェンシーは融資のみならず、その他のコンティンジェンシーも存在します。
まず買主に請求権があるコンティンジェンシーとして代表的なものは
「自分の物件が売れたら、あなたの物件を購入します」
というコンティンジェンシー。
これは何かといえば、買主であるあなたが「現在所有している物件が無事に売却できたらあなたの物件を購入します。売約出来なければ購入出来ません。」と約束するコンティンジェンシーです。
このコンティンジェンシーは売主が嫌がることは想像に容易いですね。
売主としては待たされた挙句に結局は契約が進まないリスクがあるわけですから、そんなやっかいなコンティンジェンシーを持ち込まれるならあなたを選びたくはないものです。
3.売主への注文が多すぎること
またコンティンジェンシーを持ち込まずとも、「私は現金購入だから、○○の条件をつけてくれ」とうるさい注文をつけすぎるのは避けましょう。
「このマスタールームのシャンデリアは残してほしい」
「冷蔵庫は残してほしい」
「壁のペイントは一新してほしい」
等など。
現金購入でハイビットだからといってあまりにも注文をつけると売主に煙たがられてしまい、落とせるものも落とせなくなってしまいます。
そしてそれらの些細な注文は、大概は物件価格そのものと比較すると大したことのない金額です。
そのちょっとしたことで売主が気分を害しては元も子もありませんから、ハイビットであったとしても求める条件は多すぎない方が吉とでます。
理想は、余計な注文は何もつけないことです。
4.物件購入に対する想いを伝えきれていないこと
最後にウソのような本当の話ですが「購入したい熱い想いが売主に伝わりきっていない」ことが原因で、ハイビットでも落とせない場合があります。
あくまでも売主があなたに物件を譲るか否かは売主の心ひとつ。
この点は特に売主が女性の場合によく見受けられるパターンですが、
「この大切な想い出がたくさん詰まった物件を次のオーナーにも気持ちよく使ってほしい」
そんな物件への想い入れが強い売主ほど、買主の物件に対する想いを重視する傾向があります。
仮にあなたのビットが最も高かったとしても、
・ほんの数千ドルしか差がない
・あなたの次に高いビットの買主は情熱をもってアピールしている
このような場合、なんと売主は想いをしっかり伝えてくれる二番目のビッダーを選ぶ場合があるのです。
そこでオファー価格が拮抗するような場合、あなたのバイヤーエージェントを通して自分がいかにその物件がほしいかをアピールすることは予想以上に効果があります。
いかんせん、アメリカ人とやりとりする時は自分の気持ちを表現してナンボです。
→ 言葉で言わないと分からない
→ 表現しないと分からない
これがアメリカ人と交渉する時のスタンダードだと捉え、自分自身の想いはしっかりとアピールするようにしましょう。
。。。
現金購入かつハイビットであっても、必ずしも売主に選んでもらえるわけではないパターンについてお伝えさせて頂きました。
その本質はどこまでも「決断は売主が感情で下す」というものです。
買主としてのあなた自身も最終的には感情で購入意思を決定しているのと同様に、売主もまた最終的には感情であなたに売るか否かを決定しています。
パワーオブキャッシュで現金の優位性を持ちながらハイビットであったとしても、売主の心理面をよく考慮しながらオファーは進めるようにしましょう。
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