こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
友人に不労所得で暮らす50代の男性がいます。
若い時に母国の情勢が一気に不安定になり、国内紛争から逃れてアメリカに逃げてきた一族の一人です。
当時アメリカに逃げてきた人々はそれこそ命がけでした。
裕福だった一族も財産は母国で没収されており、文字通りバック一つでアメリカに渡ってきたのです。
当時10代だった彼は数多くの兄弟の末っ子であり、大学を出た後はコピー機の営業から仕事を始めます。
それからバーテンやカジノディーラーを含めて様々な職を転々としながらもある程度財産を築き、90年代のアメリカ不動産ブームの波に乗り成功してからは不労所得で暮らしています。
会うたびに
「日本にいつ連れて行ってくれるんだ?これ以上年を取るといけねーよ。」
とぶっきらぼうにいつも言われるのですが、いかんせん彼を連れてバケーション目的のみで日本に滞在というわけにもいかず。
いつか日本に連れていかないとと頭の隅っこで思いながらも、時が過ぎています。。
その彼が家を新築したというので見に行きました。
厳密には彼の一族の一人がアメリカに渡ってきて間もなく購入した古い一軒家を受け継ぎ、その物件をフルリノベーションしたのです。
完成後に引越したというので訪問すると、最初の印象は
「かなり小ぶりで地味だな」
というのが正直な感想でした。
外観はペイントこそかけてありますが、壁の古い素材はほぼそのままです。
外見は一見すると古い小さな家の外壁をペイントし直しただけで
「ホントにリノベーションしたのかな?」
という感じでした。
ところが驚いたのは家の中に入ってからです。
まず玄関を開けて気づいたのが、屋内ギリギリまで壁をぶち抜いて中の空間を最大限に大きくしたオープンなつくり。
この時点で、外見と中身の違いに驚かされます。
奥さんのリクエストでキッチンは最大限に広くスペースをとってあり、小ぶりな家の中でも床面積と壁の1/4はキッチン用に整えられています。
台所はお決まりのアイランドキッチン仕様ですが、そのアイランドテーブルも調理用には大きすぎ、半分以上は周りに洒落たハイチェアーをおくことでそのまま食卓になっています。

バスルームも広すぎず狭すぎず、後付の個室シャワーは天井から大量の雨が降ってくるかのような仕掛け。

そして建物面積の二倍はあるだろう裏庭には隅から隅まで人口芝生が敷き詰められ、ファイアーテーブルを囲んで談笑できるようになっています。

外からは何の変哲もない小ぶりな一軒やなのですが、中身と庭は完全にハイエンド物件のそれに作り替えられていたのです。
アメリカでは無意識にも「家は大きい方がいい」という通念があります。
著名な人々を見ると、大抵は数億はするだろう大きい家に暮らしていますね。
常に費用対効果を考えてしまう私(佐藤)は、あのような大きい家を持つことは一生ないだろうと思います。
大きいだけでメンテナンスが大変な家にはちっとも興味が湧きませんし、それよりも彼が所有するような小ぶりだけれども質にこだわる物件の方が魅力的に思えるのです。
新築でもフルリノベーションでも、大きい物件よりも小ぶりな物件の方が質を高めやすいことは確実です。
賃貸用ではなく自分の為にピカピカの新しい物件を整えるとすれば、まさに彼のような小ぶりだけれどもハイクオリティな物件が参考になります。
将来の物件トレンドを予想

そこで、自分でこのような物件を作ろうと思えばどれくらいの時間がかかるものなのでしょうか。
フルリノベーションの場合は構造そのものはすでにあるわけですが、新築の場合は全くのゼロから開始するパターンです。
投資の観点で言えば私(佐藤)の知る年配の方々に共通するパターンは
1.新築を建てる
2.自分で暮らす
3.物件価値が十分に高まった後に売却
です。
ハイエンド物件に自分でしばらく暮らしつつ、キャピタルゲインを十分に得た後で売却するのですね。
この方法だとキャピタルゲイン市場の中の然るべき立地であれば、売却額で
・新築にかかった費用
・売却までの固定資産税
・譲渡税(1031Exchangeで繰り延べる人も多い)
を清算してもまだお釣りがくるのです。
人によってはリタイヤ後にこのパターンを繰り返しながら資産を増やす方々もいます。
質のよい物件に暮らしながらも懐の資産は全く減らないどころか反対に増えていくという、不思議な錬金術の一つです。
そして将来のアメリカを予想すると、恐らく前述の彼が実行したように「小ぶりな物件だけれども質は高い」という物件に人気が出てくるように思います。
事実、今はまだまだ「家は大きい方がいい」という既存概念が強いアメリカですが近年は小ぶりな家にも意識が向き始めているのです。
サイズの小さい家に意識が向き始めているのは価格が安いから。
ダウンタウン郊外でも小さいサイズのマンションに人気が集まり始めていますし、この流れで住宅地の富裕層が多い地域でもサイズが小さめの物件に徐々に人気が出てくるのでは。
人というものは一度大きいサイズに慣れると小さいサイズにダウンサイズすることは本能的に抵抗があります。
けれども小ぶりな家ながらも彼の家のようにギリギリまで屋内を吹き抜けにしたつくりであれば居住空間としては十分に広く感じられ、サイズが小さい分予算を質を高めることに使えたとしたら、シニア世代に受ける立派な物件に仕上がると思うのです。
恐らく私(佐藤)がシニア世代になる頃のアメリカではこの手の「小ぶりだけれどもハイクオリティの物件」は随分と人気が出ているのではないでしょうか。
私自身もシニア世代の一歩手前くらいになれば完全カスタマイズの小ぶりな家を仕上げたいと考えていますし、その地域は目星をつけています。
それでは、仮にアメリカで新築物件を建設するとなればどれくらいの時間がかかるものなのでしょうか。
明日は、アメリカの新築物件の建築期間について概要を押さえてみましょう。
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