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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
不動産業界に足を踏み入れて物件売買の仲介を行うようになった頃、やや辟易してしまったことの一つに「価格交渉」がありました。
不動産取引においては大きく分けて
オファーを入れる時
契約期間中
の二度、売主(買主)と価格交渉を行う機会があります。
例えばある物件が$250,000で市場に出されているとします。
買主:「$242,000で買います」
売主:「いや、それは安すぎるので$246,000で」
このように場合によっては何度かオファーの応酬を繰り返して落ち着く購入価格が市場価格(売主と買主が合意した売却価格)です。
この不動産売買取引の入り口となるオファーは買主の指値から始まり、お互いの主張で合意点を見出していくことになります。
とどのつまり、市場価格はお互いの感性・感情で決定される要素は多分にあるものです。
これは自由競争が許される資本主義の世界では当たり前のことであり、お互いの主張で価格を落ち着けるのは至極当然なことだろうと思います。
けれども、少なくとも私(佐藤)は本来この手の感性で行う交渉はさほど好きではないところがあります。
もともとシステムエンジニアで鳴らした頭ですので、どちらかといえば感性よりも論理的に物事を考えるきらいがあるのです。
最初のオファーの段階でも
・然るべき市場価値の範囲
・不動産鑑定士による評価(特に商業物件の場合)
できちっと市場価値の裏を取り、判断を下す大元のデータを用意してから指値を決定するべき。
余談:
初心者の方々の場合はリアルターが対象物件の市場価値をデータベースから引っ張ってこれることをご存じない方が多いものです。
気の利かないリアルターは市場価値範囲の提供すらスルーしてしまいますので、あなたが物件を選ぶ際にはオファー価格を決定する判断材料となる市場価値範囲は必ず聞くようにしてください。
zillow.com等の一般MLSの数字は当てにしないようにしましょう。
そして願わくば、統計による然るべき市場価値なり不動産鑑定士によるレポートなりから分かる数字をもってストレートに購入価格を定めたいところですが、そこには売主の思惑も入ってきますので願いどおりにはいきません。
とりわけ夏のピークタイムや動きの早い市場では投資用に目をつける物件は大抵は一日で飛ぶように売れてしまいます。
そうするといくらこちらが論理的にオファーする数字を用意したとしても
「いや、別にあたなでなくとも他にも買い手はたくさんいますから」
とふられてしまうことになるのです。
結果として、物件購入価格を定める最初のオファーから始まる価格交渉は論理思考だけでは完結しないことになります。
けれども修繕交渉は論理思考で詰める
そして最初のオファー時には感性で最終価格が決定されるのは仕方ないにせよ、それに終わらず今度は二回目の価格交渉の機会がやってきます。
それは「物件瑕疵に対する値下げ(あるいは売主による修繕)交渉」です。
オファー後に無事に購入価格が決定した後は、必ず専門家に依頼して物件調査を行う必要があります。
専門家による物件調査では物件内外を細かく調べ、物件機能の不具合といえる箇所は特に留意点としてあげられてきます。
そして一旦は購入価格で合意に至ったものの、物件調査であぶりだされる物件瑕疵に対して、今度は値下げ(もしくは契約期間中に売主に修繕を完了してもらう)を交渉するわけです。
通常の契約では「Inspection Contingency」という、物件状態によっては売買契約がそのまま継続されるか分からない期間が設けられることになります。
この期間中に
1.専門家による物件調査
2.物件調査レポートの確認
3.売主との交渉(売主がクロージングまでに修繕するか、もしくは値引きするか)
の流れを行うわけです。(Inspection Contingencyは物件調査と結果に対する交渉機会が与えらえるというだけで、義務ではありません)
そしてこの時もまた、大抵の取引では
「これらの物件瑕疵を修繕したら、$〇〇〇くらいだろう」
という見立てで減額を依頼し、
買主:「$3,000分を値引いてほしい」
売主:「いや、それは行き過ぎだから$1,500で」
このような価格交渉が展開されることになります。
。。。
佐藤はこれが嫌なのです。。
最初の購入価格を決定する部分ではお互いの妥協点を見つけてお互いが納得のいく市場価格に落とし込んでいきますが、物件瑕疵の修繕に対する減額まで交渉形式で決める流れには当初、本当に辟易したものでした。
この辺りの交渉を楽しめる方々はそれで満足すると思いますが、物件瑕疵の交渉については素因数はハッキリしています。
物件瑕疵の修繕を必要とする箇所
これが分っているということは、実際に業者に見積を依頼すれば修繕費は見立てられるはずなのです。
けれども実際の交渉では修繕見積もりを元に交渉を行う場面を目にすることはありません。
その理由は、普通は施工業者は契約期間中の物件に対して大がかりな見積もりを素早く取る作業はしてくれないからです。
そうすると買主(あるいは買主の代理でリアルター)がやれることとすれば、状況を施工業者に説明して
「ああ、それについては$〇〇〇くらいだろうな。」
その言葉を信じて交渉にあたることになります(もしくは完全に自分の感覚で)。
けれどもこの数字をもって減額交渉を行うと、二つの不具合が発生します。
一つ目に、思い通りに十分な減額が出来ない可能性が高いこと。
二つ目に、実際に施工業者に依頼してみると予想以上に費用がかさむ場合が結構な頻度で発生することです。
不動産取引で行われるこの物件瑕疵に対する減額交渉は、私(佐藤)にとってはある意味不毛な応酬に思えてなりませんでした。
そこである時から、この辟易する実りの少ない交渉に工夫を凝らすことにしたのです。
明日に続けます。
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